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ヒーローほど書いていてつまらないものはない@小説家川井利彦
こんにちは。小説家の川井利彦です。
今回は、ヒーローほど書いていてつまらないものはないとテーマで、書いていきたいと思います。
初めに宣伝をさせてください。
私が書いた小説を『elu』にて限定販売しています。100個限定で各話500円で販売中!
現在販売しているのは小説「天上の絵画」です。
〇elu 小説家 川井利彦
あらすじはこちら↓
小学生のころから、絵の才能に恵まれた渡井蓮はその才能を過信し、自ら学ぶことをしてこなかった。
やがて成長し、才能だけでは通用しなくなってくると満足のいく作品が描けなくなってしまった。
そのことに絶望した蓮は、自分の殻に閉じこもり、自堕落な生活を何年も送っていた。
そんな時偶然、同級生だった岩谷英司と再会する。
学生のころ、ともに絵を学んでいた岩谷英司は、画家として大成功をおさめていた。
そのことに嫉妬し恨み募らせたは蓮は、勢いあまって岩谷英司を殺害してしまう。
蓮は、岩谷英司殺害後、彼が発表する予定だった油絵を盗み、自分が描いたものとして世間に公表してしまう。
その油絵をきっかけに、蓮の人生とその周りにいた人々の人生が大きく狂っていく。人とは違う高みへ上り、そこから見える景色を渇望した男の、栄光と挫折と孤独。作者四作目となる渾身のヒューマンドラマです。ぜひお楽しみにください。
なくなり次第終了となります。
まずはあらすじを読んでみて、気になった方はぜひ『elu』から購入し、作品をお楽しみください。
完璧なヒーローなんて存在しない
それでは本題です。
私が小説を書く際に、重要視していることがあります。
それは『完璧な人間を描かない』ということです。
あなたの周りにいる友人や家族、職場の同僚などを思い返してみてください。容姿端麗、性格も良くて、寸分の狂いもない完璧な人が、あなたの周りにいますか?
そんな人いませんよね。人間どこからしらの短所や欠点があります。
私も「人づきあいが苦手で、出不精、自分の思い通りにならないことがあると、すぐに機嫌が悪くなる」といった欠点があります。
このように、人間には必ず欠点があり、短所を抱えているのです。そしてその欠点や短所がその人の、魅力の一つだったりします。
なので、この世の中に完璧な人間はいません。つまりヒーローは存在しません。
欠点や短所を自覚し、それに悩み苦しみ、そこから這い上がる、克服していくことに、人であることの魅力があると私は考えています。
ですから、私が登場人物を書く際は、必ず欠点、短所を作るようにしています。物語の中に、その部分が描かれなかったとしても、人物のバックボーンをきちんと考えています。
だからこそ、フィクションの中の架空の人物が深みを増し、物語の中で生きてくるのです。
全く欠点のない完璧な人間では、そんな魅力を描くことができません。
人の弱みにつけこんで
以前の記事でお伝えした通り、私は異世界転生やファンタジー小説を書きません。
基本的に、ヒューマンドラマを中心に書いています。
ですから、登場人物の欠点や短所が物語上での、重要な要素になってきます。そしてその欠点や短所を起点に、物語を展開させていきます。
ある意味『相手の弱みにつけこんで』います。
こういう言い方をすると、何か悪いことをしているように聞こえますが、まさにその通りです。
自分で生み出した人物に、欠点や弱みを作り、悩みや苦しみを与え、窮地に追い込みます。
たまに自分で書きながら、こんな展開にするのは、ひどすぎるのではないかと、臆することがあります。
自分は、なんて性格が悪いんだと、卑下することも、、、。
ですが、自分で書きたいものは、そういった人間ドラマであり、欠点や弱みにこそ、人間であることの最大の魅力が詰まっていると考えています。
この記事を読んでいるあなたも、書いている私も、欠点があり弱い部分があります。そしてそのことで、悩んだことが少なからず一度はあるはずです。私もそうです。
しかし、あなたや私が抱える欠点や弱みにこそ、最大の魅力が隠れているのかもしれません。
少し視点を変えてみると、自分自身では気がつかなった魅力に気がつくきっかけになります。
私の小説の中の登場人物達は、そうやって思いも寄らなかった自分の魅力に気がついていきます。
よかったら、ぜひ一度読んでみてください。
それではまた、お会いしましょう。
小説家 川井利彦
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