見出し画像

妊娠によって高まる扁平足のリスク

妊娠中のマイナートラブルとしてあまり知られていない、いやほとんど知られていないのが、扁平足ではないかと思います。

なぜ妊娠中は扁平足になりやすいのか?
そこには妊娠中に分泌されるリラキシンというホルモンが関係しています。

リラキシンには靭帯を緩める(柔らかくする)働きがあります。
リラキシンの働きによって骨盤同士を結合している靭帯が緩みやすくなり、それによって骨盤が開きやすくなります。
これは出産時に骨盤が開くことで、胎児が産道を通りやすくするためですね。

このような骨盤の緩みによって生じやすいのが、恥骨痛や仙腸関節痛と呼ばれる骨盤の痛みです。

出産に備えて骨盤を開きやすくしてくれる働きのあるリラキシンですが、このリラキシンは骨盤だけに作用するのではなく、全身に作用します。
当然、くるぶしから下の足の靭帯も緩めてしまいます。

くるぶしから下の足部にはたくさんの骨があり、それらの骨はこれまた多くの靭帯でしっかりと固定されています。
足部の骨同士が靭帯でしっかりと固定されて、足のアーチ(土踏まず)を形成しています。
それが、リラキシンによって靭帯が緩んでくると、骨同士の固定が緩み、足のアーチが低下して扁平足の状態になりやすくなるんです。

さらに妊娠中は胎児の成長と共に体重も増えていきますので、足にかかる負担は増加します。

出産後、リラキシンの分泌が減ってくると、足のアーチが低下した状態で靭帯が元の硬さに戻るため、扁平足になったまま、足のアーチが元に戻らない、という状況になってしまうんです。

妊娠中に裸足で硬いフローリングの上を歩いたりするのは、足のアーチを低下させてしまう原因にもなります。
室内ではクッション性のあるスリッパを履いて、足のアーチが低下するのを防ぐようにしましょう。
また、ビーチサンダルやバレエシューズのような靴底の薄い靴を履いて外を歩くのも、足のアーチを低下させてしまう原因になりますので、避けるようにしましょう。
ウォーキングなどで長時間、外を歩く時は、ウォーキングシューズなど、足を守ってくれる、クッション性のある靴を履くようにしてください。

扁平足は、あまり知られていない妊娠中のマイナートラブルですが、扁平足があると外反母趾にもなりやすいため、妊娠中に足のアーチを低下させないような予防策が重要です。

健康は足元から。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?