[詩]暑さにうだりながら
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どこまでも遠くに行きたいと思った
どこにも行かなくていいと思った
ぼくの心はいつもふらふら
きみを想っていつもゆらゆら
きみとならどこまでも行けると
あのとき確かに思った
なのにここらが限界とあきらめて
いつもきみから逃げ出そうとしている
スピティ渓谷の奥深くまで踏み入って
ヒマラヤの雪を眺めながらチベット僧の勤行に
この身を震わせたい
道も通らぬアマゾンの森で狩猟採集の暮らしを
続ける人たちと嗅ぎ薬を吹き込み合いながら
永遠の夢を見てみたい
けれどぼくはこうしてタイの安宿で暑さに
うだりながらきみの帰りを待っている
今はここで自分の力を蓄える
時間が必要なんだ
どこかに行ったからといって幸せが
待っているわけでもないだろう?
幸せはこの瞬間にその心の中に自分の手で
作り出すしかないものじゃないか
きみが戻れば日々のいさかいが
また繰り返される
それに負けずにぼくはふらふら行くさ
ゆらゆら揺れるきみの心を大事にしてさ
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