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最高の喜び 31 あの笑顔に!

5歳の頃の白目の息子(笑)

いつも読んで頂きありがとうございます。

不登校2日目。

昨日、クラスメイトの子が、
山元君、これ今日のプリントと宿題!

と、家まで持って来てくれた。

ありがとうねー!と、ジュースを差し出すと
彼は、ありがとうおばちゃん!ってゴクゴク飲みながら、
なんで山元君、学校へけーへんのん?

純粋な素直な疑問や。

熱あるん?しんどいのん?

そやねん、ありがとう、康輔今、ちょっとしんどいねん。

康輔は、部屋の奥でそのやり取りを黙って聞いてた。出てこない。

その子が帰ったら、あたしのところへ飛んできて、プリントと宿題を受け取ると、すぐ机に向かって、宿題をやり始めた。

ほんまは行きたいんかな。
でも、行かれへんねんやろな。

学校が放課後の時間帯になると、ちょっと元気になる康輔。
そして、げんちゃんと散歩に出かける。

なぁ、お父ちゃん、なんで、帰って来たん?
いつ東京へ帰るん?

あんな、康輔、父ちゃんな、康輔の顔見たくて帰って来ただけやで。こうやって、散歩したかってんな。せやから、まだまだ帰れへんよ。

えっ!お父ちゃん僕のために帰って来てくれたん!僕とおりたいから!!
そうなんや、駿しゅんと環かん(双子の弟達)も嬉しいやろな、お父ちゃんいてたら。

せやけど、駿と環は、あんまり、父ちゃんとおうてへんやろ?怖がって、泣くなーー!

ほんまや、お父ちゃんの顔見たら泣くなーー!

2人で、そんな話しながら、笑ってたらしい。

学校の面談に行く迄、あたしはあちこち電話して、不登校になった息子のこれからの相談をしてた。

知り合いの教育者の人だったり、教育委員会だったり、藁をもすがる気分で、意見を聞いた。

面談の時間になり、双子を母に頼んで2回目のゴングが、カーーン♪と鳴った。

担任

今日も来て頂きありがとうございます。

げんちゃん

いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。
納得するまで毎日来させて頂きます。
で、昨日家内から言わせて頂いた件ですが、考えていただけましたでしょうか?

担任

謝罪するという件ですか?
やはり、担任としまして、今後、謝罪すると、学級をまとめていくのが、難しくなりますので、やはり、出来ないです。

げんちゃん

そうですか。今ならひょっとして康輔も、先生に、謝っていただければ心を開くかもしれないと考えましたが、無理ですか。
では、一度、知り合いに新聞社がおりますので、この事を相談させてもらおうと思っています。

担任

えっ!新聞社ですか!
それはちょっと待って頂けますか?

げんちゃん

今のところ、どう話しても平行線です。
ですから、大人の事情ばかりで、何より、子供の気持ちだが、と、思っています。
今日は、これで帰らせて頂きます。

そして家に帰って、夕飯の用意をしていた時、

校長と担任が我が家へ。

玄関先で、あたし達夫婦に深々と頭を下げて
今回の事を謝った。

そして、康輔を玄関まで連れて来て欲しいと、担任に言われ、

げんちゃんに、連れられて出てきた康輔に

山元君、今度の事、本当先生が間違ってた。辛い思いさせてごめんね。

クラスのみんなも先生も待ってるから、明日から学校へ、来てくれるかな!

待ってるね。

康輔は、うん。ってうなずいた。

良かった!!!!!形はどうであれ、謝ってもらった。
しっかし、こんなに新聞社と言っただけで、すぐ謝罪しはるんや。フ〜ン。

康輔は、宿題もして、明日!学校へ行く!
と、ご飯を食べながら話してた。

一件落着!!!!!

と、思ったけど、やはり、朝起きれなかった。
着ていく制服を見て、これ嫌いや!と泣いた。

制服を片付けて、見えないようにした。

そこから、毎朝、担任が迎えにくるようになったけど、先生が玄関に立つと、家の奥に逃げ込んで出てこなくなる。

先生、来て頂けるのは嬉しいのですが、康輔は、無理なようなので、もう、お迎えはやめて頂けますか?
当分、休ませますので、よろしくお願いします。

なぜなら、康輔は、先生の声を聞くと、部屋の隅に縮こまるようになってた。

げんちゃんと、毎晩話し合った。

なぁ、このまま康輔が無理やったら、なんやったら、校区変えるために、引越しするって事も出来ると思わへん?

げんちゃんが、

せやな、うちの家から学校近いやろ、ベルの音も聞こえるから、一度、九州のお袋に電話して、康輔が行きたかったら、お袋とこで、学校と全然関係ない、虫がいっぱいいてるとこで。どうやろ?

あー、ええなぁ!康輔が行きたいんやったらやけど。康輔に聞いてみるわ。

九州のお母さんも、康輔も、喜んで!ということで、急遽、宮崎行きとなった。

ひとりでジュニアパイロットで行くことになった康輔!

偉いぞ!康輔!
多分心細いと思うんやけど、ひとりで行くという。

いつまでという期限なしの宮崎行き。

康輔、帰りたくなったら、すぐ帰って来てな。父ちゃんも、母ちゃんもずっと待ってるからな!

で、康輔は、CAさんに手を引かれて、無事九州へ飛び立った。

これで良かったのか?悪かったのか?
それはわかれへん。

知り合いからも、怠け癖付くから、無理にでも学校へ行かせなあかん!

とか、

言いなりになり過ぎちゃう?

とか。

色々言われたけど、傷ついてる康輔がいる。 
怠け癖でも、我がままでもない。

たった6年しか生きてきてない子供や。
大人の物差しで、決める事は、あたしにはでけへん。
学校大好きで生き生きと、元気に通ってた子やのに。

なんでやねん!!!

大人の勝手で潰れそうになってる息子が、愛しくてたまらなかった。

ただ、あの天真爛漫な笑顔に会いたいだけや!

今まで、3人で、6個の大人の目で、康輔を見詰め、愛してきた。
それが、げんちゃんがいなくなり、あたしは、必死で双子の子育てに夢中で、康輔の事、ちゃんと見てやってたか?

でも、もしかすると、この不登校は、あたし達親への不信感かもしれん。
寂し過ぎたんかもしれん。
そのきっかけに過ぎなかったかもしれん。

と、あたし達は思うようになっていった。

グルグルといろんな事を考えた。
ダメ親やなー。

そうこうしてるうちに学校は、夏休みになった。

なんとしてでも、我が子を笑顔にする!!ぞ!



#ジュニアパイロット #ダメ親 #天真爛漫
#エッセイ #育児 #笑顔 #学校






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