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#97 ブラックスミス

「スミス」と聞くとどのようなイメージが湧きますか?

ウィル・スミス、エージェント=スミス、エアロスミス…。はたまた『銀牙~流れ星銀』のスミスや『3月のライオン』のスミス(三角達雪)を思い浮かべる人もいるかもしれません。映画で『Mr.&Mrs. スミス』なんてのもありましたが、簡単に総括すると、やはり人の名前のイメージが強いのではないでしょうか。


なぜ突然に「スミス」の話をし始めたかというと…。

私は仕事柄燕三条のモノヅクリをされている企業様のお手伝いをすることが多いと以前note(下記参照)にも書きました。

パンフレットやらカタログやら作らせていただくことも多いのですが、さすが「世界に誇るメイドインジャパン」というわけで、英語版を作ることも多いです。そんなとき、もちろん翻訳をしなければならないのですが、外注さんから翻訳が上がってきて確認するときに、よくこの「smith(スミス)」という単語に出くわします。


実はこの「smith」の意味は下記の通り。

1.金属細工師、鍛冶(かじ)(屋).
2.製造人、製作人

たとえば爪切りで有名な三条市にある諏訪田製作所さん。英語表記すると「SUWADA Blacksmith Works, Inc.」となります。

かっこよくないですか?

「Smith」は古英語で「打つ」を意味する「Smite」が語源らしく、ハンマーで金属を鍛錬する者を指し、転じて「職人」の意味で用いられます。

中でもブラックスミスは黒金(くろがね)…つまり鉄を加工する人のことを指します。同様に、金は「ゴールドスミス」、銀は「シルバースミス」、銅は「カパースミス」と呼ばれ、金属を加工する職人全般を「メタルスミス」と言います。なんか逃げ足が速くて、経験値をいっぱいもらえそうな名前ですね。なお単に「スミス」という時は、通常ブラックスミスのことを指します。

「銃工」は「ガンスミス」、「刀匠」は「ソードスミス」というらしいので、槌を作る人は「ハンマースミス」、槍を作る人は「スピアスミス」、ノコギリを作る人は「ソースミス」、斧を作る人は「アックススミス」と言えるのかもしれません。

「スミス」はその職業の重要性から、社会的に高い地位を獲得してきました。それゆえ、「スミス」という姓を持つ人物が世に多いんですね。英語圏以外では、ドイツの「シュミット」もこれに該当し、日本だと「鍛冶さん」になります。ドイツの有名な戦闘機「メッサーシュミット」は直訳すると「ナイフ職人」なんですね。


今回描いたイラストはこれまで私がもっていた「ブラックスミス」という言葉に対するイメージです。かっこいい黒人ラッパーというイメージでした。『ブラックパンサー』とかからも引っ張られてます。ぱっと聞きで思い浮かべるイメージと本来のイメージが異なる言葉は他にもあるかもしれません。この「異なる」ということにインパクトを求めることができれば、販促に使えることもありそうです。

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