シュペルターと歩む15年記 #25
コラム17:ヘリテイジ de アート
deって何だよ!
いきなり安易なタイトルで始めてしまいました。
”〇〇 de △△”
身の回りでよく見る安易な商品名の代表格。
例えばコレ!DIY店で売っているメロンの苗です。
ご丁寧に、”de”に”で”と読み仮名がふってある。
なぜなら本来のフランス語では”ドゥ”と発音するからだ。
で育ててみたのがコレ
ぐんぐんと茎が伸び、そして葉が茂り、あっと言う間に花が咲きます。
雄花と雌花は蜂などが飛び回らない限り、自然には受粉しないので、
結構大変ですが手作業で受粉させる必要があります。
ちなみにマスクメロンのあの網目は、
実の成長につれて、表面の皮が裂け、
裂けたところがかさぶたのように盛り上がりながら
どんどん細かくなって出来たものなんです。
素晴らしい。
重量は500g弱です。
1㎏にはなりませんでしたが、ちゃんとベランダでメロンが育ちました。
ラベルに偽りなし。
ただし、メロンの実が熟す頃には、
それまで光合成をしてデンプンをせっせと作り続けてきた葉は
親が我が子の成長を見届けて、自らの生涯を終えるように
枯れてしまうのですね。
さすがにラベルには、この切ない命の物語を表現することはできなかった。
ちなみにdeをフランス語の辞書でしらべると
したがってベランダ de メロンを本格的にフランス語で表記すると
Balcon de Melon
翻訳するなら、deが場所を表す前置詞でなかったのが幸いし、
『メロンのバルコニー』
商品の企画からしても、あまり違和感ないですね。
ちなみにベランダはポルトガル語のヴァランデが英語になったもので
外国では”建物の1階の外に張り出している屋根付きのスペース”
のことなのだそうですよ。
安易な商品名だと思っていた、〇〇 de △△ですがなかなか奥が深い。
今度から、街で見掛けた時にはもれなく記録するようにしておこう。
アートとの出会い
2016年11月末、インターネットを見ていると
こんな情報を見つけたのです。
Artistic Cars At The World Heritage
カウンタック VS. 512BB
少年の頃のスーパーカーへの熱い想い再び!である。
場所は京都二条城。
正式名称は『元離宮二条城』
1994年に古都京都の文化財の1件として世界遺産に登録されています。
なるほど、それでAT The World Heritageなのだな。
10月31日から始まっており、最終日は12月11日。
まだ間に合う!
トトムの趣味全開ですが、
秋の行楽を兼ねて12月3日、家族全員で行ってみました。
ただスーパーカーに関しては1977年当時のスーパーカー小僧から
何も進歩しておらず、
皆さんにご披露するような特別な知識など何も無いのですが、
自分のお勉強のためインターネットでちょっとは調べて見たり、
自分の思い込みで話してみたり。
でどんどん流していきたいと思います。
このどんどん”流していきたい”という最初のお約束が
なかなか守れないんだよなぁ。これが!
以降、実際に撮影した写真とネットで検索したものを区別するために
会場で撮影した写真には”実撮No.”を付していきます。
二条城到着
会場入口です。ドキドキ
会場はざくっといえばコの字形
コの上の横棒の左側から入り→
コの縦棒へ進み↓
コの下の横棒を←左向きに出るわけである。
まずは最初の上の横棒のエリア
アバルトに迫れ!
フィアット アバルト750 RECORD MONZA サガート(1959)
のっけからカワイイの出たな!
この後の吸気孔みたいなところの造形がなんとも良い。
車の名前に、たくさん文字がくっついてますね
RECORD MONZAっていうのはイタリアの
モンツァサーキットで記録を出したということなのだろうか?
それ以外は会社名だが、なんで3つも⁉
フィアットはイタリアの巨大自動車会社(日本で言えばトヨタ)
アバルトは・・・、そうあのアバルトだ!
