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【通信講座】 小説「更新する性」 講評

ダダめいた散文詩。


『【通信講座】 小説「メビウス・コンプレックス」 講評』で

実存主義小説、精神分析小説を志向することにどんな意味を見いだしたのだろうか。

と書いた。
この作者は
実験小説、前衛小説を志向することにどんな意味を見いだしたのだろう。

しかしながら
いまだにアングラを実験的、前衛的と信じている
寺山修司のエピゴーネンなどとはひと味ちがうらしい。

2020年の日本で
こんな作風に価値があるのだろうかと思いながら
不覚にも、一気に読んでしまった。

素朴で簡潔な文章の断片が
つぶやくように、宣告するように
ねじれ、屈折することなく
おそろしいスピードで垂直に流れ落ちる。
イメージからイメージへ飛躍する、その瞬発力、ジャンプ力もすさまじい。
リズムは常に一定で、読みすすめるうちに
ある種の催眠状態をもたらす。
呪術的なミニマルミュージック、現代音楽のようで
極彩色の悪夢、ボス『快楽の園』のようでもある。

19世紀末パリで発表すれば
もてはやされていたかもしれない。
毒にも薬にもならない日本近現代文学の腐敗した腹に咲いた
可憐な、一輪の奇妙な色の花を
私だけは覚えていようと思う。


(作者より)
批評には容赦しないでください。

批評できるものならしてみろ
とでも言わんばかり。
残念ながら、私にはもう言うべきことがない。


(作者より)
性描写については過激ならない程度に抑えるにはどうすればよいですか?
また、違和感を覚える文体の指摘・アドバイスをしてください。

赤黒い男根が勃起している。兵士は栄生(ロンシォン)の手を引き、彼らは組み体操をした。あらゆる種目をこなし、起立した男根はしだいに気力を失っていった。

「性描写」らしいものがあるとすれば
この部分くらいだっただろうか。
別に「過激」だとは思わないし
それどころかユーモアの薄明かりにつつまれた
ほほえましいくらいの表現だと思う。


文脈、構文的にミスなのではないかと感じた箇所だけあげておく。

ふたりとも裸だった。(中略)彼女は服をまくりあげ、平らな腹を何度もたたいた。
彼からしてみれば、このような問題は早々にして解決しがいがあった。
中央に石造りの卓上、石造りの椅子二脚が置かれていた。

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