みそっかすに青春を捧げた男の話
まずはじめに
どうも、年下の義母の江川です。
今回は音楽の話です。と、言っても関ジャム的な方向ではなく、どちらかというと、うたばんみたいなノリでいけたらいいなと思います。あくまでノリがね。
まず、質問です。「みそっかす」って知ってますか？
今回の一番大事なところなんですけど、みそっかす。
こちら、ミソッカスマンです。どうですか、思い出しましたか？
厳密にはミソッカスマンはミソッカスの時のキャラクターなのでみそっかすとは別なのですが。
みなさんが思い出したところで、僕とみそっかすの話をはじめます。
キャデラックの衝撃
僕とみそっかすの出会いは中学2年生の時でした。
僕は、演劇部に所属していました。火曜と木曜に活動していて、仲のいい先輩とよくラーメンズのコントをマネしてふざけているごく普通の演劇部員でした。
放課後は部活か、部活がない日は僕を友達と呼んでくれるとても少ないけどとても大切で最高な友達からの誘いがなければ基本的に家に居ました。
土日にもあると、僕は中学3年間携帯を持っていなかったので、よっぽどのことがない限り一人でいました。
中学3年生になったころ、ipodを買ってもらうのですが、それは一旦置いときます。
親は厳しくも優しくもない感じで、やりたいといったことは基本的にやらせてくれる人たちでした。（一応、今も元気に生きてます。平塚で）
そんな親が禁止していたものが野球とサッカーとニコニコ動画でした。
土日にやることがない子供に禁止していい三つではないだろう！ と今となっては思いますが、当時もボーっとしてたので気づかず生きてました。
ですが、そんな僕にもYouTubeがありました。ニコニコ動画はダメなのにYouTubeはＯＫという謎な教育理論ですが、本当にありがたかったです。
みそっかすと出会うまでの僕の体はAKB48とガガガSPで出来ていました。その二つの青春の話もいつかできたらいいなと思います。勝手にします。
ある日、いつものように、YouTubeで涙サプライズと線香花火を400回ずつ聞いてやることがなくなった僕はわらしべユーチューブをすることにしました。
わらしべユーチューブとは、みなさんも一度はやったことがあるであろう、適当な動画から目的の動画までたどり着くまで関連動画を渡り歩くというゲームです。これ面白いですよね。今はもうコンピュータのあれが上がって、この遊びも難しくなってしまいましたが、当時はとてもいい環境でした。
それで、ガガガSPの晩秋からAKB48の10年桜を目指す旅に出ました。
意図せず、秋から春を目指す素敵な冒険をはじめた江川少年はその旅の中で数々の出会いを果たしました。
ガガガSPから出発したため、ロックバンドの波に揉まれました。
バックドロップシンデレラの歌わなきゃジャクソン、アルカラのキャッチーを科学する。マイナスターズの心配性。AKB48に行くために出会わなくてもいいんではないか、と思われるかもしれませんが暇だったから寄り道もしますよ！ 世の中RTAだけでは出来ていません。
そして、ようやく本題です。その中で出会ったのが
みそっかすの「キャデラック」でした。
大事なとこにしたかったので太字でさらに改行してみました。
みそっかすの「キャデラック」
なんなら小見出しにしてみました。
これを初めて聴いた衝撃は今でも覚えています。
そんなの探してなかったのに、自分が一番聴きたかった曲と出会ってしまったというか、意味不明で、まさに衝撃というか、めちゃくちゃいい曲ではないんだと思うんだけど、刺さったってこういうことをいうのかと、とにかく衝撃で、離れられなかったです。パソコンの前から。
だって、キャデラックが何か知らなかったんですよ。みそっかすっていう名前のバンドも知らなかった。キャデラックって名前のバンドの、みそっかすって曲かとも思った。ただ流れてきたらもうすごくて、MVが意味不明、曲は何を言ってるのかわかるはわかるけど、なんでこれを歌にしたんだろうとか、とにかく変で、意味不明、など、思うことが聴きなおすたびにドンドン出てくるのだけど、それを置いてけぼりにするほどの最高と衝撃が僕に覆いかぶさりました。
タワーレコードと緊張
