見出し画像

雪だるまのチョコと~こども病院入院~

そのまま車椅子で運ばれて、入院することになりました。

入院することになった経緯はこちら。


下の売店で、義母が食事道具や洗面用具など、必要最低限のものを揃えてきてくれました。

昼食が間に合わなかったのでパンも。

「お弁当とかおにぎりは売り切れちゃって、パンしかなかった~」

と言いながら。

「お菓子はいいのかな」

「基本ダメなんですけど、お昼ごはんが間に合わなかったから、今回は。。。」

看護師さんの返事を待たず、カバンの奥から取り出したものをいくつか、そっと差し出してくれました。

それは白でコーティングされた小粒のチョコで、雪だるまが描かれた透明の小袋に2粒収まっていました。

そこへ義父から電話が入り、
「何度もかけているのにどうして出ないんだ、今どこにいるのか」といったことを言われているようで、義母が口早に説明して電話を切ると

「お父さんがずっと待ってるから。あと大丈夫?じゃ、よろしくお願いします」

看護師さんに挨拶すると、足早に出ていきました。



きれいな真っ白い病室でした。個室で、私一人で使うには広すぎるくらいの、空白の多い、部屋。

若い看護師さんが2人、書類をもってきたり、私の熱や血圧をはかったり、忙しく動き回っていました。

白いパンツ姿でにこやかに動き回る姿は、看護師さんというより、部活帰りの大学生のようにさわやかでした。

さっきまでのやり取りが嘘のように、夢のような穏やかで温かい雰囲気に包まれていました。


点滴が始まり、2回目の入院安静が始まりました。

まさか入院になるとは・・・。

一人きりになると、さっきまでの診察室でのやり取りが頭にこだましてきて、怖くて不安で、主人に会いたくてたまらなくなりました。

同時にお腹がとてもすいていたことを思い出し、義母に買ってきてもらったパンを2つ、あっという間に平らげました。

なんのパンだったかな。覚えてないくらい、とりえあえずお腹に詰め込みました。

チョコの小袋にも手を伸ばして、その可愛さにふと手が止まり、カバンの中に仕舞いました。

画像1

食べ終わるともう何もすることがなくなりました。

さっき購入した病院のパジャマは糊が利きすぎて、袖を通しても固いまま、なじみませんでした。

なんでこんなことになってしまったんだ、これからどうなるんだろうという漠然とした不安に包まれていました。

先生の前では泣かなかったぞ。

そう思った瞬間、目の奥がツンとしました。


これまでの経過はマガジンにまとめていす。よかったら見てください。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?