見出し画像

長編連載小説『サンキュー』第630話。

 俺は、川崎医師に会っても、無駄だと思った。川崎も、投げ掛けていたからだ。結局、レビー小体型認知症というのが、人の手を散々取る、厄介な代物だという事は、俺にも分かる。実際、身嗜みも滅茶苦茶、格好も適当で、いい加減。それで、平然としているのだから、恐れ入る。俺は、もう、助けまい、と思った。実際、川崎も、もう会いたくないと言い出すだろう。川崎の病院の看護師も、雄一には、愛想を尽かし始めていた。実際、現実問題として、そうなってしまう。(以下次号)

いつも読んでいただき、ありがとうございます!