それからの僕はしばらくの間キャデラックを聴く生活が始まりました。数日の間に大量にキャデラックを消費しました。今YouTubeでの再生数がおよそ10万回ですが、そのうちの1300回くらいは、僕です。
そこで一つ江川少年は思ったのです。
さすがに聴きすぎて少し飽きた、と
聴き過ぎました。
衝撃とは薄れるものです。ただ、聴くたびに減っていく衝撃のHPは以上に多かったと思います。そのくらいの衝撃です。僕にとって、あくまで。
そこからやっと次に動くことができたので飽きてよかったというのもあるのですがね。
やっとキャデラックから抜け出せたとき、関連動画に他のみそっかすの曲が流れてきました。
確かに、YouTube側からしても、お前聴きすぎだぞ、他のやつも聴いてやれよという思いがあったと思います。
そこで一つ思ったのです。キャデラックよりいい曲作れてるの？ と。生意気中坊ですねえ。長調と短調の違いも分からないような奴がこんな生意気なことを思ってしまったのです。みそっかすのキャデラックはKAT-TUNのReal Face的なことで、他の曲はまあまあそんなだろうとそんな気持ちで聴いてみたのですが、半端じゃなかった。半端じゃなかった。あくまで、僕にとって
「ム○ライト伝説」「アメリカと中国と静岡」など、なんならキャデラックより好きになってしまうほど半端じゃなかったんです。
まさに、みそっかすは僕にとって適合食材だったのです。サニーにとってジュエルミートがそうだったように。
そして、CDを買おうと思ったのです。当然ですよね、ですが、僕はここで初めてインディーズという存在を知ることになります。
みそっかすも、AKB48と同じように、近くのTSUTAYAにあると思ってたんです。あんなにCDがいっぱい置いてあるんだから、俺があの中から見つけられていなかったんだ、よしっ探しに行こうと、TSUTAYAのCDコーナーのマ行を三周したのですが、みそっかすはありませんでした。家に帰り調べなおすと、タワーレコードにあるということが判明しました。
タワーレコード
ノーミュージックノーライフでおなじみのタワーレコードです。
存在は知っていたけれど、踏み入れることはないだろうと思っていた場所です。なんとなくタワーレコードに行くやつって嫌だなあと漠然と偏見を抱えていました。ですが、背に腹は代えられないので、好きなバンドのCDを買うためにタワーレコードに行く決意をしました。
これは強がりになりますが、僕は今まで大っぴらにみそっかすを好きだと友達や他人に言ったことはありません。インディーズのバンドを聴いていると思われたくない自意識があったからです。他人にインディーズを聴くことでかっこつけてるやつだと思われたくなかったのです。本当にみそっかすが好きなだけなので、別に誰にも言う必要はないと思ってたからです。あとちょっとだけ、こんなにいいものを誰にも知られたくないというよくわかんない感情もあったと思います。
なんならAKB48の推し誰？ と聴かれたときも、本当はゆきりんでしたが、なぜかあっちゃんと嘘をついてました。青春です
一番最寄りのタワーレコードは川崎でした。映画館のある施設の一階にあり、規模も中くらいで初心者にはすごく入りやすいタワーレコードでした。
そこのマ行にみそっかすはありました。
タワーレコードの中にいたお客さんは、ほとんどヘッドフォン首にかけてるし、髪の色が黒いのが少数派。躊躇なく試聴できる心臓の強い人など、まさにノーミュージックノーライフって感じで、黒髪で黒地に虹色のチャックのついた独特なウィンドブレーカーを着てチノパンを履いていた僕はいち早くみそっかすを買って去りたいという緊張と焦りがありました。
初めてスターバックスに入ったときと同じ気持ちでした。
無事、何事もなく1stミニアルバム「三次元からの離脱」を買うことができました。
食戟と動揺
それからの僕は、三次元の離脱から、「異次元からの来訪者」「三次元への回帰」「統一された混沌（カオス）」となんか遊戯王みたいなタイトルだなと思いつつ、順調にCDを買い進めていきました。と、ともに、僕は高校生になっていました。
