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「キッチン革命」というドラマとnoteの記事に感じた思い

「病」、それはひとたび家族の中に、また自らに起こってしまうと平和な日常が一変してしまいます。私も幾度となく体験した看病や闘病の中での辛さを思い出します。しかしその混乱の日々を思い返すと、そんな時期の自分が最も好きな自分であるとも感じるのです。

今回、noteでフォローさせていただいている「悪魔の代弁者」様の記事、「人生って、何?」に感銘を受けました。脳外科のお医者様でいらしゃることの中に見出された深い思いと、ご家族の病のご経験を真実のままにお伝えいただき、とても胸に響きました。

先日二夜連続で「キッチン革命」というドラマを観て、ドラマから伝わって来た多くのメッセージと「人生って、何?」の記事がとても重なったのでペンを執りました。

「私は、予防医学と食事を変えることにより病気をを治癒させたり、予防が出来ると確信している」(人生って、何?)より
今回の記事のお言葉が、とても重く伝わります。

まさに「キッチン革命」の中にも同じことが語られていたのです。
実在の栄養大学の創設者の女性の事実に基づいた物語でした。

時代は明治42年、主人公が確か14歳あたりから始まります。母をその頃病気で亡くし医者を目指します。
女医である主人公が現在必須である計量スプーンや計量カップを発明し栄養学を究めるまでの奮闘記、革命の為の闘いでした。

患者を「病」の苦しみから救うためにまさに「食事から変えて、予防に至るまで」、栄養で実現しようとしたのです。脚気(かっけ)の患者さんを胚芽米を炊くこと、毎日それを食べることでビタミンB1を補わせ改善し全快させていったという事実、対症療法ではどうにもならず、食物がいかに大切なのかという結果を導き出したのです。

「胚芽米はまずい」という患者の声に悩みます。いつでもどこでも同じように、美味しく胚芽米が炊けるように、叔母の実践を見ながら、水の量、加減を手書きのメモにして患者の妻に渡します。
いつでも美味しければ続けられるということが大切なのです。その強い思いが今のレシピの始まりであったということが感動でした。

レシピを作るには全て計って数値化しなければならない、医者の卵である主人公は試験管やビーカーを駆使し有名料理店の厨房で、邪魔にされながらも全ての調味料の重さを計り、調理人に邪魔にならないように料理に入れた分だけをその都度中居さんと協力し合い計り続け数値化しました。その努力の凄まじさ細密さは、見ているだけで気が遠くなりそうでした。
根本の心の内に、「病の人を救いたい」という気持ちがあったからこそ、そんなとてつもない行動と能力に恵まれたのではないかと、見ていて圧倒されました。

どこでも同じ味を再現出来る、料理人とまでは行かなくてもとても近い味に再現できてしまうという、その数値化が現代のレシピとなったのです。

第二部は、戦後の日本、日本住宅公団が昭和30年代に建てた団地のキッチンを造り上げた女性建築家が多くの逆風にも負けずに、女性の家事の負担を少しでも減らして行くための努力と闘いの革命的なお話でした。

その当時、北側にある寒くて冷たい台所から主婦を解放したあげたいという強い思いがありました。

そして、その提案されたキッチン、ステンレスの加工まで苦難の末に小さい工場に取り付けた後に、行政や世間の反対を受けます。
最後にそれが認められるか否かという時に、過去に思いがけない出会いがきっかけで、主人公の栄養大学の創設者と建築家は再会します。
判定する主人公が主婦の動く歩数を数値化します。何度も同じ料理を作らせ、旧タイプのものと新タイプの動線の歩数を数えます。「27対2」圧倒的に新タイプの歩数が少ない、その動線の素晴らしさ、位置を主人公が見抜くというラストでした。その時代の変化を拒み反対する多くの者からの勝利を生み出したのは、素晴らしいものをしっかりと数値化した主人公が証明してみせたからでした。そして団地の動きやすいキッチンが出来上がったのです。

病に苦しんでいる全ての患者を食べもので救い補い、更に予防していくという強い意志が生み出した数値化による「革命」、寒さの中で家事いをする主婦の姿を変えたいという強い思いと、細部にわたる人間の動作への採寸や調理器具の実測、その膨大ながらも細小の積み重ねの努力が大きな「革命」をもたらしたのです。全ては苦しんでいる人の為に。

今回のnoteの「人生って、何?」という記事の中で、

「自分で人生を生きようと頑張るのではなく、その都度変化する人生において、人生が変化を求めるなら、それに沿って変化することが生きる事ではないかと今の段階で私が思う事である」というお言葉。

また、コメントのお返事でいただいた、

「人生は何かを求めるのではなく、人生が自分に何を求めてるかを知りなさい」
という「夜と霧」のビクトール・フランクルの言葉を書いていただきました。

このnoteの記事がドラマの全てをも物語っているようで、私の中にずっと残り続けて行く大切なものを教えていただいたので、何とかこの思いをお伝えしたいと書かせていただきました。

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