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12.大学の頃のはなし(お好み焼き編)

大学生1年生の夏休み。
彼女を作るための武器を持とうと思った僕は、
何が武器になるか考えていました。

車を持てば武器にはなりますが、
その武器を維持するための資金力が
自分にないことは分かっていました。

考えて、出した結論はお好み焼きでした。
北海道に来て初めて分かったことがありました。
北海道で関西人は目立つということです。
関西では地味なキャラだった自分が、
北海道では目立っている印象を受けました。

そして、「関西=お好み焼き」と思われている
ような気がしました。

だとすれば、それに乗っかればいいのではないか?

料理は小学生の頃からオカンの手伝いをし、
中学生くらいから一人で作ることも少なくなかった
ので、苦手意識はありませんでした。

大学生になって一人暮らしを始めましたが、
学食で食べるランチを除いて基本的には自炊でした。

内藤家のお好み焼きは、広島風でした。
親父が広島風を好んだからだと思います。

ある時、親父が作ったお好み焼きを食べて
食あたりを起こし、それがトラウマになって
以降ずっとお好み焼きを食べていませんでした。

そんな訳で、一人暮らしを始めても
お好み焼きを作ったことがありませんでした。

そこで夏休み期間中にお好み焼きの作り方を
研究することにしました。

作るのは広島風ではなく、大阪風です。
広島風の内藤家のお好み焼きをそんなに
美味しいと思ったことがなかったし、
兵庫県民が作るのは大阪風の方が良いと
思ったからです。

最初は地元のお店で食べていたお好み焼きを
想像しながら作ってみました。

美味しくありませんでした。

また作りました。

やはり美味しくありませでした。
何がいけないのか、分かりませんでした。

このままでは埒が開かないと思ったので、
キャベツの切り方、分量、水の量、小麦粉の量、
焼く温度、焼く順番、焼く時間・・・など、
味を決めると思われる要素を洗い出し、
それらをフローチャートにしました。

二つ以上の要素を同時に変えると何が原因で
味が変わったか分からなくなるため、
一つの要素だけを変えてお好み焼きを作り、
可能な限り連続で作って食べました。
味の比較ができるようにするためです。

全部で100通り近い作り方を検証しましたが、
途中であることに気づきました。
水と小麦粉の量が少ない方が
おいしいということにです。

そして、思い切って水をゼロにして作ってみました。
成形するのに苦労し、見栄えは悪くなりましたが、
これまでになく美味しいお好み焼きができました。

料理は見た目ももちろん大事です。
見た目も良く、かつ美味しくするためには
どうすればいいのか?
フローチャートを水ゼロで作り直し、
試行錯誤を繰り返しました。

約1か月後、ついに完成しました
内藤式お好み焼きが誕生したのです。

その武器をひっさげ、
「お好み焼き食べに来えへん?
 オレ兵庫県民やから、美味しいの作れるで」
この言葉が誘い文句でした。

夏休みの自由研究の成果が、
早くも秋には出ることになります。

ちなみに、社会人になってから
ネギ焼きとそば飯も研究し、

ネギ焼き

そば飯


今ではお好み焼きと合わせた3品を
コース料理としてパーティーでお出ししています。

お好み焼きパーティー

(つづく)


次のはなし

13.大学の頃のはなし(恋愛編 後編)
https://note.com/totoro0129/n/n0b46616d1671/edit


<0.プロローグと目次>
https://note.com/totoro0129/n/n02a6e2bda09f

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