入学して少し経ったとき、僕はまだ携帯を買ってもらっていなかったので、ipodでオフラインでできるゲームをひたすら暇つぶしでやっていました。ちょうどその時ソリティアに飽きていたので、群馬の野望というゲームの中のミニゲームでキャベツかねぎかなんかを4つ以上そろえて消す、群馬ご当地トゥーンブラストみたいなやつをずっとやっていたのですが、その動きがパズドラに似ていたのか、隣の席の男の子から、パズドラやってんの？ と聞かれ、変な空気になったのを覚えています。そこからなんか変なやつという空気になり、一人でお弁当を食べ、部活に駆け込む生活をしばらく過ごしました。夏休みに入る前のある昼休みに、突然僕のお弁当をつまみ食いして、のちに親友になる安藤という人間が登場するのですが、それはまた別の話です。
そんな日々を過ごしているとき、ビッグニュースが僕の目の前に現れたのです。みそっかす、エイベックスに所属、ミソッカスに改名のニュースです。
エ、エ、エエエ、エイベックス？！
avex！？
すごいと思いました。みそっかすは大好きで最高だと信じていたけれど、まさかavexに所属するなんてと。
あと、まさかミソッカスに改名するなんてと
ちなみにみそっかすはここから、みそっかす→ミソッカス→みそっかすという磯野貴理子と全く同じ改名ルートを経ることになります。
そして、アニメ食戟のソーマ第一期OPに起用されることになりました。
それがご存知「ライジングレインボウ」です。
これがミソッカスの唯一のメジャーシングルです（配信限定を除く）。
ミソッカスがメジャーデビューをし、自分も高校生になり、だんだんとミソッカスを聴くことが減っていってしまいました。
別にミソッカスはメジャーデビューをしたから、フレデリックみたいになったとか、そういうわけではなく、変わらずかっこいい曲を作り続けていました。僕は「反逆の♭m７」が一番好きなアルバムです。
ただ、なんとなく、熱が落ち着いたという感じでしょうか。ipodのプレイリストには入っている。けど、流れてきたら飛ばして結局今聴きたい曲が来るまで飛ばしちゃう。じゃあ、プレイリストから消せばいいのにって思うけど、たまに聴きたい気分になるそんな感じに落ち着いちゃったんです。
新曲が出たら聴く、買う。普通。そんな感じ。
大学と解散
みそっかすは現在解散しています。
2020年、僕が大学3年生の頃解散しました。
突然終わりを知ったわけではなく、なんとなくずっとTwitterとかで情報を追ってはいたので、解散のニュースにはとても驚きました。
心がぽっかりしたってのがしっくりくる感じです。
大学に進学した僕はipodから卒業し、念願のandroidを手にしました。
YouTubeでアイドルを見漁り、パズドラもし放題、連絡も取り放題。最高です。文明。
大学に入ってからはみそっかすを聴く機会も高校の時より減っていて、タワーレコードにも行かなくなっていて、みそっかす熱もひんやりしていたのに、解散と聞くとこんな気持ちになるんだと。おもいました。
僕は、一度もみそっかすのライブに行ったことがありません。
僕はクソにわかファンなんです、ごめんなさい。
僕は、みそっかすを知ってから、解散するまで一度もライブに行きませんでした。なんなら、生で見たことが一度もありません。どんなMCをするのか、メンバー同士どういう感じでしゃべっているのか、全く知りません。みそっかすの音楽だけを解散まで聴き続けてきました。
こんなに好きならライブに行っとけばよかった。こんな言葉本人様には聞かれたくない、申し訳ない言葉ですが、どうしようもない本音です。
コロナでも何でもない、拠点は名古屋だけど、東京でもライブはやっていた。行かなかった理由は、なんとなく、普通に。だけ、後悔しかありません。普段プレイリストから流れる曲は生で聴いたらどれだけよかったのか。普段、飛ばしていたあの曲は、ライブでは大盛り上がりするだろうな。いろんな思いが今でも溢れます。
僕がライブに行っておけば、もっと応援していれば、人に勧めていれば解散しなかったんじゃないか。そんなことはないんでしょうけど、自分もnote。なんか書いて、いいねがもらえたらな、とか、感想くれたらな、うれしいななんて思う人間です。僕一人の小さな応援でも、しておきたかったです。
応援とかかっこつけましたが、普通にライブ行きたかったです。
あと普通にいいねしてください。
解散したら新曲は出ません。ipodも使わなくなり作ったプレイリストも使われなくなり、YouTubeの精度が上がり、みそっかすが僕の周りからだんだんとなくなっていきました。
