車窓

なんと言っても遠い。
なんどもスマホの画面に目を落とし、窓の外を見れば、畑の中に誰が見るのか分からない看板が立ってる。
500キロ離れてるとはいえ、2時間ほど退屈なのも困る。
「まだ小田原か。」と窓の外には海が、、、。すぐにトンネルに入ってしまった。
抜ければ熱海の海を見て、少しうたた寝して、浜名湖のボートに目をやり、30分程で名古屋に着く。
こうも毎年のように見慣れた景色は飽き飽きだ。
変わらない風景と変わらない思い。
改札を通る時、この風景共を見る時、そして改札を出る時、あの町に戻る時。そのどれもが、嫌な思い出を想起させるトリガーだ。
これで16度目か。
彼女に会いに行くことに、慣れてしまいそうで、馴れられてしまいそうで。
それだけが、、、。

うたた寝していたら着いてしまった。
在来線に乗り換えて、また30分ほど。

でもなんだろ。
ああゆう看板見るのあいつ好きだったよな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?