ザガートはボディーをデザインしたり作ったりするカロッツェリア
特にフィアットとアバルトは
あをによし 奈良
や
たらちねの 母
くらい一心同体少女隊なのですが、
実はこの2つの会社の関係があんまり良く分かっていないので
この機会に調べてみます。
まずはフィアットの再確認から始めよう
フィアットのカワイイ車と言えば間違いなくこれですよね。
フィアット・チンクエチェント(1957)
愛称は”コマネズミ”らしいので、
コマネズミのイタリア語がチンクエチェントなのかと思っていたのですが、イタリア語をかじってみると
5がチンクエ、100がチェントなので、チンクエチェントとは500で
500㏄のエンジン排気量を表しているのである。
それでこのチンクエチェントにそっくりなのが
フィアットアバルト695
同じやん!
もうお分かりと思いますが、695はやはりエンジン排気量なので
エンジンを大型化してパワーアップしたスポーツ仕様車。
運転するなら別ものだが、プラモデルで作るだけならばほぼ同じ。
実際にグンゼ産業のハイテックモデルで両方発売されていた。
金属パーツとかが付属して高額だったのでどちらも買わなかったのですが
仮に買うとしたら、勿論フィアットアバルト695だな!
だって695はイタリア語で
”セイチェント ノーバンタ チンクエ”なんですよ。
なんとも響きがカッコいい!ただそれだけなのですが。
まぁアバルトに関する知識というのが実はこの程度なんですね。
現代を生きる自分にはそんな古い車の事など預かり知らない!
という方! チッチッチッチッ
車前面のエンブレムを見てください。
このサソリのマーク!
名前は500だけど排気量は1240㏄もある3代目フィアット500に見えて、
実は500じゃない、エンブレムが”FIAT”のロゴではなく
このサソリのマークに付け替えられたヤツを
街中で結構頻繁に見掛けるハズです。
あれもフィアットアバルト695なのです。
はい、これで全員アバルトに対する知識が横一線になりました。
あとはいつもの通り安易かつお手軽にインターネット検索ポチッ。
ちょっと待て~い。
アルファロメオがフィアット傘下となっていたことは当然知っていたが
DTMチャンピオンに輝いたアルファ155のレーシングバージョン
155V6 TIを開発したのがアバルトだと!
全く知らなかった。
しかも、それだけではなく
ランチャラリー037やランチアデルタ・インテグラーレなど
レース史上に燦然と輝く名車達までもが
アバルトの手によるものであったとは。
アババババ、アバルトすげぇ!
UFOは料金所がお嫌い⁉
パナール GILCO ”ディスコヴォランテ” MM(1952)
あまり聞き馴染のないパナールというフランスの自動車会社の車。
パナール社のことを知って言っているわけではないのですが、
フランス車以外でこの見事なまでの
フレンチブルーの車体色が許されるはずがない。
とはいってもフレンチブルーという色に決まった色味があるわけではなく
レーシングシーンにおけるフランスのナショナルカラーが
ブルーである、ということらしい。
言い換えればフランス車に塗った青はすべてフレンチブルー
ということなのだろうか。
後から見ても、いや後姿こそ一分のスキもない造形
フロントフェンダーから異様な張り出しのあるドアへの繋がり。
後部座席(があればだが!)の両側と後面の宇宙船のようなウインドウ。
リアフェンダー後端の1/4円形の切り欠きなど見所が一杯ですね。
ちなみに後部座席はありませんでした!
ガソリンタンクのようです。ゾ~
名前につく”ディスコヴォランテ”とは空飛ぶ円盤のこと。
ダブルクォーテーションが付いているので、
おそらく”コマネズミ”同様に愛称なのでしょう。
理由は正面から見ると一目瞭然
ちなみにアルファロメオのレーシングマシンにも
ディスコヴォボランテと呼ばれる車があります。
ところで話は変わりますが、左ハンドル車に乗っていて一番つらいのが
高速道路や駐車場の発券やお金の支払い。
有人の料金所であろうが、自動支払機であろうが、
あの頑強な基礎の張り出しを何とかしてほしいものだ。
今はECTを付けたので高速道路は良いが、駐車場はまだ難敵。
左ハンドル車で右側の窓から、
なんとか係員さんや発券・支払機に手が届くように
車をギリギリまで寄せようとすると、
タイヤのホイールが料金所の基礎にガリッと擦ってしまうことがあり、
さりとて安全を見過ぎると、全然手が届かないということになるのです。
しかしディスコヴォランテの場合にはもっと大変だろう。
なんせ未確認飛行物体、空飛ぶ円盤なのだから!
