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似非脚本家反省記⑥~セリフ作りが下手くそか?~

どうも、とったんです。

久々に更新することになった似非脚本家シリーズ。
元々不定期って言ってたし、何の問題もないのだけど、購入履歴を何回更新しても0である。
なぜなのか。

自分の胸に手を当ててみる。
男でもそこそこ揉めるな…そうじゃなくて。

お前の有料記事は買いたくなるか?
なりませんねぇ!
それに、

見ず知らずのやつの脚本講座(有料)とか地雷やんけ!

知りたくない真実が明らかになったところで
本編です。

あ、それと過去の「似非脚本家」、無料にしようとおもいます。
有料の価値がなさそうなので・・・

・思いつきのセリフ

ぼくの文章は、基本思いつきである。
それは脚本でもそうだ。

その場で思い付いたセリフを登場人物に言わせる。
そのため、全員の思考パターンや語彙は似たり寄ったりになる。
っていうか、ぼくになる。

脚本として、ストーリー的に言わないと進めない
大事なセリフもある。
とはいえ物語に没頭しているはずの客の脳裏に
脚本家の顔がちらつくと興ざめだと思う。
(プロの人だと
○○節とかでブランド化できるだろうけど)

・正直すぎるセリフ

多くの物語はフィクションである。
つまり作り物、嘘の出来事だ。

嘘だと分かっててもそこに面白さや魅力があるから
客は見るのだろう。
嘘を信じる力、想像力である。
これは演じ手にも書き手にも必要なことじゃなかろうか。

そんなの、多くの創作者が百も承知なのに、
ぼくを含めた上手くない脚本家は
客の想像力を信用してない。

登場人物のセリフが正直すぎるのである。

具体的に言うと、登場人物が心の中で思っていることを、何の前振りもなく直球でいうのである。
いや正直なのは悪いことじゃないし、意図してないでたらめな気持ちだと
演じる側も大変だけどさ・・・。

・人はサブテキストを持っている

普通、人間は心の内をそう簡単に話さない。

「あなたが嫌いです」
と面と向かって言う人はあまりいないはずだ。
いや、中にはいるかもしれないけど。

例え本当に嫌いだったとしても、
おべっかを言ったり
オブラートに包んで言う。

つまり、言葉と気持ちが異なるケースがあるのだ。
セリフと気持ちが矛盾しているのは変かもしれないが、
ときにそれが普通に言うより伝わるのだ。
さみしくないよと言いながら泣いている、みたいな。

このように、セリフの裏にある気持ち・言葉を
「サブテキスト」という。

・日常の中のサブテキスト

似合わない服を着た人に
「うわ!似合わねー!」
といったら、それは直球の表現である。
時には必要かもしれないけど、
そればっかりだと嫌われるか避けられるかもしれない。

「うーん、その服もいいけど他にもっといい服があるんじゃないかな」
と言ったら、暗に似合わないことを示している。
これなら相手も不快な思いはしないし、
万が一相手が裏にあるメッセージを受けれなくても、問題ない。
日本語でいう婉曲表現というやつだ。

「うんうん、すごく似合ってる。サイコー!」
と言ったら、お世辞、もしくは皮肉である。
この場合のサブテキストは、言葉の言い方で表現される。
お世辞の時は大体大げさ、皮肉だとあえて棒読みなど。

・ラジオドラマは直球が望ましい

もちろん、サブテキストは表現を豊かにしてくれるけど、
ラジオドラマだと多用すると混乱を与えかねない。

映像や舞台なら表情や態度で
「あ、本心とは違うんだ」
と分かったりするけど、
音声だけしか表現手段を持たないラジオドラマだとそれがわかりにくい。

聞き手に想像させるのが大事とはいえ、全部が全部抽象的だと
ぼんやりしたまま終わってしまう。
よって、作品の核になるテーマを含んだセリフを用意する必要がある。
それはもうド直球くらいで。

この辺は何がよくて何が悪いかはっきりしないなぁ・・・。

・そのセリフは、機能しているか?

さて、「サブテキスト」という概念を持ち出して
セリフについて見てきたわけだけど、
結局一番大事なのはセリフが機能しているかである。

登場人物が発するセリフには意図がある。
好き、嫌い、おなかが空いた、何か食べたい、など・・・
何かしら目的があって、その発言をするのである。
意図がないセリフは雑音でしかない。(自分で言ってて耳が痛い)

もしくは意味のないセリフ(日常の雑談)でも、
物語の伏線(今後の展開を予感させるもの)なら
そこに作者の意図があるといえる。

思い付きで、なんとなくいいなと思ってセリフを書いても、
物語上で必要なければそのセリフは無駄なセリフになる。

このセリフは物語の中でちゃんと機能しているのか?
セリフを精査するときはこのことを念頭に置きたい。

・参考資料

今回紹介した「サブテキスト」について詳しく知りたい方はこちらの本を読もう!

サブテキストで書く脚本術 リンダ・シーカー(フィルムアート社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4845915839/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_VGPUEbQGR94FQ

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