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僕がカレーを作るようになった理由

先日、友人から「とっしーが間借りカレーを始めたきっかけを教えて!」と言われました。話してみたらリアクションが良かったので、こちらにも書き残してみます。

今でこそ、カレーが美味しいとっしーのイメージが定着しつつありますが、ほんの2~3年ほど前までは、カレーはおろか料理なんてほとんどしませんでした。

それが如何にして売り切れ必至の人気カレー屋さんになったのか! #誇張
ぜひご高覧ください。

食への関心と味覚の調教

僕はかつて結婚していて子どももいたんですけど。

2012年に長男が生まれまして、それをきっかけに当時の奥さんが子どもに食べさせるものを気にし始めたんですね。
東日本大震災からまだ1年ほどで、食の安全や風評被害などというワードが流行っていた時期です。

最初は野菜の産地だけを気にしていたのですが、そのうちに食品添加物や残留農薬なども気にし始めました。当時の食卓にはオーガニックな食材からなるメニューが増えていきました。

当時の僕は料理が全くできず、興味もなく、ただ与えられたものを食していました。最初は味が薄いな、などと思ってました。
が、慣れてくると、余計な味付けがないほうが美味しいと感じるようになっていました。

奥さんのツテで漢方に詳しい薬剤師の方と知り合って、多大な影響を受けた結果、薬膳コーディネーターの資格を取得したりもしました。

そんなに難しくない

が、この時点で相変わらず料理はできません。

いろいろあって婚姻関係は解消したんですが、独りになってから、食事の問題が現れてきます。
鍛え上げられた (あるいは繊細になった) 味覚と体質が、外食やコンビニ弁当に "NO" を突きつけてくるんですね。
腹は満たされるけどしょっぱいし脂っこいしなんか疲れる。そして高い。

これからは、自分が美味しいと感じるものは自分で用意しないといけない、と思ったのが料理を始めたきっかけ。このとき2019年の夏。

料理観を変えた2冊

そして僕は書店のレシピ本コーナーを練り歩きます。
今の時代、作りたいものがあればインターネットで検索すればレシピなんていくらでも出てきます。だけどそれってなんか違うなって思いまして。

で、出会ったのがこの本。

すごく雑に紹介すると、
レシピが必要な料理は凝りすぎである
切って焼くか煮込むかして味付けとけ
味見して美味しければ何でもオッケー!
料理に不自由なくなると人生が自由になるよ!
って本です。

これを読んでからは調味料を入れるのも米を炊くのも全部目分量にしてみたんですが、普通に美味しいんですよね。
なんなら包丁もいらないし。
いままでの料理に対する苦手意識はなんだったんだって感じです。

味噌/塩/醤油の味付けのものなら、なにも考えずノリで作れるようになりました。
気持ちに余裕が出てくると新しいことをしてみたくなるもの。
とりあえずまたレシピ本コーナーを徘徊します。
#もうレシピ本はいらないはずなのに

で、次に手に取るのがこの本。

カレー食べたいけど市販のカレールーはもう美味しく感じないんだよなぁ、かといってお店のスパイスカレーはだいたい辛いんだよなぁ (辛いの苦手) 、などと考え、一番ラクに作れそうだという理由で。

読んでみるとほんとに簡単で、玉ねぎトマト炒めて塩とスパイスと好きな具材入れて煮込んどけ、って感じです。ほんとに。

日本人が毎日味噌汁を飲む感覚でインドの人はカレー食べるよ、とも書いてあったので、献立考えなくて済むのは楽だと思い、僕も毎日カレー生活をやってみることに。

2020年からシェアハウスに住み始め、住人同士で料理のおすそ分けをしたりしたんですが、カレーは飛び抜けて好評だったと記憶しています。
たぶん楽するつもりの毎日カレーが反復練習の様相を呈していたので、配合とかが最適化されたんだと思います。

間借りデビュー

2020年の夏頃から、スナックCandy札幌店というバーに顔を出すようになっていました。スナックを冠しているけど業態は多分バーだと思う。
この店は代理ママっていう制度があって、店を一日借りてイベントを開催できるんですね。

Candyで仲良くなった友人がいて、店以外でもつるむようになるんですが、その友人たちも代理ママ制度を使ってご飯を出したりカフェをやったりしてました。

彼らをシェアハウスに招いてご飯会 (料理持ち寄り会) を開いたときに、とっしーもやってみなよ、という話になりました。
僕の料理は店で出せるレベルだと言われ、自尊心をコチョコチョくすぐられました。

Candyもマンボウの煽りを食って十分に営業できていなかった時期もあったので、酒を出さない営業形態で貢献できるかも、という想いもあり、ちょっとやってみることにしました。

そういえばこんな屋号だったなー最近使ってない

2021年5月15日が間借りカレーのデビュー日でした。
この文章を書きながら予約表を確認すると、26名の方に来ていただいていました。
美味しいかどうかもわからないのに来てくださって、本当にありがたいことだなぁ。
あらためて感謝感謝。

クラフトコーラも作りました(お酒じゃないよ)

まぁ初回だし、物珍しさにみんな飛びついたのかもしれない。
本当に僕のカレーが美味しいなんてそんな簡単にはまだ信じないぞ。
だって料理歴これっぽっちしかないぞ。

と思いながら、この後も何度かカレーを披露していますが、リピートしてくださる方もいて、友達を誘って来てくれたりして、
あぁ本当に僕のカレーは美味しいのかもしれないとようやく思ってきました。

美味しさの秘密

みなさん僕のカレーを優しい味と表現してくださります。
きっと辛味がゼロであることに加え、無化調で作るためにうまいこと素材の味を引き出している、それに僕の肥えた舌が一役買っている、が関係しているんじゃないかなーと思っています。

舌が肥えたのは結婚していた頃のおかげなので、僕のカレーの味には僕の人生が乗っかっている、といったら大袈裟かな?

僕と同じ路線でもっと美味しいのを作るカレー屋さんはたくさんいらっしゃいます。きっと。
ただ、それなりに美味しいカレーを食べながら、来てくれた人といい感じの時間を過ごせるというのはその瞬間しか手に入らない贅沢なので、
それを提供できる雰囲気作りができたらいいなと思ったり。

頑張って営業を続けるわけでもないんですが、自分の気持ちがカレーモードに傾いたときにまた間借ります。

それではー🍛

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