見出し画像

バーに行かなければ(プロローグ)

A: 最初は林伸次って別に好きじゃなかったというか、どちらかと言えばむしろ嫌いだったんですよね。結構、商売っ気を表に出すところもあって「これまでこういう本音って、みんな言ってなかったと思うけど、ボクはそれを言っちゃいますよ」みたいな感じとか、恋愛のノウハウ的な話も何だか昔のマンガ、Boy’s Be的な感じもあって(懐かしいですよね)、しかもNoteは課金してるし、これは僕のテリトリーとはあんまり重ならないだろうと思っていたわけです。そもそも、林のテーマであるところの「恋愛」とはもう無縁な人生を歩んでいたわけですので。

それが色々あって、僕もなんだかもう仕事へのモチベーションも下がりまくってしまい、このままだと引きこもりみたいな生活になってしまう可能性もあるな、と思ったら、それを回復するためにやらなきゃいけないことって、要するに恋愛なんですよね。僕ももう46歳ですから、いまさら恋愛なんでどこまでできるのかよくわからなかったんです。

そこで、まずは今流行りのマッチングアプリから始めてみたんですが、結論から言うとマッチングアプリでの出会いは僕には向いてなかったと言うか。やっぱり人と繋がるために、僕は文脈が必要なほうだったんです。文脈ってどういうことかっていうと、要するに全くランダムに「初めまして」っていうのだと、その人と会うことに関する必然性が無いわけですよね。何かそういう、恋愛だとか結婚そのものが目的になってしまうような邂逅って、要するに風俗と一緒じゃないですか。

B: うーん、アプリと風俗とが一緒っていうのは、ちょっと極端な言い方じゃない?

A: でも、合目的的性とかは一緒だと思うんですよね。合コンや街コンでさえも、例えば席順だとか幹事との人間関係だとか、少しはそういう文脈があるものだと思うんですが、アプリの場合は本当に学歴と年収とだけですからね。それでもうこれは難しいなと思って、これからどうしようかなと思っていたんです。しかも、その頃から急に商売の方がうまく行き出して、変な言い方かもしれませんが、要するに金には全く困らない状況になって。本当にこうなると虚しいもんですよ。独り者だと金の使い道がないんです。一人でハワイとか行ってみたりしましたけど、何が楽しくてそんなところに一人で行かなきゃならないのかってなったりしました。

B: 世の中の多くの人は、その全く逆の悩みを抱えているものだと思うけど。

A: でも、わかっていただきたいんですが、こういう状況はこれはこれでしんどいものなんです。それでどうしたものかと思い悩んでいると、最初に言った林伸次の本に到達したんです。それで途中を思い切って省くと、要するにバーに行くしかないと。バーに行って何かが起こることを期待するしか、この先人生に光明を見出す方法はない。これがアメリカだったら孤独死か自殺するしかなかったかもしれないけど、日本には、東京にはバーがある。そこには出会いがあるかもしれない、ないかもしれないけど。だったら引きこもってないで、あるいは行きつけの居酒屋でばっかり管を巻いてないで、良い服を買って、バーに繰り出して、そこで毎晩シャンパンのボトルを開け…とまではしなくても、なにかの冒険というか、変化をつけることをしないといけないんじゃないかと、教えられたわけです。まあ、商売的に林の術中にはまったということなのかもしれませんが。

B: なるほどねえ…

A: そして、バーに行くからには、モテなくてはならない。自慢じゃないが、僕は人生で一度だってモテたことはないんです。誰でも人生に三度モテ期が来るって言いますけど、僕は今のところそれを全部温存しているわけです。だから今日は、その道の達人であるBさんにその辺りのところ、どうすればバーでモテるようになるかっていうのを、真面目にご教示していただきたいと思いまして、それでこうしてこの東北沢のカフェにお越しいただいたということなんです。Bさん、どうか僕を助けると思って、モテのノウハウを教えてもらえませんか?

B: いや、まあ、こればっかりは、実践するしかないからねぇ…

A: そこを何とか。切実なんです。

B: じゃあさ、きみ、最近下北沢に引っ越したって言ったじゃない。それで、最初は何軒か新しいところにもチャレンジしたって言ってたけど、今はどうせいつも同じところにしか行ってないんだろう。

A: ええ、実はそうなんです。

B: だからさ、そうだな、毎日だと辛いだろうから、例えば二、三日に一軒くらいのペースでいいから下北沢のバーを新規開拓してみたら。それで、そこにいる人と仲良くなる練習をするんだよ。人との打ち解け方なんか、人それぞれなんだから、オレのノウハウがきみにもそのまま当てはまるとも思わないし。

A: なるほど…

B: それで、その様子を毎回noteに報告するんだよ。どうせ、きみのことだから飲み始めたらどんどん飲んで止められなくなるんだろ。その前にメモ書きでも良いから、どの店に行った、何を話した、どんなお酒を飲んだ、そういうことを完全に酔っ払ってしまう前に少しずつ記録していくんだ。そうすることによって、少しずつ、自分のコミュニケーションスキルの向上のためには何が必要になるのか、どう変わってゆく必要があるのか、そういう知見を貯めてゆくんだよ。そうしたらきっときみならすぐにモテるようになる。間違いないよ。

A: うーむ…。いかにもハードルが高いですね…。

B: 何言ってんの。人生は短いんだよ。それに、きみは今一人なんだし、街にいられないくらい恥をかいたら別のところに引っ越していけば良いだけだろ?心配しなくていい。ただし、新規開拓するたびに、必ず、遅れてもいいからnoteに上げるんだぞ。そういう蓄積がこういう場合は物を言うんだ。わかったね。

A: わかりました。とにかくやってみます。

STREAMER COFFEE COMPANY 東北沢駅店
https://r.gnavi.co.jp/jv1fbc3p0000/?sc_cid=ptg_rtop
ジャンル:カフェ
アクセス:小田急小田原線東北沢駅 徒歩1分
住所:〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-1-4 東北沢駅東口改札外
周辺のお店:ぐるなび 下北沢×カフェ
https://r.gnavi.co.jp/area/aream2207/coffeehouse/rs/?sc_cid=ptg_rs
情報掲載日:2020年2月14日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?