社会復帰するまで14

こんにちは、もうすぐ師走なのにこの暖かさは気持ち悪いですね。


さて、ケガをしてから約3ヶ月、ついに車椅子から立つところまで出来ました。

当初は体を起こす事すらできず、串に刺した食事を摂っていた事からすると劇的な回復です。根拠の無い自信がみなぎり、ここを退院する頃には走って帰れるという、飛躍し過ぎた妄想まで抱いていました。



日も変わり、今日もいつものようにリハビリ室へと向かいます。

今日もまずは筋トレと思いマットの上に横になった時、Y先生の隣にもう一人白衣を着た男性が立っていました。

『toshi君、この子は今日から実習で来た学生さんやねん。俺が他の患者診てる時とか休みの時は、この子にサボってないか監視してもらうから(笑)』


心配せんでもサボらへんって…

口には出しませんでしたが、心の中では小栗旬を睨みつけていました。


『まぁせっかく来てくれたんやし、この子の勉強相手になってあげてよ!O君、toshiはマジで凄いよ!筋力の数値測ってみてん?』


研修生のO君は言われるがままに僕の隣に座り、足を伸ばして仰向けになってほしいと指示を出しました。

『じゃあtoshiさん、この状態で片足だけ上げてみてください。』


ふんふん、舐めんじゃないよO君。こちとら既に立つことが出来るんだぜ。



??

この世の終わりみたいな顔で力を入れてるのですが、わずか10㎝上がったかどうか。

『じゃあ僕が少し負荷をかけますので、同じ事をしてもらまえますか?』

O君が僕のスネのあたりに手を置き、少し下方向に力を加えました。

………

足は全く上がりません。




その後もいろんな場所の筋力を測定しました。

結果、どうやら…

・膝から下(腓腹筋、下腿三頭筋)

・お尻の付け根(大殿筋)

・足を横に開く筋肉(腸腰筋)

・足を閉じる筋肉(内転筋)

・太もも全面の一部(大腿四頭筋)

が、ほぼ完全にマヒしている事が分かりました。


『え?こんな筋力状態でなぜ立てるんですか?』

『な?こいつ凄くない?俺も正直分からんけど普通に立てるんよ!』

二人の会話+初めて聞いた筋力値の結果で、自分が立てたことが奇跡に近い事だと実感しました。

『toshiさん、どこか重点的に意識して力を入れている筋肉はありますか?』

O君は興味津々な目で質問してきましたが、僕はそういう意識はなく…

『ん~、感覚かな。』

恐らく本人しか分からない領域の話に、O君の頭の上に?マークが見えました。


『そうそう、感覚らしいんよ!こんなん数値取れんで?でもかなり貴重な経験になると思うから、しっかり観察してよ!』

Y先生がO君に助言をした後に続けて

『toshi君、明日からその感覚を鍛える練習するから!』


??


どんな事されるんやろ?


かなり不安だらけのなか、一日が終わりました。


また明日書きますね。



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