手のコピー

詩 304

  手

夜のりんごの傷口に
かなしい かなしい 大きな目
しなやか なぞる 水面に
何度 あなたは 顔 うつし

分解された あいまいな
番号 いくつ プラタナス
結晶 くもらせ 分からない
まるで 人間 なつかしい

あかり ともして ルーレット
やさしく浮かぶ物語
むこうは赤い あなた つめたい

きれいな服を うばわれて
階段 のぼる 蜂の羽
見わたすかぎり 森 光の渦

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?