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長編連載小説『サンキュー』第658話。

 義姉は、雄一の部屋に掃除機を掛け終わると、

「映子、喜寿園に電話しておいて。あそこに、あたしの知ってるケアマネージャーの吉倉さんという方がいるの」

 と言った。映子は吉倉正の名前を、メモ帳に書き留めて、スマホで、喜寿園に電話した。吉倉が受付にいて、

「はい、喜寿園でございます」

 と言ったので、映子が、

「前川と申します。吉倉さんでしょうか?」

 と訊くと、応諾した。

「父は着きましたか?」

 映子がそう訊くと、吉倉が、

「ただ今、玄関口にお見えになっています」

 と返す。タクシーは無事、施設に着いたのだ。(以下次号)

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