UX/サービスデザインのスキルを向上させる仕組み 〜MFSDトレーニングプログラムの実践〜
こんにちは。マネーフォワード Xの佐々木です。
マネーフォワード Xでは、MFSD(Money Forward Service Design)と呼んでいるUX/サービスデザインのメソッドを体系化して、クライアントとの共創プロジェクトに取り組んでいます。
今回はより良いサービスづくりのために実践している、MFSDのスキルを向上させるトレーニングプログラムの活動をご紹介します。
MFSDトレーニングプログラムをやる理由
マネーフォワード Xでは、「パートナーと共に、新たな金融サービスを創出する。」というミッションを掲げており、そのためにUX/サービスデザインを活用できるメンバーを増やしていきたいと思っています。
そこで、組織としてさらにUX/サービスデザインへの理解を深めたり、スキルを向上させる仕組みをつくれないかと考えました。
MFSDトレーニングプログラムとは
MFSDトレーニングプログラムは、状況に応じてコースを組み合わせてメンバーのUX/サービスデザインのスキルを向上させるプログラムです。
ここでいうUX/サービスデザインのスキルは、下記の定義を参考にしています。
- ユーザー体験や価値などの抽象概念をデザインすることの理解
- デザインリサーチの方法論の習得(フィールドワーク、参与観察など各種定性調査手法/分析・構造化手法)
- UXデザインの反復的なプロセスを伴うプロジェクト実践
参考:高度デザイン人材育成ガイドライン
コースは期間に応じて、レクチャー、ワークショップ、スプリント、プロジェクトの4つを設定して、各コースの活動メニューを蓄積、ブラッシュアップしていきます。
目安として、スキルレベルを理論、経験、柔軟性の観点で大きく3段階に設定しています。
理論を学び、状況の異なる複数のプロジェクトを経験することで、アプローチのパターンを見出して柔軟に対応できるようになっていくイメージです。
さらに具体的にすると、MFSDのスキルを調査、分析、アイデア展開、プロトタイプ作成、評価、加えて金融の知識に分解して、習熟度を3段階に設定しています。
MFSDトレーニングプログラムで実践していること
最近実践しているプログラムは、共創プロジェクトの中で特にリソースを割くことが多い、ユーザー調査、分析、アイデア展開のためのレクチャーやワークショップです。これらのステップに関わるビジネス、デザイナーのメンバーがプログラムに参加しています。
ワークショップは、組織の課題や実際の共創プロジェクトのテーマをもとに、課題意識を持ったメンバー、スキルを向上させたいメンバーが参加しています。ワークショップの成果物は、プロジェクトに活用できる可能性もあるので一石二鳥です。
例えば、調査ではユーザーインタビューをすることが多いので、インタビュー設計から実施までの流れを体験するワークショップをやったり、分析ではKJ法(親和図法)やKA法(調査で得られた定性情報から、ユーザーが求める体験価値を導出するための手法)をベースとしたワークショップをやったりしています。
アイデア展開のワークショップでは、マネーフォワード Xのデザイナーに限らず、人事、他部署のデザイナーも含めて「メンバーがマネーフォワードのカルチャーを意識できるノベルティグッズ」をテーマに、アイデアの発想法を試してみたりしました。
(昨年実施したワークショップの様子)
そして、スキルが向上しているかどうかは、以下のように段階的に評価していくのが良いのではないかと考えています。
1. プログラムに満足できたかどうか
2. 業務で実践できたかどうか
3. ビジネスに貢献できたかどうか
レクチャーやワークショップの最後に、参加メンバーに簡単なアンケートに答えてもらい、フィードバックをプログラムに反映しています。
おわりに
今回、UX/サービスデザインのスキルにフォーカスしたプログラムについて書きましたが、トレーニングによって向上しやすいスキルだけでは、本当に良いサービスづくりはできません。ミッションやビジョンに向かって、バリュー、カルチャーを体現しようとするメンバーが集まる組織で実践するからこそ、UX/サービスデザインの力が発揮されるのだと思います。
デザイン人材の市場ニーズが高まっている中、人材が足りず多くの企業や大学が育成を手探りで行っています。マネーフォワード Xでも、実際にある課題を通してプログラムを実践し、メンバーのUX/サービスデザインスキルの向上とプログラム自体のブラッシュアップをしながら、知見を発信していきたいと思います。
同じような取り組みをされている方がいらっしゃいましたら、ぜひお話しましょう!
参考
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