エスキスの話②グリッドを考える
外部施設を配置してその必要寸法を考慮した建築可能範囲を前回までに検討しました。
それでは次は。
【グリッドの候補を上げる】
○グリッドは最初から決めつけない
建築可能範囲からグリッドを考えていく場合、最も重要なのは決めつけないということです。一つのグリッドで検討していくのではなく2~3パターン考えておく、そして最も良さそうなグリッドから試していくというのが良いかと思います。
それではどうやってグリッド候補を出していくか。最近では面積が適宜のものが多いのですが、基本は7×7m・7×6m(6×7)です。この2つは候補として挙げておいた方が良いでしょう。
その他に特殊解として8mグリッドも検討しておきましょう。それではグリッドの候補を表にまとめておきます。
✕がついている場所は不経済および柱一本の負担面積が過大になってしまう恐れがあるのでここでは候補にあげません。
ちなみに私自身が試験に合格した際は、9×6m+7×6mのハイブリットで計画しました。(平成23年度)
△の場所は可能性として覚えておいてください。敷地の大きさによっては8~9mスパンも十分候補になります。
○要求室の中で面積の大きいメインの室からグリッドの候補を見つける
さてあとは要求室からある程度のあたりをつけましょう。
10年位前は要求室の面積から大体グリットは決められたのですが、現在は適宜の部分が多いので面積からだけでは難しい。
ある程度読み取り時に適宜部分の面積は計算してあると思うのですが、そこから一歩踏み込んで要求室の中でも大きなメインのもの(今年ではプールなど)をヒントにグリッドの候補を考えていきましょう。
プールが350㎡なら7✕7よりも7✕6の方がきれいに納まりそう・インストラクターがいるスタジオは整形のほうが良いからこのグリッドなら納まりそうなどメインの要求室をガイドにグリッドの候補を出していきましょう。
○建築可能範囲とメインの要求室の双方からグリッド候補を絞る
建築可能範囲とメインの要求室から出したグリッドの候補で双方ともに可能なグリッドを候補として残します。大体どんな問題でも2パターンは出せます。これを候補としてエスキスを進めていきます。
まずはメインの要求室がうまく入りそうな方を選んでエスキスを進めていきどうも他の要求室が入らないぞとなれば他のグリッドを試していきましょう。
さて今日のまとめ。
○グリッドは最初から決めつけない
○要求室の中で面積の大きいメインの室からグリッドの候補を見つける
○建築可能範囲とメインの要求室の双方からグリッド候補を絞る
最初から決めつけずに柔軟にエスキスを進めていきましょう!
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