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コミュニティはマーケティングの一部なのか

マーケティングの一番偉い人(?)といえばフィリップ・コトラー。彼はコミュニティ施策はマーケティングの一部であるし、コミュニティは顧客セグメントの一つであると書いている。

なるほど?

彼によれば、コミュニティはインターネットによって生まれ、顧客はコミュニティに属することで、企業に対する対等なパワー(立場)を得た。インターネット前夜までは、あくまで顧客とは企業のメッセージを一方的に受け取る立場だったけれど、顧客はコミュニティに属することで、それを通じて企業からのメッセージを評価し、審査する立場になった。

顧客が強くなったことによって、伝統的マーケティングだけではもはや足りず、コミュニティ施策を含めたデジタルマーケティングもこれからは必要になると説いている。

伝統的マーケティングとは、市場をいくつかの軸(地理・人口動態等の属性など)で分割して、分割した中でどの市場を攻めるかを選んで、同じ市場を狙っている競合に対しての違いを表現することでシェアを奪う一連のアプローチのことを言う。

対してコミュニティのある現代では、そんな一方通行的なアプローチではうまくいかなくなっていると言う。なぜなら、第一に、コミュニティは企業が考えた軸ではなく、強くなった顧客自身で自分たちを定義するから。

デジタル経済では、顧客はコミュニティの横のネットワークの中で互いに社会的につながっている。今日、新しいセグメントになっているコミュニティは、従来のセグメントとは異なり、顧客自身が定めた境界の中で顧客によって自然に作られている。(引用:コトラーのマーケティング4.0)

企業側が如何にして市場を分割して「これがセグメンテーションやで!」と言っても、結局は「私たち、それには当てはまらないから...勝手に分類しないで...」ということになる。

第二に、嘘をつくと(強くなった顧客に)めっちゃ怒られるから。

デジタル経済では、顧客はブランド・ポジショニングの約束を、いかなる企業のものでも評価し、審査までするパワーを与えられている。ソーシャル・メディアの普及による透明性故に、ブランドはもはや客観的に証明できない虚偽の約束はできなくなっている。(引用:コトラーのマーケティング4.0)

今までは言ったもん勝ちみたいなところがあったけれど、もう現代はそうではないよということをコトラーは言いたいのだろうと思う。わからんでもない。

そして第三に、顧客がほしいものがころころ変わってしまうから。

ブランドのアイデンティティとポジショニングを繰り返し伝え続けることは、伝統的マーケティングでは重要な成功要因だったが、今日では十分ではないかもしれない。破壊的技術、製品ライフサイクルの縮小、めまぐるしく変わるトレンドを考えると...(引用:コトラーのマーケティング4.0)

トレンドが企業発信ではなく、(強くなった)顧客発信になりつつあると言えるのかな。これもわかる気がする。

もっと色々本には書かれていたのだけど一旦終わり。

要するコトラーは、顧客セグメントを決めるのは顧客になったし、顧客に下手なことをいうとめっちゃ怒られるし、顧客の気はすぐに変わっちゃうようになった。そのため、伝統的マーケティングだけでは顧客を顧客にし続けることができなくなり、新しい概念としてのデジタルマーケティング(コミュニティ施策含む)を取り入るべきだという主張をしている。そして、顧客のパワーの源泉はコミュニティによるというようなことを書いている(と思う)。

ちなみにコトラーは、マーケティングをこう定義している。

マーケティングとは、人間や社会のニーズを見極めてそれに応えることである。マーケティングを最も短い言葉で定義すれば「ニーズに応えて利益を上げること」となろう。(引用:コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版)

まとめ

「コミュニティはマーケティングの一部なんですか?」

「個人的には普通にそう思いますかねー。ネットの登場でコミュニティが生まれ、顧客が強くなって、いままでの一方的なマーケだと、一瞬振り向いてもらえるだけって感じじゃないですか?だから、ずっと一緒にいてもらう努力が必要で、それがコミュニティ(施策)だと思うんすよね。」

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