⑥外的要因 【Hack Your Motivation】
お疲れ様です。
『考える』って難しいなぁとつくづく思っているとしぞーです^^
最近、久しぶりに数学系の勉強を試みているのですが、昔に比べて明らかに『一つの事柄に対して考え抜く力』が弱まっていると感じます。
少し苦戦しただけで答えを確認したくなったり、投げ出したくなってしまったり・・・
一般に、SNSやスマホの弊害で考える力は減衰していくとされていますが、本当にそれを実感しますね。
とはいえ『ちゃんと考えられない』って酷いことだと思うので、ここしばらくは『考える』ことにフォーカスして習慣を作っていこうと思ってます。
さて。
【Hack Your Motivation】の第6弾でございます。
前回「モチベーションには絶対値がある」ことと「その絶対値には介入が可能である」ことについて触れました。
今回はその『介入』に密接に関係する『外的要因』について。
小難しい話が続きますが、ぜひ最後までお読みください。
それでは本編にまいります!
動画でもしゃべりました。
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ブログもやってます。
前回の【Hack Your Motivation】では『モチベーションの絶対値』について解説をした。
モチベーションの波の高さは人それぞれで、その高さには介入することができる。
行為Aに必要なモチベーション量があるとして、モチベーションの波がその値を常に上回っていれば、行為Aをストレスなく継続することができる。
だから僕たちが考えるべきなのは「今この瞬間に行為Aを実行するためにどうしたらよいか?」ではなくて「行為Aに必要なモチベーションの絶対値を超える自分を作るにはどうしたら良いか?」なのである。
例えば、行為Aを達成するためにその場限りのインセンティブを設定する(これができたら1万円みたいな)ような対策は、「今この瞬間に行為Aを実行するためにどうしたらよいか?」という考えのもと発想されたものだと言える。
このように外部からの刺激(入力)を用いてモチベーションの波形を短期的に変化させる要因が『外的要因』である。
モチベーションに関わる多くのノウハウは外的要因にカテゴライズされる。一概に外的要因が悪いわけではないのだが、前提にモチベーションの全体像がないまま短絡的に外的要因に頼り切る姿勢は控えめに言って悪い。
その場しのぎの対策をしても結局は元の問題を繰り返すだけだからだ。
だから僕たちは「行為Aに必要なモチベーションの絶対値を超える自分を作るにはどうしたら良いか?」と考えなくてはいけない。
自分の中にあるアルゴリズムに手を加えることで、より多くの行動が実行されるような自分を作っていくことが重要なのだ。
では、アルゴリズムの絶対値を高めるようなアプローチにはどんなものがあるだろうか?前回の記事ではドーパミンに注目してそのアプローチを検討した。
例えば運動。
運動をすることによってドーパミンの分泌量が増加する。
増えたドーパミンは人間をより探究心の強い状態に変化させる。
その場に止まるのではなく、新しいことに挑戦する気概を生み出すのだ。
結果、いつもよりも多くの行動ができるようになる。
「モチベーションに対して運動というアプローチを取り入れること」には大きく二つの効果がある。
一つは今説明した通り、その瞬間のドーパミン量が増し行動的になることだ。
もう一つは運動という行為によって元の自分よりもドーパミンが分泌しやすい体質に変化することだ。
後者に関しては『モチベーションの絶対値を上げる』という目標に合致していて非常にわかりやすいと思う。何かしらのアプローチをすることで自分の体や脳自体が変化して、より行動的なアルゴリズムが作られる。
そうした変化を続けていけば今はまだ継続できない行為もいつか自然と継続できるようになるかもしれない。
しかし実は「〇〇という行為によって元の自分よりもドーパミンが分泌しやすい体質に変化する」という現象はあまり多く見られない。
運動や食事をはじめとした生活習慣へのアプローチによって、体質自体がパラダイムシフトを起こして『より活動的な人間』に変化する可能性は十分にあるものの、多くのアプローチは基本的に『その瞬間のモチベーション』に対してしか影響を与えない。つまり短期的な効果しか持たないのだ。
となると運動をはじめとした『絶対値へのアプローチ』も、結局は『外的要因』による短期的な対策でしかない。と思えてしまう。
では『絶対値へのアプローチ』とはなんなのか?
ここからが非常に重要な話である。
少しややこしいかもしれないがぜひ読み進めてほしい。
まず結論から書く。
『コストがモチベーションの絶対値を下回る外的な習慣』
これを取り入れていくことが、結果的に『絶対値へのアプローチ』となる。そしてこのアプローチは短期的な効果だけでなく、長期的にモチベーションを支える要因だ。つまりモチベーションの絶対値を上げる可能性を持つ。
このことを説明するために、少し回り道をしたいと思う。
【Hack Your Motivation】ではこれまで一貫して『アルゴリズム』について検討を続けてきた。
人間はある入力に対して計算をし、出力を返す有機生命体だ。
その計算過程をアルゴリズムと定義し、計算過程を変更し出力をコントロールすることを絶対値を向上させると表現している。
ということは、出力のコントロールが達成されるのであれば、その手前の『入力』と『アルゴリズム』のどちらが変化したかは(本質的には)問われないことになる。
だから究極的に考えると、モチベーションとは単にアルゴリズム(計算過程)だけではなく、その手前の入力も含めたものだと定義し直すことも可能なのだ。
となると、外的要因(入力)を端的に悪だと見做せなくなる。
実は外的要因によるアプローチが、モチベーションにとって本質的な解決をもたらさないためにはある条件がある。
その条件とは『不連続性』と『継続コスト超過』だ。
例えば「活動的な人間になりたいから毎日ランニングをしよう」と考えたとする。
しかし多くの場合、この試みは失敗する。なぜか?