引っ越しとパパパ
社会人になりました。
とりあえず職が決まり、一年経ち、今二年目の社会人として働いています。
僕は元気です。
毎日職場カップ焼きそばをかっ喰らうくらいには元気です。
いつものように元気よく生きていると、親から連絡がありました。
「2週間後に平塚に引っ越すから荷物をまとめてくれ」
僕は、親が2週間後に平塚に引っ越すから部屋のものをまとめて出ていかなければならなくなったのです。
実家の自分の荷物を？ この量を？ 二週間でまとめる？ 捨てる？ 売る？ あと掃除も？
無理無理無理無理！！！(笑)(笑)(笑)
爆笑です。笑止です。片腹痛いです。こんなもん。
目でピーナッツを噛むくらい無理があります。
なんやかんや今、出ていくことができたのですが、僕の断捨離術を披露したいわけではなく、部屋を整理しているときにipodが出てきたのです。
今回、みそっかすについて書こうと思ったのは、ipodが出てきたからです。
どこにしまってたのか、どこに行ったのか全く忘れてたipodがぽっこり出てきたのです。懐かしっと思って、充電して電源をつけてみたんです。
僕の中学と高校時代の電子世界をつないでくれたipod
中学の頃は家のWi-FiとマックでのみLINEができました。
高校の頃は買ってもらったスマホが容量が５Gしかなく、メモリではなく容量です。しかなかったので、ipodにとても助けられました。
電源をつけてみるとしっかり起動しました。アップルってすごいですね。
ロック画面がスーパーサイヤ人になった孫悟空でした。わっけえですね。
若い。暗証番号の２２３２を入力し、なんかこれはしみついていて覚えていました。ちなみに壁紙は当時一番気に入ってたゆきりんのグラビアでした。
グラビアといっても、制服を来て、髪を結んでいる仕草をしているところです。水着やエッチな写真をチョイスしなかった当時の自分を誇りたいですね。
もうipodを開いた瞬間、その全てが懐かしい、あとちょっと痒い。
ひとしきり懐かしんで、そのあとにプレイリストを見てみたんです。
三つくらい自分で作ったプレイリストがあり、さすがに数年たっているので、どのプレイリストに何が入ってるか忘れています。
とりあえず、偉そうに俺の曲という名前が付けられたプレイリストをシャッフル再生してみると、イントロが流れた瞬間、曲名も見ずに題名がすぐわかりました。「パパパ」でした。
めちゃくちゃに懐かしく、みそっかすを聴くのがもう何年ぶりだ、と思いながら、俺歌えるかな、なんて思って、一緒に歌ってみたんです。デストロイはるきち（みそっかすのボーカル）と。そしたらパパパを何も見ずに歌えたんです。普通に。やっぱりいい曲でした。みそっかす
青春をずっとだいたいみそっかすと過ごしたので、ほとんどすべての曲に僕の青春がしみついています。大した青春ではありませんが、チャリで寄り道して土手をゆっくり帰ったこととか、体育祭の打ち上げに呼ばれず歩いて帰ったこととか、部活で表彰されたけど全く関心を持たれなかったときとか、まあマイナスなこと以外にも楽しいものにしみついているものもたくさんありますけど、僕の青春はだいたいこんなもんです。でもみそっかすはこんなもんの青春を普通に支えてくれました。
ありがとうございました。
よかったらみなさんも聴いてみてください。
Spotifyにほとんどあるんで、アメリカと中国と静岡（イタリア風）とかCRユートピア計画とかはないですが、僕もいつかどうにかして聴いてやりたいと思います。
みなさんにも好きな曲とか好きなバンドがあると思います。
あなたのミスチルが僕にとってのみそっかす。
あなたのゆずが僕にとってのみそっかす。
あなたのMrs.GREEN APPLEが僕にとってのみそっかす。
あなたの宇多田ヒカルが僕にとってのデストロイはるきち。
あなたの夜に駆けるが僕にとっての擦り切れた靴とロケット。
あなたのシャルルが僕にとっての夏のイリュージョン。
それだけのことで、こんな人間山ほどいて、やっぱり僕はそんな中の一人で普通です。でも別にいいかと、僕の過ごした青春とみそっかすが言ってくれてたらいいな。
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