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【サービスデザインの学び ②】ペルソナと統計データ/ジャーニーマップとドラマティック・アーク/主要ステージ

こんにちは。マネーフォワード Xの佐々木です。

この記事では『サービスデザインの実践』を読んで得られた学びを言語化していくシリーズの2回目として、ペルソナやジャーニーマップなどのツールについての学びをまとめてみようと思います。

ペルソナやジャーニーマップはサービスデザインの活動でよく使うツールですが、あらためて実践で活用する際のヒントになれば幸いです。

ちなみに1回目の記事はこちらです。


ペルソナに統計データを取り入れて信頼性を高める

対象ユーザーの認識をプロジェクトメンバーで合わせるために、具体的な人物像を設定することがあります。定性データからつくったペルソナは、数値を重視する人からの信頼が得られないことがあるので、統計データを取り入れるようにします。

ペルソナ01

マネーフォワード Xの共創プロジェクトでは、ユーザー調査の前にワークショップでプロトペルソナを設定したり、ユーザーインタビューの後にユーザーの行動や価値観のパターンでユーザータイプを分類したりしています。

プロトペルソナを設定するにあたって、いきなり対象ユーザーの具体的な人物像を設定しても共感が得られないこともあるので、デスクリサーチなどの予備調査で得られた統計データをもとに対象セグメントを考慮した上でペルソナを設定しています。
定量的な調査をした場合は、そのデータをペルソナに取り入れると対象ユーザーとしての説得力が上がります。


ジャーニーマップでユーザーの感情と関与度を視覚化して危険な瞬間を見つける

感情曲線(エモーショナル・ジャーニー)と主役となるユーザーの関与度(ドラマティック・アーク)を視覚化することで、感情がネガティブになっていて関与度が高い危険な瞬間を見つけられます。

ジャーニーマップ01

現状のユーザー体験を視覚化するジャーニーマップで、ユーザーのネガティブな感情に着目して課題を設定することがありますが、ユーザーの関与度の視点を取り入れることで、解決する課題の優先度を検討するときに役立つかもしれないなと思いました。

例えば、親子など複数のユーザーの体験を考慮する場合に、親と子のサービスへの関与度を視覚化することで、関与度の差から気づきが得られるかもしれません。


ジャーニーマップに主要なステージを盛り込んでいるかを見極める

ジャーニーマップをつくるときに、サービスの利用前、利用中、利用後の時間軸を意識しますが、その中で以下のような主要なステージを盛り込んでいるかを確認することで、他に着目する体験がないか、さらにリサーチする部分がないかなど見極めるのに役立ちます。

【サービス利用前】
1. 認識する
2. もっと多くの情報を見つけ、検討する
3. サービス、システムに入る
【サービス利用中】
4. 準備する
5. 最初の実体験をする
6. 習慣的に使う
7. 不具合を解決する
8. 仕様を増やす、アップグレード
9. お金を払う
10. サービスの利用をやめる
【サービス利用後】
11. 他者と体験を共有する
12. 話を聞く、ループにとどまる

サービスの利用中の体験の中でも、不具合を解決する、サービスをアップグレードする、お金を払うといったステージは、継続的にサービスを利用していて起こる可能性がある体験なので、なるほどと思いました。


まとめ

サービスデザインのプロジェクトで使うことが多い、ペルソナやジャーニーマップに関する学びをピックアップしてみました。

定性データだけでなく定量データもペルソナやジャーニーマップに取り入れて説得力を上げることは、良い共創をしていくためのポイントの一つだなと感じました。

ジャーニーマップは状況に合わせていろいろなかたちでつくっていきますが、ユーザーの感情だけでなくサービスへの関与度の視点を取り入れたり、考慮できていないステージはないかを見極めることで視野を広げられそうです。

今回の学びを実践で活かして、より良いサービスづくりができるようツールをチームで使いこなしていきたいと思います。

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