料金所との第三種接近遭遇を試みる時は地球人とだけでなく
ホイールと基礎コンクリの接触にも、
ドアと料金所ブース本体の接触にも
気を付けねばならないのだ。
そしてギリギリに寄せられたとしても、
ウインドウから係員さんまでの距離は気持ち的には
一天文単位ほども離れているのである。
箸休め
フィアット SIATA 500 PESCARA (1939)
さすがに戦前1939年製だけあってヴィンテージな意匠を身にまとっている。
ドライバーズシートとナビシートで別体のフロントガラス
後輪の側面を覆うスパッツ。
全体も葉巻型の車を進化させたような趣がありますね。
OSCA MA MT-4 2AD(1956)
フェラーリ250GTOを彷彿とさせる流麗なスタイリング
リアビューも隙がありません。
ん? 運転席の後ろにあるのは、フェラーリ312Tのような
シュノーケル式エアインレットだろうか?
まさか!フロントエンジンに見せかけてリアエンジン車?
いや、只のヘッドレストの延長みたいです。
中は空っぽかな?
エランは夢か幻か?
ロータス エラン+2 PROTOTYPE METIERⅡ(1965)
エランには特別な思い入れが有るようで、
実は実車とは全然縁が無いのです。
ところでこのエラン+2は普通のエランとは全く違っている。
エラン+2とは、2シーターのエランに対して、
補助的な後部座席が付いた2+2モデルだが、こいつはいただけない。
なぜならポルシェ914のそっくりさんだからである。
言いがかりのようだが、相乗効果的に好みではないのである。
改めてこうして並べてみると、
断然エラン+2のほうがカッコ良いことに気付いてしまったのだが、
風評被害だったとは全く申し訳ない。
しかしこのエラン+2 PROTOTYPE METIERⅡ PROTOTYPEとやら、
風評被害の元となるウインカーが
視認性の良いフロントライト両側の位置から消滅している。
(いや、無い訳は無いので、バンパーの下にちょこんと収まっている
ちいさいオレンジ色のものがウインカーなのだろう。)
不安全極まりないがカッコ良い。
二条城の風景の中にあっても十分Artisticな存在感をアピールしている。
何者なのだろう?
ネットで調べたところ、PROTO TYPEと言うだけあって
エラン+2の量産型開発のための試作品の一つであり
世界の1台のみの幻のロータスエランなのだそうです。
(ガンダムでも同型機が3機あったのに!)
このように
人としてエランと出会い
人としてエランに迷い
人としてエランに傷つき(傷つけた?)
人としてエランと別れた理由とは!
昔、車検の切れたロータス エランを買って、
近所の無人となった家屋の庭にひっそりと置いていたのです。
確かグリーンのロードスターでした。
勿論夢の話です。
どうも”近所の家”というのは実家の近所で左隣の木工所と
そのまた左隣のレン君という白いワンコを買っていたお家の間に
細い道があり、その道をだいぶ奥へと入った所にある家のようなのです。
何回もその夢を見るので、しまいには本当にエランを買って
その家の庭に置いたっきり、忘れているのではないかと心配になり、
真相がどうなのか、だいぶ怪しくなったことがあります。
(やっぱり夢でしたが)
夢日記をつけてしまい、発狂したわけではありません。
この”細い道”というのが夢の中に現れる
私にとっての不思議スポットなのです。
或る時は近所にUFOが飛来したというので、
ちょっと玄関から表へ出てUFO探しをしていると、
ちょうどこの細い道から現れた宇宙人と鉢合わせをしたこともありました。もちろん夢ですが。
あつ、思わず最初のエリアに長居してしまった。
次はいよいよ、コの字の縦棒エリアだ。
ただこのエリアは思った以上に
ヘリテイジかつエレガントすぎる車が集う紳士の園のようであり、
自分が乗って運転しているという想像の翼が広がらない。
我ながら紳士たちを傷つけない、うまい言い方をしたな。
まずはクラシックカーの部類
ランチア ラムダ ティーポ 221 CASARO(1928)
アルファロメオ 6C 1500 SPORT(1928)
こういった車にはとんと疎く、
すべてルパン三世が乗っているように見えてしまう。
次はエレガントな車
アルファロメオ 6C 2500SS ベルトーネ(1942)
この車は今回の展示車の中で
Concorso d’Eleganza Kyoto 2016
を勝ち取った最もエレガントな車なのだそうです。
このコンコルソ・デレガンツァとは?
