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これを観た(1)

この週末に紀尾井町にある国立劇場で歌舞伎を観た。演目は「一谷嫩軍記」。数年ぶりに歌舞伎を観た。演目は「一谷嫩軍記」。陣中に咲く桜の木の下に置かれた制札の文言の意図を汲み、熊谷直実が平家方の敦盛に代わって我が子を手にかけるという物語だ。

最後の場面で話が一気に動くのが面白い。それにしても制札に文字通りの意味しかなくて、すべてが熊谷直実の深読みのし過ぎだったらと想像すると恐ろしい。最近だったら忖度だと言われそうか。

前回歌舞伎を観たのは4年ほど前だったと思う。現代なアレンジを加えた「四谷怪談」で、それはそれ、面白いと思ったけれど、今回の「一谷嫩軍記」は物語が非常に凝っている。現代よりも軍記物に親しみがあっただろう江戸時代の庶民にとって、物語の魅力は格別だったのだろうと容易に想像がつく。

国立劇場は去年、文楽を観て以来でこれも久しぶり。今後はもっと頻繁に足を運びたいと思う。

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