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長編連載小説『レター』第302話。

 潤が情報番組を見ながら、頷いている。実際、潤は好奇心旺盛だ。中学校というのは、実際そうで、幸作も分かる気がする。幸作の小さい頃は、テレビとかなかった。テレビどころか、コーヒーを飲む習慣すらなかった。幸作は苦労して、地方の私立大学の法学部を出て、旧司法試験をパスして、弁護士になった。実際、司法修習生時代も、貧乏した。潤は、祖父の過去を知らない。里沙も知らない。孫たちは、苦労とかしてないからだ。また、潤は法律とかに、興味がない。潤は俺と同じで、創作に興味があって、物を書きたいのだ。幸作は、法曹家の血は、自分までで絶えると思った。実際、潤も、里沙も、跡は継がない。(以下次号)

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