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13.大学の頃のはなし(恋愛編 後編)

Uさんのセビアン定着作戦に失敗し、
セビアンで彼女を作るのを諦めかけていた頃、
1年生のマネージャーにかわいい女の子Oが
入って来ます。
ただ、気になる程度で、告白するほどでは
ないかなという感じでした。

既に書いた通り、北海道大学は理系と文系が同じ
建物で授業を受ける教養部制をとっていました。

ある時気づきます。
セビアンでマネージャーをしているOの姿を
教養部で目にする機会が多いことに。
実は、それは偶然ではありませんでした。
Oが僕を追っかけていたのです。

それが分かってから、セビアンでOを
意識するようになりました。
そして木曜のつぼ八飲み会の最中に抜け出し、
Oを誘って北大構内に散歩に行きました。

そして、工学部前の芝生に寝ころびながら、
自分がなぜ北大に来たのかを語りました。
たぶん多くの男がそうするように、
夢を語ったのです(笑)

そして、そこで満を持して武器を出しました。
「お好み焼き食べに来ない?」
Oは二つ返事でOKしました。

そして、酔った勢いもあって付き合って欲しいと
言ったところ、これまた二つ返事でOKを
もらったのでした。

付き合い始めたことはしばらくセビアンでは
内緒にしていました。同期で一番仲が良かった
松永には、それを言わずにスキーに誘い、
3人で手稲ハイランドにスキーに行きました。

後に交際がバレた時に、
「オレ、アッシーだっただけじゃん」
って、笑いながら言われました。

バレてからはセビアンのメンバーの前では
二人であまり会話をしないようにしていました。

3つ上のキャプテンだった宇佐美さんが
「セビアンは、不純異性交遊は禁止だからな」
とおっしゃっていて、一応それに気を遣って
いた形です。
ただ、多くの方は気にしていない様子でしたが(笑)

Oはお酒が結構好きな人で、木曜の飲み会には
たいてい参加していました。実家から北大に通って
いたのですが、木曜の飲み会の後はたいてい我が家に
泊まり、そのうち数日泊まるようになりました。

マンションの大家さん(兼管理人さん)は
住民でない人が出入りするのを快く思わない方で、
それが理由で退去を言い渡された人もいました。

監視カメラを玄関と裏口、各階に設置されていたので、
Oと半同棲状態であることはご存じないはずは
なかったと思います。

指摘されたら引っ越すぐらいのつもりでいたのですが、
卒業するまで、いえ、未だにその指摘を受けたことは
ありません。

日ごろから雪かきのお手伝いをしたり、
話し相手になったりするなどして、仲良くさせて
いただいていたからかもしれません。

セビアンは3年生で現役を引退し、
その後はOBチームに移行することになるのですが、
Oは試験勉強もあり引退とともにほとんど
セビアンには顔を出さなくなりました。

試験勉強とは、弁護士試験です。
彼女は法学部を首席で卒業した優秀な人でした。
そんな彼女をもってしても弁護士試験は
一発合格できるようなものではありませんでした。

学部が違うため大学で会うことはなく、
セビアンでも会わなくなってしまい、
会う回数はすっかり減ってしまいました。

そんな中、二人の仲がギクシャクする出来事が
起きます。
4年生の夏の事でした。
僕が大学院への進学を決めた一方で、
Oは就職することを決めていました。

Oは家庭の事情もあり、弁護士になる夢を諦め、
翌年就職することにしたのですが、
関西で就職すると言いました。
関西は彼女にとって縁もゆかりもない場所です。
それが意味するものが何かはすぐわかります。

そして、僕はOに
「それはやめてほしい」
と言いました。

彼女が僕との将来を考えていた一方で、
当時僕はそこまで考えられていませんでした。
嫌いになった訳ではなかったのですが、
そこまでの覚悟はできていませんでした。

それがきっかけで、少しずつ離れて行きます。

ただ、はっきりさせた方がいいと思い、大学院を
卒業する前に既に札幌で働いていたOを呼び出し、
正式に別れを伝えました。
特に異論はなく、
それぞれの道を歩むことになりました。

(つづく)


次のはなし

14.大学の頃のはなし(大学デビュー編)
https://note.com/totoro0129/n/ndee9496b69de/edit


<0.プロローグと目次>
https://note.com/totoro0129/n/n02a6e2bda09f

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