何やら大変そうなイベントである。
この展示会では最終日の12月11日に行われたのだそうです。
フィアット 8V SECONDO SERIE(1954)
これをエレガントといって良いのかどうかわかりませんが
ヌメッとしているのをエレガントというのならこれもそうなのだろう。
インパクトとボディーの成型技術はスゴイ
他のエレガントな車達はこんな感じでした。(興味メーター 残2%)
BIZZARRINI A3C CORSA(1966)
エレガントカーの一団から少し離れてポツンと置かれている。
設計者はジョット・ビッザリーニ氏
フェラーリ250GTO(このnoteで既に登場)の開発エンジニア
だったのだそうですが、完成間近にフェラーリから謎の大量解雇に遭った
1人に含まれるらしいのです。
ふ~む。こいつはチャキチャキのイタリアっ子のハズなのに
何故だかアメ車の息吹を感じる。
と思ったらエンジンはシボレーのV8を積んでいるらしい。
単なる思い過ごしかもしれませんが、フェラーリへの怨嗟なのか?
そんなことを考えていると
知らぬ間にコの字の下の棒に差し掛かっていました。
実撮2の配置図を見ればわかりますが
コの字の縦棒エリアが存外幅広く、
下の棒の長さは幾らも残っていません。
アルピーヌルノー A310(1972)
フィアットにとってのアバルトのように、
ルノーにはアルピーヌがある。
ただしエンジンがルノーでボディーがアルピーヌ社製なのは
フィアット&アバルトとは逆のフォーメーション。
あ、だから名前はアルピーヌが先に着いているのか。
言わずと知れた、葛城三佐の愛車
葛城三佐って誰かって。
エヴァンゲリオンのミサトさんです。
このA310、N2地雷の爆風で横転したりとひどい目にあっていましたが
ミサトさんが三佐になったときはもう廃車になっていたのか?
いやコミックス第5巻163ページにおいて肉眼で確認。
健在でした。
そして出口直前にひっそりとたたずむ
ロールスロイス25/35HP スポーツ サルーン
なんだか一人、いや一台で寂しそうにしていました。
ロールスロイスの左側の壁が出口?
ここを超えたら再入場できないのかな?
とりあえずゼニファー、ポコぞうには出口手前で待機してもらい
撮り忘れた写真がないかチェックしつつ
すべての車に別れを告げる。
出口に戻ってみると、家族の皆様はこんな状態。
ゴメンゴメン、お待たせしました~
右の順路と書かれている方向にあるのが、『台所』
台所というのだから、きっと二条城の台所なのだろう。
と思いつつ中に入ると、
こんなん出ました~
ビモータ テージ1D(1991)/2D(2005)/3D(2015)
まさかビモータのテージシリーズが一同に介するとは!
