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川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu
2019年5月22日 19:06
生存当番ただしいことを知っていて寒い廊下で靴をぬぐ汚染の徴候 首のあざ火災報知器 塗り変えて毎朝 忘れず 水をやりひたいに落ちた 露 ひとつ複眼世界 姿勢 よくあなたはあなたの夢に住むランプの火の色 おそろしくすぐに笑える 雨あがり架空の星座 あくびするたび生まれたばかりの子供なら大きな声で泣けるから音楽室で ひとり 宿題
2019年5月21日 08:29
果実不在母胎のなかから嫉妬しておやすみ の 声 たえまなく焼却しても また ひとつ邪悪な存在 思い知る重い足どり つきささりつぶれた あなたに分かるよう遠い足音 からみあいたしかに感じた 退屈に不安はないから 浮かぶからはずかしくても 大丈夫あなたのまちがい 繰り返さないいますぐ 消えてしまいたい息をとめれば削除されどこにもいない 愛すべき人
2019年5月18日 18:19
月光点滴誰にとっても同じ夜虫歯 親指 標本に閉じこめられて 三千個ぶらさげられて 街灯は月のかたちの窓 照らす行きどまりには 避雷針共存できない この 証拠タツノオトシゴ 空 ループ家路 たどって 青い傘ショーウインドウ 光 だけあなたが立てば 眉は 鳥 雲片目 つむって 水の上花 散り つもる 時間 なくメリーゴーランド お元気ですか
2019年5月14日 21:40
鳥との蜜月あなたも少しは目がさめるポケットの手を そのままにミント かがせて 顔 しかめかくしていたこと 話すならわたしは木の下 銀の枝真珠の葉っぱを 編んだ 影あなたは海岸 船を待つ電柱 置いて 雲に いす網をはっても 目に見えずそんな虫などいないからたなびくシーツは つめたく 白い痛くもないのに つかまって青の絵の具のチューブから逃げた魚は また 眠いふ
2019年5月12日 15:06
外来種チョークの輪のなか 生息し日ざかり ワイン ふりかかり悪いことだと知りながらガラスのかげりに ひざまずく種は はじけて あふれそう理想のこたえ 飲みほして指紋は 清潔 正反対おしえることなどできません音符 たたえた 真空にこごえる わたし 忘れたい嫌悪のかたまり 存在 そのものうなずいたから 排除され怒られないかと ふるえる 日しずかに 消える 簡単だ
2019年5月11日 12:49
プリンセスハイドランジアだまったままの森のなかさみしい 光 こぼれ落ち座標はいくつもあたえられわたしは ふたつも選べない花咲くヒースの野を歩き色彩そのもの 青りんご生まれ変わった その 心旅人 あざむく みおつくしただしい原理に身をゆだね自転車 こげば 月を食べ心臓 かがやく 記憶喪失みのりゆたかな 秋の日のかわいた舌に 黒の星誰が見つける あなたが 切りと
2019年5月10日 07:41
憂鬱飛行耳をすまして 雪よりもしずかに つもる 灰 正午さみしい横顔 口ずさむふたりのための子守唄影もかたちも失ってわたしはちがう つまずいて自分のことも分からずに見つめているだけ うっとりとコスモスだけが知っている廊下を わたる 風の色待っているから 明日も どうせすてきな花壇で くるくる とおどっていれば 千羽鶴遠くなるたび ひびわれる 頬
2019年5月8日 00:06
熟睡厳禁ひとつしかない窓のほうゆらゆら 泳いで たどり着くみにくい 黒い目の少女髪はみだれて 背のびしてワルツ マーチにない価値をえがきはじめた その瞬間夜の使者から排除されそれでも気高く泣いていた炭酸 ぶちまけ ひとにぎりのぞみ 息づく 物語着がえてくれば不安もなくて軽蔑されても 大丈夫あなたはきっと アゲハチョウ孤独に酔いしれ 約束 忘れて
2019年5月4日 19:10
人造感覚夜景は いつでも有害で象牙の船で ただよえば楽器のように 無知 無意味心 すみわたる ほこらしげ空は あなたが大嫌い春 うららかに シャンデリア雨を あなたにたたきつけ臆病者と否定した鍵をあずけて やすらかにやっと これから 休める とおわかれの前 ため息 ついた蛍の点滅 交差点夕暮れ わたしは 意志 弱く銀 ステンレス 目 耳 口 かざる