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アナログおじさんのデジ活日誌『生き残るアパレル 死ぬアパレル』①

コロナの影響が続く中、大手アパレルが経営破綻するなど、アパレル業界は厳しい状況に直面しています。
しかし、アパレルの苦境はコロナ以前からの減少であり、そもそものビジネスモデルが破綻していたと著者は指摘。

大きな要因のひとつは、消費者の変化。
「消費者に『欠品』という概念がなくなった」
「服が売れないのは、自分磨きの方がコスパが良いと気づいたから」

それに加えて、
「作りすぎによる余剰在庫」が最大の問題だそうです。

以前、2018年のアパレル業界の推定消化率が約47%と、小島健輔さんが指摘していました。
商品供給量が12億点だった1990年の消化率は、97%。
一方、2018年の供給量は29億点で、消化率が47%。
確かに、どう考えても作りすぎですね。

これについて著者は、市場は年率2%で縮小するのに、個社が昨対比で成長する計画を立てていることが原因と指摘。対策として、自社製品の「二次流通の仕組み」を自らつくることを提案しています。

コロナによって、私の価値観もちょっと変わった気がします。

買い物に行くもなかなか難しくなったため、「ちょっと高くてもいいものを大事に使う」という気分になりつつあると思います。
消費者が変化しているのに、企業が早く気づかないと、さらに世の中に服があふれてしまうかもしれません。

しかし、1社が仕入れを絞ったところで、業界としての改善は難しい。
そこで著者は、商社を中小企業群のプラットフォーマーとして活用することを提唱しています。
アパレル業界は、ユニクロ+一部の大手でシェア40%。それ以外の2万社で60%という、超細分化された産業だそうです。
商社を活用することで、2万社でひとつのバリューチェーンを構築するというイメージでしょう。
どこがやるか?という大きなハードルがありますが、何とか実現してほしいですね。

コロナ禍によって、アパレルもデジタル化が急務となっています。
しかし、著者も指摘していますが、どうも本質からちょっとずれているようです。
デジタル化の課題については、次回まとめたいと思います。

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