ビモータというのは1966年設立のイタリアのオートバイメーカーで
創始者のビアンキ、モーリ、タンブリーニの名前を繋げたもの。
まるで君江(きみえ)、明美(あけみ)、良子(りょうこ)、すみれ
の最初の字をつなげて名付けた
NHI連続テレビ小説『べっぴんさん』(2016~2017)
の子供服メーカー、キアリスのような社名です。
ビモータ設立には立ち会えなかった人も、
キアリス設立のシーンは連ドラでご覧になった事でしょう。
私もリアルタイムで見ました。
ビモータの中で一番好きなのはこのドゥカティのエンジンを積んだdb1
大学時代に初めて買ったバイクの本に載っていた。
国産レーサーレプリカとは一線を画するフルカバーのスタイルに
衝撃を受けたものです。
そして今となってはこの色と形からどうしても
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会
を思い浮かべずにはいられません。
ところでテージというのはイタリア語で『論文』のこと
ビモータが半ば研究論文のノリで開発した
スイングアーム式のオートバイ前輪サスペンション&ステアリグシステム
が名前の由来だとか。
私はバイクはノスタルジックなネイキッドよりも
レーシーなフルフェアリングを選ぶ口なので
こういう未来的なバイクは大好きです。
ちなみに『台所』は台所ではなかった・・・
よし、これでおしまい!と台所から外に出ると、
予想外、たくさんのスーパーカー達が待っていました。
あー、そうだった。
もともとカウンタック VS. フェラーリ512BBの対決を見に来たのを
すっかり忘れていました。
GT ロマン
マセラッティ シャマル(1994)
でた!マセラッティ
70年代 スーパーカーブームのいぶし銀的存在である
マセラッティ― ボーラはポセイドンの三叉の鉾のマークとともに
どこか繊細で儚げな印象でした。
それは”レースに勝てず、撤退してしまったマセラティ”
という営業妨害のような当時の”少年向け解説”のせいなのか、
あるいは近所の駄菓子屋で買ったボーラのプラモデルの
透明部品が足りなかったせいなのかもしれません。
しかしこのシャマルは、なかなかふてぶてしい。
良く言えば力強い、
見方によってはヤンキー車っぽいのですが、好みは分かれるところ。
私は好きですけど。
そしてインテリア
マセラッティ伝統の縦長のアナログ時計がダッシュボードの中央に!
これは”一家に一台”ではなく、”一台に一個”欲しい。
なお広島県福山市に自動車時計博物館というのがありますが、
ここには、この名門マセラティの車内用の時計は展示されておりません。
なぜなら、ここは”自動車時計”の博物館ではなく
”自動車”と”時計”の博物館なのです。
マセラッティ ギブリカップ(1997)
シャマルのデザインを踏襲したギブリですが
フロントエアダム、サイドスカート、リアブリスターフェンダーなど
各部の意匠がおとなし目になっています。
ボディーカラーが黄色でなければ、乗用車と言えなくもないレベル
やはりシャマルはやりすぎだったと思ったのでしょうか?
それでもシャマルが好きです。
でもこの系列で一番好きなのはビトゥルボ。
ギブリ、シャマルのご先祖です。
特に西風さんの漫画”GT roman”に出てきた
ビトゥルボがエンジンを掛けるシーンが最高だった。
イル・モンストロ達
アルファロメオ ES30 RZ (1992)
こいつがイル・モンストロ(il Monstro)の主犯格
英語でThe Monster、=怪物と異名を持つES30 SZの
オープンモデルがRZなのです。
SZも同時に展示されていましたが、
SZの生産台数1000台に対してRZはたったの278台しか作られておらず、
なかなかお目にかかる機会がない貴重な車であるため
こちらを紹介いたしましょう。
SZもRZもベースとなる車体はアルファ75であるだけに、
トランスアクセル配置のFRという最適な前後重量配分と
ド・ディオン リアアクセルによる良好なタイヤ接地性を受け継いだ
スーパーハンドリングカーですが、
エンジンはV6 3.0リットル SOHCで出力はたかだか210馬力。
必要にして十分なパワーではありますが、
モンスター級の動力性能というほどではありません。
もう察しは付いていると思いますが、怪物と言う名前は
その異様なエクステリアデザインから来ているのです。
正方形のライトが6つ並ぶフロントマスク
垂直に切り立った崖のようなドアパネルなど、
お世辞にも整ったスタイルとは言えない。
アミダばばぁのように”醜いほどに美しく”がコンセプトなのだろうか?
ランチア ハイエナ ザガート(1992)
こいつもある意味怪物。
なんとこちらのベース車両は
ランチアデルタ・インテグラーレ・エヴォルツィオーネ。
生産数はたったの25台と言われる。
何が怪物なのか?といわれれば、う~ん、名前かな、
というかわざわざ名車ランチアデルタをこんなのに(失礼)改造して
こういう名前をつけた勇気です。
なぜハイエナと名付けたのか?