それは「そもそもランニングを継続できるアルゴリズムではなかったから」である。
つまり継続するためのコストが超過しているのだ。
だから途中でやめてしまう。やめてしまった瞬間にランニングから得たかった効果は途絶えてしまう。
このように、外的要因アプローチの継続コストが超過していると、それを習慣化することができないため、必然的にそのアプローチは不連続になる。
だからそのアプローチは短期的な効果しか生み出さず、モチベーションに対する本質的な解決をもたらさないのだ。
これがいわゆる一般的なモチベーションに対するアプローチが陥っている問題である。
逆に言えば、この問題点を解決した形で外的なアプローチを行えば、それはモチベーションの問題を本質的に解決する方法になり得る。
つまり『コストがモチベーションの絶対値を下回る外的な習慣』を取り入れることである。
毎日ランニングをしたら、間違いなくモチベーションの絶対値は上がる。
毎日きつい筋トレをしたら間違いなく作業量を増やすことができる。
毎日節制をし食生活に気を配っていたら、間違いなく向上心が増す。
毎日規則的な睡眠をしていたら間違いなく人生のクオリティは上がる。
こんなことは誰しもが理解していることである。
誰しもが理解しているのに多くの人が実践できていないのは、その習慣化のコストが大きすぎるからだ。
だから最初からこの類のものに手を出してはいけない。
(もちろん、中には一発で上記のような習慣を取り入れられる人もいる。それは紛れもない才能である。)
最初はもっとレベルを落として考えよう。
例えば、毎朝ベランダに出て5分だけ日光浴をするのはどうだろうか?
(これすらできない人が多いことは重々理解している)
朝の光を浴びることで体が日中モードに移行する。
また、体内時計の修正が行われて夜にちゃんと眠くなり、生活リズムの均一化が望める。
毎朝5分間日光浴をしたところで、それによって起きる変化は非常に些細なものかもしれない。しかし間違いなく変化はある。
ほんの微量だがモチベーションの絶対値は上がるのである。
仮に『毎朝5分間の日光浴』がなんの苦もなく実践できて、日常の一コマになったとしよう。歯磨きなどと同様に、意識しなくてもやるような習慣になったとしよう。
このとき『毎朝5分間の日光浴』には時間以外のコストがかかっていない。コストがかかっていないにもかかわらず、少なからず自分のモチベーションに影響を与えている。そしてそれは長期的に続くものだ。
この状態を以て『モチベーションの絶対値が上がった』または『アルゴリズムが変化した』と言ってよいだろうか?僕は言ってよいと思う。
実際のところ『毎朝5分間の日光浴』は外的要因である。外からの入力である。しかしそれが恒常化し、意識しないでも続くようになった段階で、もはやそれはアルゴリズムの一部になっていると捉えても差し支えない。
『毎朝5分間の日光浴』が習慣化できたら、次は『毎朝10分の散歩』を取り入れてみても良い。
もしかしたら『毎朝5分間の日光浴』をする前のモチベーションでは『毎朝10分の散歩』は続かなかったかもしれない。
しかし『毎朝5分間の日光浴』が恒常化した今、当時に比べるとモチベーションの絶対値が上がっている。その自分においては『毎朝10分の散歩』のコストを余裕で払えるかもしれない。
こうして「その時点で確実に継続ができるほどの些細なこと」を取り入れ続けることによって、いつかはランニングが「その時点で確実に継続ができるほどの些細なこと」になり、ランニングすらもストレスなく習慣化できるようになることもあるだろう。
そうなったとき『モチベーションの絶対値が向上した』と表現できない理由はない。
このように継続可能な習慣(外的要因)を取り入れることによって、モチベーションの絶対値は擬似的に向上する。
いつものことだが、ここで書いていることは至極当たり前のことである。
自分にとって良い習慣を、できるものから取り入れていこう。
こんな当たり前のことをドヤ顔で書いているわけだ。恥ずかしい。
しかし、ほとんどの人はこれができていない。
前述したことだが、モチベーションにまつわるアプローチのほとんどは不連続な外的要因について語っている。
なぜかというと、不連続な外的要因は短期的には大きな効果を生みやすいからだ。
例えば「仕事は25分刻みで分割し、間に5分の休憩を挟め」というノウハウがあったとする。(実際ある)
ご経験がおありの方も多いと思うが、この手法を実際に取り入れてみると割と効果がある。場合によっては「すごい方法に出会った!」と感動することもある。ただ、1ヶ月後に同じ方法を続けている人がどれほどいるだろうか?少なくとも僕はほとんど知らない。
「仕事を25分刻みで分割して取り組む」こと自体、モチベーションが低い時は継続できない。簡単に忘れてしまう。
だから結局は無かったことになり、振り出しに戻る。
自分によって良い習慣を、できるものから取り入れていこう。
という考え方はとても当たり前なのに、実践が難しい。
それを正しく実践するためには、
なぜ、自分によって良い習慣を、できるものから取り入れて行かないといけないのか?
というロジックを理解する必要がある。
そして、今回の記事がまるまるそのロジックである。
一通り記事を読んでくれたのならば、明日の朝からベランダに出たくなっているはずだ。もしそうならぜひ実行してほしい。
また、ベランダに出ることすら継続できない人もいるだろう。
(そしてそれは少なくない割合だと認識している)
だったら、もっと簡単なところからで良い。
朝起きたら10秒目を瞑って「今日も生きててよかった」と思うとかでも良い。正直なんでも良い。
まずはそうやってアプローチを始めることが重要であり、
その過程でモチベーションというものをメタ認知していくことがもっと重要だ。
正直、少しずつロジックを修正しながら書いているのもあって、少しまとまりがない文章になってしまった。
次回は一応の最終章として、これまでの話をまとめたいと思う。
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