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『【新版】大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド』

久々に、マガジン「トシヤの書評」を更新します。
今回取り上げるのは、『【新版】大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド』(黒澤礼子=著/講談社)です。

本書の構成

本書はまず1章で発達障害に関する基礎知識を解説しています。

2章では基礎調査票と評価シートを載せています。これは、本人、家族、上司など、誰でも記入できるように工夫してあります。続いて、 著者が日々現場で携わっている例を元に、実例を掲載してあります。

3章では、具体的な対応方法について、本人ができること、家族や周囲の人ができることをそれぞれ、できる限り具体的に解説しています。

書評

本書は、家族や周囲の人が、当事者に発達障害に気づいて欲しいという思いからと渡す一冊として、また、当事者が家族や周囲の人に、自身の障害のことや支援してほしい内容を伝える一冊として、大いに役立つのではと思いました。

まず、ページ数が72ページとして少なく、イラストが豊富に用いられているので読みやすいです。

第2章の評価シートは直接書き込めるように工夫されていて、特性や長所、短所を総合的・多角的に把握するのに役立つなと感じました。

また、評価シートは、家族や周囲の人など、複数の人に記入してもらうと、多面的な検討が可能となるとともに、当事者と周囲の人との間にある認識のズレを確認することもできるのではないかと感じました。

第3章の対応方法の具体例では、イラストをふんだん交え、要点がまとまっており、すぐに取り入れやすいように工夫されているのがいいなと思いました。

引用とコメント

以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

本書はまず1章で発達障害に関する基礎知識を解説しています。 2章では基礎調査票と評価シートを載せています。これは、本人、家族、上司など、誰でも記入できるように工夫してあります。本人が記入すると結果を想像して加減する可能性があるので、本人以外の人にも記入してほしいと思います。続いて、実例を掲載してあります。私が日々現場で携わっている例を基にしています。 ぜひお読みいただきたいのは3章の対応方法です。本人ができること、家族や周囲の人ができることをそれぞれ、できる限り具体的に解説しました。

⇒☆この3章はイラストを交えて、対応方法が分かりやすく説明されているので、時間がない人は3章だけ読んでも、実生活に十分役立つのではと思いました。

障害があると周囲がわかっていて、それは克服できることであり、このようにすればよいと焦らず少しずつ教えてくれれば、変わることができるないかと思うのです。

⇒☆当事者自身が気づき、周囲が焦らず少しずつ教えてくれれば克服できるという希望を持てる一文です♪

変わろうと努力してくれていることを評価してあげてください。かけがえのないパートナーという言葉は、あなたの価値を最大に認めたことだけはないですか。

⇒☆変わろうと努力していることを周囲が評価する、もしくは自分自身で評価していくことが大切なのではないかと感じました。

クールダウンの方法を決めておきます。例えば、水を飲む、深呼吸をする、簡単リラックス法(P61参照)、「落ち着け落ち着け」「がまんがまん」と心のなかでつぶやく、好きなことに取り組むなど。

⇒☆日頃から、自分がどうすればクールダウンできるのか把握し、方法を決めておくことが重要ですね。

動くのは人より3倍大変なのですから、だめな私と思わず、動き出せた自分を褒めましょう。動き出すために、好きなことや、やりやすいことから始めるのもいいですね。

⇒☆洗顔しただけも「えらい!」と自分を褒めてあげるようにしようと思いました。

簡単リラックス法
①力を抜く 全身にぎゅーっと力を入れる。5まで数えたら一気に力を抜く。2回繰り返。リラックスした感覚がわかる。
②ゆっくり呼吸をととのえる。 目を閉じて大きく息を吸い込み、口から細くゆっくり吐き出す。10回くらい繰り返す。
③伸びをする しっかり大きく伸びをしてから、手のひらを握ったり開いたり。3回繰り返す

⇒☆発達障害のある人は、普段から心身ともに緊張しがちで、リラックスした感覚がわからない人も多いと思います。なので一度力が入った状態にしてから、力を一気に抜くことでリラックスした感覚をつかめるようになります。

くどくど叱ってもわかりません。自分で考えて適当にやることが苦手です。仕事の指示は5W1H を意識して具体的に出しましょう。
・なにを ・どれくらい ・どうする ・いつまでに ・どこへ 
一度にひとつずつ、できればメモにして渡し、大事なことはときどき確認します。

⇒☆トシヤも、自分で考えて適当にやることが苦手です。その反面、5W1Hで具体的に支持されれば理解でき、指示されたとおりに動けます。

非難されたと思わせないために、主語を「私は」で言うのがコツ。

相手の気持を汲み取ることが苦手な当事者さんも多いので、「私は〇〇と言われたのが悲しかった」と言ってもらえると、相手の気持も理解しやすくなるなと感じました。

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