『アナベル・リイ』 (小池 真理子)
ゾワゾワしたい人におすすめ。
今まで、ホラー小説を読んで怖いと思っても、ざわっと鳥肌が立つことはありませんでした。でも『アナベル・リイ』は読んでいる間に何度か鳥肌が立ちました。
今のホラーというジャンルの本って、だんだん変わってきましたよね。なので、陰惨な雰囲気のある恐怖をテーマにしたもののイメージがあります。
その点から見ると『アナベル・リイ』はホラーストーリーっていう感じではなく、かといって昔懐かしい怪談、という感じでもない。
きっと文章の美しさが「怖ろしさ」をより神秘的なものにしていると思います。「ゴースト・ストーリー」という言葉が宣伝画像にかかれてましたが、なるほどと思いました。
エドガー・アラン・ポーの詩、「アナベル・リイ」を題材にした本で、思い出すのは大江健三郎さんの『臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ』。昔「いけないもの」を読んでしまったような気がしたのを思い出しました。今は『美しいアナベル・リイ』というタイトルになっているみたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?