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川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu
2019年7月27日 00:11
風葬花うすく つもった 雪の上ゆっくり はばたく 遠ざかるあなたの秘密 赤い点未完に終わった 風葬花深い眠りの底 しずむ空のかなたで ごうごう とうねる こだまも 退屈で真実 どこにも 見あたらず二階でさみしく 耳が燃えゆだねた心も返されず花びら 一枚 つめたい牛乳細く しなやか また 高く柱の影たち 交錯し迷子の風が うわばき 忘れた
2019年7月19日 00:22
帰り道は三日月波はアルビノ 泡 クラゲポケット コオロギ かくれてもあの常夜灯 照らされて分かってしまう 声 まばら土星の子の歌 うつくしくこわがらないで 歩きだすここにいて まだ ここにいる遠い場面の やせた影カラスが落とした おくりもの花をちりばめ 力なく飛行機 ほしがる かわいそうな子からから 鳴ります かすかな火小部屋 あかるい 古時計あおむけ わた
2019年7月15日 09:12
手夜のりんごの傷口にかなしい かなしい 大きな目しなやか なぞる 水面に何度 あなたは 顔 うつし分解された あいまいな番号 いくつ プラタナス結晶 くもらせ 分からないまるで 人間 なつかしいあかり ともして ルーレットやさしく浮かぶ物語むこうは赤い あなた つめたいきれいな服を うばわれて階段 のぼる 蜂の羽見わたすかぎり 森 光の渦
2019年7月9日 07:24
夢の島プラットホームキンポウゲ 嘘 フリージアゆるせなかった 下水道振り返るたび くしゃみして最後の犠牲者 見つからずしずかな呼吸も しかられてきれいな空気は ここじゃない退屈すぎて りんご飴らせん えがいた こがね色雨のしずくが熟したらひとつ ひとつが 信号機咲いたり 散ったり 楽園 コラージュかけら きらめく うろこ雲あなたをとらえた情景はいつまでたって
2019年7月3日 23:43
大聖堂息を吹きかけ 染める 青石の柱にはさまれてからみあう 枝 砂時計なんて はかない 同じ花あなたとわたしは水彩で変わりゆく 顔 ちがう 夜迷ってばかりの細い線しあわせな日々 暗い部屋さめたスープで食事して決まった時間にあくびして手をさしのべる やっと かたまるそこでは たぶん 夢心地誰もあなたを傷つけずもしも 泣いたら 首輪をあげる