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若手の内科専攻医が突然妊婦となった時の衝撃と、その後の回復経過

 もし、たまたまこの記事に辿り着いた方の中に、『子供が欲しい一方、キャリアが終わるかもしれない恐怖』と戦っている方がいらっしゃったら、私の記事を読んだことで、どんな部分でもいいので、1歩だけでも、前進して貰えればとても嬉しいです😊

 ブログで1番コアな内容だと思うので、また後から読み直して、変だと感じたところは随時訂正していきます(*´ー`*)


 私は、自分自身が悪阻などの症状や不正性器出血により仕事を中断せざるを得なくなった時、言葉で言い表すのが難しいほどの衝撃を受けました。 

 『新しい命が、私のせいで、体内で危機に直面しているかもしれないという物凄い不安』

 『妊娠報告後は、部長に様々な面で仕事内容を免除して頂いていたのにも関わらず、それでも越えられなかった壁、屈辱感、一緒に負担を分け合っていた仲間への申し訳なさ』

 『私の妊娠を知らないスタッフ達から浴びせられた厳しい言葉達に対し、以前であれば、やってやるよ💢となっていた精神が、今は赤ちゃんの事が心配過ぎて、何も出来ない状態』

 『ここで仕事を中断する事による、目に見えるキャリアの崩壊』

 『文句を言われない循環器内科医になろうと、そう努力し、積み上げてきたものが、砂のお城みたいに風で消えて無くなっていく無念』

 『かつてお世話になった、思い出すだけで頑張れる、同僚・先輩・上司へ、妊娠が原因で仕事を中断しましたと報告したら、一体どんな風に思われるか、、、せっかく教えたのに中断?と悲しまないか、、、やはり女医は期待出来ないと思われないか、、、という不安』

 こんな不安が一気に胸を刺していました。

 1番ショックを受けたと思われる、その仕事を中断した日は、意外と悪阻はあまり重くなかったのですが、2,3日後から悪阻が増悪し始め、何度も吐いていました。

 数日経過し少し冷静になるにつれて、自分以外の人間が羨ましく思う様になってしまいました。
 職場の先生や看護師さん達からライン等でかけられる有難い言葉には、感謝の気持ちも勿論、あるものの、『自分はよそものになってしまったんだ』と感じてしまう等、とてもネガティブになっていました。週7(夜間呼び出しもあり)で循環器科で働いていた私が、突然、仕事のないニート状態になったという生活の激変になかなか慣れる事が出来ずにいました。
 働いていた時は寧ろ、鬱陶しく感じる事もあった様な人工呼吸器の音、モニター音、殺伐とした現場、カルテ業務、急な呼び出し、いつも持っていたメモ帳、時間外に始まる上司のレクチャー。それが全くなくなり、あるのは寝室とトイレとキッチンだけでした。

 (ずっと闇の中にいた幽霊がお日様の下に来たとたん、驚いて発狂してしまう、みたいなアニメとかの1シーンを思い出したんですけど、なんかその幽霊に同情してしまいました笑
 怖いよね、って😂)

 コロナのせいで家族や友達と外食するのは怖いので避けていましたが、ずっと家にいる事が不健康なのだと気が付き、徐々に日用品の買い物のための外出程度はする様になりました。
 それでも、外出すれば野菜コーナーやお惣菜コーナー、飲食店の近くでは吐きそうになり、帰宅したらしたで暗くなり、不安になり、嘔吐する状態はやはり続き、体重も減っていきました。

 こんな重たい重たい日々が3週間程続きました😱
 長すぎますね、周囲も大変だったと思います。

 しかしこの約3週間で、これまではネガティブだった仕事に対する私の考えですが、僅かに改善し始めていました。支えてくれた母や婚約者のお陰です。

 その後、気分が悪く無い時に英語の勉強を始めました。
 高校生の頃、通訳になりたい、と思った時期があったので、なんとなく英語を覚える、聞く、1人で英語を口にするのが苦じゃないんです。そして、英語が話せる医者になろうと思いました。
 また、これも高校生頃に一度興味を持って勉強しようとした事ですが、手話にも再び興味が沸き始めました。手話が出来る医者になりたいと、思いました。

 そして崩壊から1か月が経過し、少しはまともな思考回路が出てきた私は、こうしてブログの開設を婚約者に勧められ、始めてみました✨

 妊娠前はとにかくガイドラインを読む等していた私でしたが、今はまだ医学の勉強が手につきません。特に循環器内科の勉強をしようとすると、1番辛かった現場の事を思い出して気分が悪くなってしまう、トラウマ状態ですね。ですが、これではいけないと思い、産業医の勉強はし始めようと考えています。

 若手の女医は、週7、呼び出しありで働いたりと、多くは男社会で生きています。(勿論、他にも同様な業界があると思います。)女性が働くことが当たり前になり、若々しい女性が増えた現代なので、『女のくせに』と露骨に言われる事はほぼありません。そういった意味ではいい社会だなと思います。しかし、妊娠出産という人間がどうしようも出来ない部分に関しては、女性でさえ、納得のいく考え方を持っている方は少ないと思います。
 私の場合は、長年お付き合いし、数年前から結婚を予定していた方との間に赤ちゃんが出来、相手も喜んでいたので、今も前向きに物事を考えられています。しかし妊娠が判る前は、妊娠出産の年齢についてなど、殆どリアルに想像出来ていませんでした。常に仕事の事が頭をよぎり、もしかしたらずっと仕事だけの人生になってしまうかもしれないとも思っていました。
 今は、仕事と妊娠出産や子育てが、もっと一緒に考えられる社会であればいいなと思います。35歳以上は、高齢出産です。でも女性もキャリアを大事にしています。そこの問題を、嫌味なく、解決出来ればいいなと思います。

 とりあえず出産までの時期ですが、私は英語や手話の勉強をしつつ、産業医資格をとろうと思っています。

 読んで頂いた方の中で、少しでも同じような悩みがあったり、聞いてみたい事がある方がいらっしゃったら、コメントでご質問してください(^^)

 人物や場所特定、中傷等でない、常識的な範囲であればお応えさせて頂きます(*´ー`*)

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