猫だけど質問ある_

良い質問は互いに成長できる (後編)

前編を書いてもうかなりの日々が過ぎ去ってしまいました。(2019年8月に下書きを書いたままでした^^;)
これくらいゆるくやっています。

さて、後編ですが、前編では触りにすら到達できませんでしたので、一気に進めていきます。

前編では、「答えを請う質問の悪い例」、と「その改善方法」に止まってしまいました。

後編では、「質問の多目的性」について触れていきたいと思います。

1.質問の目的の数々

ひとえに「質問」といっても、それは「答えを請う質問」だけではありません。例えば以下の4つの質問はいかがでしょうか?

1.「そのスライドで本当に説明したいことは、〇〇ですよね?」
2.「このチラシのデザインですが、文字が多い気がしますが、どう思いますか?」
3.「先ほど□□と説明されましたが、最新の☆☆の研究では△△と発表されていました。□□と説明された明確な根拠はありますか?」
4.「他に意見はないでしょうか?」

どれも、最後は疑問形であることから質問であることがわかります。


以下の種類があると考えます。

1.助言
2.提案
3.攻撃
4.確認
5.答えの要求・相談(前編の内容)

上記の1〜4は質問の体(てい)をしながら、本当の目的は「意思の伝達」ということがわかると思います。

以下、ここ(このnote内)での定義としますので、一般的にそういう定義というわけではありませんので、ご注意。

2.1.助言的質問とは?

直接的に「あなたの言いたいのは〇〇ということでしょうか?」と言うのではなく、質問によって、その答え(〇〇部)を気づかせたり、引き出したりすることです。

「〇〇ということでしょうか?」と問いかけは、一見単純確認のように見えますが、その場においては、意見の主体が質問者側に移ってしまいます。これは意見を要約した質問者の理解力がよかったという印象が立ちます。

その印象が強すぎると話者よりも質問者の評価が大きくなってしまいます。つまり「いいとこ取り」してしまいます。
いいとこ取りを良しとするのならするのならそれも悪いことではありませんが、コミュニケーションとしてはあまり良いものではないと思われます。

ではどのようにすると良いでしょう?
例えば「(伝えようとしていることについて)例えば□□に例えるとどんなイメージになりますか?」とわかりやすい例えで説明してもらうことを質問として投げかける方法があります。
こうすることによって、質問者はヒントを出し、元の話者は答えを出すことができ、評価のバランスも取れます

2.2.提案的質問とは?

これは助言的質問と似ていますが、助言的質問が被質問者の意見を引き出すことを目的にしていることに対して、提案的質問は、質問者の意見を婉曲的に伝えるための質問のことをいいます。

人は直接的に指示をされたり意見を言われたりすることを本能的に嫌うことがあります。
そこを直接的ではなく、間接的に伝えて、答えに誘導します。こうすることによって、感覚的には自分で思いついた時と同じ「ひらめきの感覚」を得ることができます。
難問クイズに対して、じっくり考えている時に横から直球な答えを言われたら、イラっとすることがあると思いますが、ヒントなら聞き入れることができたという経験をした方も多いと思います。そのヒントも、できるだけ、答えにヒットするかしないかというヒントの方が、答えがわかった時のスッキリ度も増すということも経験している方も多いでしょう。

この提案的な質問では、話者(被質問者)がギリギリ答え(質問者の意見)に気づける質問を投げるのがポイントです。
そうすることで人の意見ではなく、(半分は)自分の意見と(いう感覚に)なるので、自信につながるという効果があると考えられます。

2.3.攻撃的質問とは?

これはいわゆる「マウントを取るための質問」です。
質問者が知っていて、話者(被質問者)が知らないだろうという質問をして、話者の論の信頼度を下げ、話を止め、相手を困らせる効果のある質問です。

法律家でもない人に対して、「ところで先ほど『〜〜〜〜』と言われましたが、〇〇法の第□□条第△△項に何書いてあるか知っていますか?」という質問を投げかけたとします。
これに対して、法律家でもない被質問者は答えられるでしょうか?そして、それを聞いた周りの人はその質問が妥当だと思うでしょうか?
例え、その条項が議題に対して正しい質問であったとしても、場にそぐわない質問であることは明らかです。

ここまで、明らかな攻撃的質問でないにしても、たまたま挙げていた参考資料を過去に目を通したことがあって、同じ本を読んでいたことから、「参考資料のAに挙げている〇〇という本ですが、この本のあとがきの中で□□さんが言っていることにすごく感銘を受けましたが、△△さん(被質問者)はどう感じました?」などと、きっと全て読んでいると思い込んで「あとがき」の内容というややマニアックな質問を投げてしまう人もいると思います。100%悪気があるわけではないですが、参考資料は参考であって、その一部の情報しか読んでいない可能性もあります。

もちろん、相手を打ち負かすようなディベートの質問であるならば、こういう攻撃的な質問も効果的に利用する場もありますが、多用は禁物です。ディベートであっても主目的は相手の論理を破壊するのではなく、自分の意見を通すことにあります。持論を通すための決定打は相手の綻び(ほころび)をつくのではなく自身で用意する必要があります。

2.4.確認的質問とは?

これは一般的によく使う質問ですね。
「明日の会議は10:00からですよね?」
「締め切りは来月末ですよね?」
など、答えが明確なことについて、記憶に留めたり、再認識するための質問です。

この質問では、思い込みを捨てることが大事です。簡単な確認ですが、聞き方や聞く姿勢によっては、誤った受け取り方をしてしまうこともあります。例えば、「いつまでですか?」という問いに対して「今月中」と返されたら、「31日まで」と捉える人もいれば、「25日くらいまで」と捉える人もいる。またその日が土日や祝日だとその前日と捉える人もいます。念のため「30日の夕方で大丈夫でしょうか?」という確認をしておくことで、待つ側も準備する側も嫌な気分にならなくて済みます。

3.まとめ~互いに成長できる質問とは~

どのシチュエーションにしても互いに成長できるのは「相手のことを考えた質問」をすることだと思います。

その意味では攻撃的質問なんて論外ですよね。マウントを取りたい方は、そういう使い道なら使えますが、多用すると敵が増えるだけなのでお勧めできません。

客先打ち合わせなんかで、同僚が困っていたら助言的質問でフォローしてみるのもいいかもしれません。

質問はコミュニケーションのひとつです。うまく使いこなしてコミュニケーションの達人を目指しましょう!

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