とりあえずWikipediaで素直に”ランチア ハイエナ ザガート”と
打ち込んでみたところ
”ハイエナの車名はハイエナ科に属する動物に由来する。”
とあっさり。
いやそれはそうだろうが、知りたいのはそう言う事ではないのだ。
次に”ハイエナのよいところ”と入力してネット検索したところ
非常に明確な答えが表示されました。
顎の力が非常に強く、硬くなった死肉や骨まで嚙み砕くことが出来る。
ライオンやチーターなど他の肉食獣が食べ残したものまで
食べることができ、食べ残しが全くないこともある。
骨を消化して栄養にすることができるため、餌が少ない時期には
骨を食べて凌ぐこともある。
ハイエナに抱くイメージ通り。
でもこの車のコンセプトは
”ガソリンはハイオクでなくても大丈夫!”
”ガソリン代が安くつきますよ。”
ではきっとないのでしょう。
我らが主役
ランボルギーニ カウンタック アニバーサリー(1990)
カウンタックといえば、斜め前方からのショットがキメ角度なのですが
左右のドアを跳ね上げた状態であれば
真正面から立体映えを無視して撮るのもまた良し。
カウンタックの生産開始から16年も経ったこのアニバーサリーでは
エアロダイナミックスに基づいて、各部のデザインが悉く変更されており、
特にリアビューはもはや別物である。
スッキリとしたLP400も良いが、これはこれで魅力的である。
フェラーリ 512BB(1980)
こちらもカウンタックと双璧を成す第一次スーパーカーブームの超主役。
かつて我が町三原にやってきたフェラーリBBは365だったのだが、
4灯式のテールランプであることからも、これは512BBに間違いはない。
しかし今回の対決、爆進化したカウンタックに対して、
フェラーリが当時のままのスタイリングでは、
勝負の同じ土俵に乗る事すらできない。
会場には1996年型512Mもあったのだが、
カウンタックアニバーサリーと年代が合わないし
なにより私的にはこれはフェラーリの大スランプ時代の車だと思うので
写真すら撮っていないのです。
そこでインターネットから対戦相手にお越しいただきました。
フェラーリテスタロッサ(1984~1992)
このサイドのド派手なスリットは
ガンダム世代にはなかなかグッとくるディティールである。
1980年代後半~1990年代序盤は
カウンタックアニバーサリーにしてもテスタロッサにしても
スーパーカーというよりもドリームカーと表現するのがふさわしい
両雄並び立つ時代であったということで、今回は引き分け。
ところで”夢”で済ませられないのが、お金の話。
また現代ではお金でも済ませられないのが二酸化炭素の排出である。
いったい今日、Artisticという名のもとに
World Heritageである京都二条城に鎮座している
車の燃費とは一体どのくらいのものだろう?
なお新車購入から27年経過している私のアルファロメオ155 V6だと
だいたい燃費は7㎞/ℓ弱~10.77㎞/ℓ(良好値は本日給油時に算出したもの)
あまり褒められたものではないな。
道路状況や使用するギア、エンジンの回し方によっても
燃費はだいぶ変わりますが、
何よりタイヤの空気圧を適性値に維持するのが重要かと思います。
そしてArtisic Car代表のカウンタックのお燃費は?
ネットで調べた結果、
極端に良い値と極端に悪い値を除いたおおよその範囲でも
1㎞/ℓ~8㎞/ℓと大きくばらついている。
最頻値は3~5㎞/ℓくらいだろうか?
しかし、さすがにリッター3㎞を切ると、
いくらArtistic Carといえど京都には居づらくなるのではないだろうか?
なんせ京都は地球温暖化防止京都会議(COP3)で
160か国が京都議定書を締結した地なのだから。
ここは誠に僭越ながら
京都においてスーパーカー達が展示される新たな意味を
探さなければなるまい。
そいういえば以前これと似た展覧会に行きました。
京都醍醐寺 de カルティエ
車と宝飾品と物は違えど、
京都の歴史・文化とゴージャスな物との組み合わせ。
あの時買った目録にはなんて書いていたっけ?
あぁ、そうか!
京都は過去の遺産ではなく、未来の文化を生み出す都市として
自動車文化の良いところ、そして悪いところまでも含めて
改めて人と車のあるべき関係を見出そうとしているのだ。
おまけ
この後みんなで紅葉の二条城をゆっくりと見て家路につきました。
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