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新生iPadは「2018年以降」という括(くく)り

iPadで使えるデジタルペンまたはスタイラス

 iPadで使えるデジタルペン(「スタイラス」ともいわれる)というと、純正品のApple pencil以外に、この製品を思い浮かべる人は少なくはないでしょう。ただし、私も含めてそんな人たちはもうiPadユーザーとしてはもう古い部類になってしまうのかもしれません。
 すでに新生iPadの時代がはじまっているのですから。

「Logitechは27日(米国時間)、新しい第6世代iPadに対応したスタイラス「Logitech Crayon」を発表した。米国では学校向けに今夏より出荷する」 

 ロジクールのペンシルは話題にはなったけど、使っている人はどのくらいいらっしゃるのでしょうか? 私的にはこの値段でこの形なら純正Apple Pencilの方を買うと思いました。この製品が発表されたのは2018年「新しいiPad」が発表された時でした。

2018年、「第6世代」iPad登場

 2018年の新しいiPadとは「第6世代」iPadですが、その特徴はひとことでいえば、「Apple Pencilに対応した新しいiPad」ということでした。無印のiPadなので訴求するのはお手頃価格ということですが、それに加えて処理能力も向上し、「A10 Fusion搭載でApple Pencilに対応した新しい「iPad」搭載プロセッサがA9からA10 Fusionとなり、複数アプリケーションのマルチタスク処理」ができるようになりました(参照先はPC Watch)。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1113880.html

 見過ごせないのが「A10 Fusion搭載」で処理能力の大幅アップというところ。iPadは文字でも何でもグラフィック処理しているので、低価格でもこれは外せなかった。これで何ができるのかというと、ようやく普通のiPadでも「複数アプリケーションのマルチタスク処理」ができるようになった。つまり、普通のiPadでも手書きができてマルチタスク処理ができるという、つまりは従来ならiPad Pro級だったことが、普通のiPad できるようになったというのが「第6世代」iPadということになります。

 この流れを受けて、昨年登場したのが「第7世代」iPadで、スペックはほぼ同じで画面サイズが従来の9.7型から10.2型へ大きくなっている(参照先はPC Watch)。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1206540.html

コストパフォーマンスが良い「2018年以降iPad」

 ひと頃「タブレットってパソコンの代わりになるの?」などと出荷台数の停滞が問題視されたものですが、パソコンの代わりに使うにはそれなりの利点がなければなりません。何らかの利点があれば、手書きも含めて新しい使い方を練習しようという動機になります。また、パソコンの代わりという言葉の裏には「高価なパソコンよりも安かったら使いたい」という気持ちもあったのだろうと思います。

 iPadに至ってはiPad Proの発表などがあって、一般のタブレットとは違う普及の仕方をしていましたが、そもそもiPad Proというプロ向けシリーズも新しいタブレットの利点を作るためであったわけです。
 2018年以降のiPadは、iPad Proの成果ともいえるデジタルペンシルやスマートキーボードに対応し、さらに普通のiPadとしてコストパフォーマンスを重視した製品となったのでした。 

2019年に売れた「第7世代」iPad

 第7世代iPadの画面が大型化した理由は、実はスマートキーボードへの対応のためといわれています。その証拠として、第7世代iPadでは iPad Pro と同じように Smart Connectorが付いています(第6世代にはない)。このため第7世代の印象は、以下の記事のように画面サイズ以外は第6世代とほぼ差がなくなっています(参照先はPC Watch)。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/nishikawa/1215234.html

第7世代iPadはパネルサイズ分だけ若干大きく重くなっているものの、それ以外はSmart Connectorの有無だけで、全体的にほぼ同じ。多分単体で上から見たとき(側面を見ればSmart Connectorがあるので分かる)、第6世代か第7世代か、即答できないのではないだろうか。 

 こうして、第6世代、第7世代iPadは、普通のiPadなのにiPad Proと同じようにデジタルペンシルやスマートキーボードが利用でき、さらに低価格化したので、2019年に第7世代iPadが売れに売れたというのは当然の結果ともいえます。コストパフォーマンスを重視した製品となった無印のiPadとして、新しい流れを作り始めたといえます。

2018年以降のiPadはもはや「新生iPad」か

 第6世代、第7世代iPadを中心に第3世代iPad Proシリーズなどを加えた製品は「2018年以降iPad」と呼ばれています。今やiPadを買うのなら普通のiPadでもProでもどちらでもよく、そのキーワードは「2018年以降」となりました。2018年以降iPadは、もはや新生iPadと呼ぶべきなのかもしれません。

 冒頭のロジクールのペンシルも当初は第6世代のみ対応ということでしたが(そもそも第6世代、第7世代iPadで使えるのは第一世代Apple Pencilのみ)、その後iOSのアップデートで「2018年以降iPad」に対応しています。 

 さて、いろいろ大業な話が続きましたが、そうはいっても、私的にはロジクールのペンシルの価格ならば、まだ純正Apple Pencilの方を買う方がよいと思えます。そんな私の前に現れたのが、驚きの価格3500円のApple Pencil互換ペンシルでした。

Apple Pencil互換ペンシルを試す

 このApple Pencil互換ペンシルが使えるiPadの機種はというと、これが先ほどからの「2018年以降iPad」なのです。つまり、普通のiPadでもiPad Proでも新型モデルなら、この3500円のApple Pencil互換ペンシルは利用できるのです。

 実際に書いて試してみると、以前あった安かろう悪かろうといったデジタルペンシルとは全くの別物で、純正品に引けを取らない書き味でした。もはやiPadで書き味が売りのデジタルペンシルはApple Pencilだけではなくなったといえます。
なお,ここでの互換ペンは私が試した製品も含めて「iPad専用」の話です。iPhoneや Androidでも使える汎用ペンもありますが,ここでの互換ペンには含んでいません。単にiPadで使えるのと,書き味を試せるでは雲泥の差があります。

 第3世代iPad Proを使っていた私は、つい最近までこの「2018年以降iPad」には完全に無縁の生活をしていました。それというのも、最初からApple Pencilとスマートキーボードに対応していろいろな手書きアプリが使えたわけですから。そんなところがiPad Proの利点といえますが、やはりApple Pencilは落とすと壊れたりするのですよね。 

 そんな中発表されるであろう、今年のiPad Proはどうなるの?って、それはiPad Pro派の私にもわかりません。

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