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#178 日本酒のアッサンブラージュ

皆さんは、「アッサンブラージュ」という言葉をご存知でしょうか?

「アッサンブラージュ」とは、フランス語で「混ぜ合わせて組み立てる」という意味で、もともとは立体的なものを寄せ集めて作られた美術作品およびその製作技法のことを指していました。しかしながら、おそらくこの言葉を聞いたことがある方は、ワインの「アッサンブラージュ」を思い浮かべると思います。ワイン業界において、「アッサンブラージュ」はワインの原酒を混ぜ合わせることを指します。高度な技術と知識を駆使して混ぜ合わせることで、さらに特有の個性を持ったワインを作り出す方法です。

さて、ワインに限らず、同じお酒である日本酒にも「アッサンブラージュ」はあります!!

日本酒のアッサンブラージュは、ワインと同じく複数の酒をブレンドした日本酒を作ることを指します。異なる酒質や味わいを持つ酒を混ぜ合わせ、場合によっては、より高品質な酒を生み出すことができます。

新潟市で行われる「酒の陣」でも、複数の酒蔵のお酒を混ぜた特別酒が振舞われたりすることもありますよね。そのことからも分かる通り、イベントやキャンペーンで酒造メーカー同士が協力して酒を混ぜ合わせることが多い印象です。それは、イベントを盛り上げたり、イベントの目玉商品を作ったりするための、複数の酒蔵によるコラボ商品という側面もあるかと思います。


そんな中、この酒どころである新潟県で、新たに「日本酒のアッサンブラージュを一般の方にも楽しんでいただこう」という取り組みを始めた酒蔵があります。それは、妙高市の千代の光酒造様です。

「My クラフト chiyo」と銘打った千代の光酒造様のアッサンブラージュは3段階にて行われます。まず「Kベース」と「Gベース」の2つの原酒をベースにして、各々4種類(純米大吟醸、特醸、真、天福)のお酒と5対5で割ります。その中で一番気に入った組み合わせを、2段階目として各々3対7、7対3で割る2種類のお酒を飲み比べます。最後の3回目は気に入った方をさらに細かく自由に比率を変更して飲んでいき、一番自分の気に入ったお酒を決めます。それゆえ、その「組み合わせ」×「割合」は無限で、自分の気に入ったお酒は世界に1つしかないお酒となります。そして気に入ったお酒は4合瓶(720ml)で6本分届けられます。

このアッサンブラージュは蔵元とご自宅の2つの場所で体験することができます。蔵元では蔵見学をした後、スタッフの方々の立ち合いの元、体験することができます(池田社長自ら立ち会われることもあります!)。自宅で行う場合は3段階でキットが送られてきて、順次行うことができます。

また、地元妙高市の酒屋さんを盛り上げていこうという取り組みも。地元の酒屋の店主自ら千代の光酒造様でアッサンブラージュを行って決めた割合のお酒を、その酒屋オリジナル酒として限定販売したりする場合もあるようです。

できることならやはり蔵元まで足を運んで体験して欲しいです。実際にお酒が作られている現場を見ることができますし、美味しいお酒を生み出すことができる妙高の自然を体験するのもまた素晴らしいです。


そして、実はこの度、この千代の光酒造様のウェブサイトのリニューアルをお手伝いさせていただきました!ありがとうございます!!

ウェブサイトのコンテンツ内容をまとめるにあたり、実際私も現地でアッサンブラージュを体験してきました。正直お酒を混ぜるだけでこんなにも変わるものかと驚かされました。また、混ぜるお酒が吟醸酒のように値段が高いお酒の方が美味しくなるかと思いきやそうとも言えず、とても興味深い体験でした。

さすがに雪深い冬に行くのは大変かもしれません。ですが今は夏本番を目の前にした季節です。是非一度訪問してみてください。


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