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GoodNotes5は iPad Pro を超えていけ

GoodNotesがアップデート

 GoodNotesがアップデートして #GoodNotes5 になりました。GoodNotesというのはiPadパワーユーザーの間ではなかなかの人気のあるアプリです。そうはいっても標準の[メモ]アプリなどとは違って、最初からiPhoneやiPadに入っているアプリではありません。有料アプリなので、そのアプリの機能を必要とする人しか購入しないアプリです。それも無料で使って必要な機能がほしくなったら課金するのでなく、別途購入してインストールしなければならないアプリです。
 そんな有料アプリでも、人気アプリが結構あるというところがiPhone・iPadのおもしろいところです。アプリの購入となればApp Storeの出番です。App Store で「Good」で検索すれば候補の中に出てきますが、有料アプリのランキングにもこのところ常連入りしています(上位といってもちょっと微妙なお値段なのと安価で本数が出るゲームアプリと比べるとかなり下に以降になりますが)。

  #GoodNotes5 と似たようなアプリに #Noteshelf2#Notability があります。App Storeでは、これらのアプリにサブタイトルが付いていますが、 #GoodNotes5 には「手書きメモ & PDFマークアップ」 #Noteshelf2 には「メモをとって、注釈を書き入れる」 #Notability には「簡単なメモ取りと注釈」という感じです。サブタイトルを見ると、これらのアプリに共通するのが「(手書き)メモ」と「注釈(マークアップ)」であることがわかります。つまり、メモ機能に人気があるというのは、iPhone・iPadという持ち歩いて使う道具ならではと考えることができます。

 でも、メモ書きなら[メモ]アプリがあるじゃないかと思われる方も多いと思います。これらのアプリと標準の[メモ]アプリの違いは、メモを取るだけでなく、すでにある書類やメモなどに、さらにメモが付けられるかどうかということです。

 これらのメモのメモは「コメント」や「注釈」などと呼ばれます。「コメント」や「注釈」はワープロアプリのWordやPagesにもある機能ですが、これらは各アプリ専用機能になるので、WordやPages文書の中でなければ利用できませんし、当然[メモ]アプリでは利用できません。でも、現実社会ではメモにもメモを付加しなければならないことはよくあります。

iPadは閲覧ツールから編集ツールへ

#GoodNotes5 や#Noteshelf2 、#Notability など、これらのアプリには従来はPDF閲覧ツールであったものがメモ・ツールへ変わったアプリでもあります。まあ、順番が逆で、メモツールからPDF編集ツールになったようなアプリもありますが、とりあえず私は、これらのツールで行う作業を「メタ編集」と呼んでいます。

 実際にどの辺がメタ編集なのかを、たとえば iPad と GoodNotesのように使える道具とその材料が揃ってきたので、ここでちょっとお話ししてみたいと思います。

 まず、ワープロやエディタは書類を一から作り上げるアプリです。その点、メタ編集は「メタ」なので、書類を一から作るわけではありません。PDFはワープロやエディタで作成した書類から作成するので、メタ編集向きな書類といえます。この他、メタ編集できるといえばHTML(というかXMLなど)などがあるでしょうか。電子書籍のEPUBもこの仲間です。
 Wordそのもので書類を作成するときには、原稿の内容がより伝わりやすいように図版を挿入したり、印刷した場合に見開きになるようにページレイアウトを考えたりしますが、さらにスタイルを使って、文章と段落、セクションとドキュメントなどと、書類の構成を考えて原稿を整理したりもします。文章の構成を考えはじめたら、もはやそれは単なる書類の編集でなく、メタ編集といえるでしょう。メタ編集は、書類の内容を超えた、書類をどう見せるかということでもあるからです。  

 別に普通のワープロでもエディタでも編集すれば同じじゃないか、書類が完成すれば同じと思われるかもしれませんが、メタ編集で取り扱われるのはメタ情報であるところがポイントです。HTMLであればリンク情報やスタイルシートなどの情報ですが、リンク情報はAとBという情報を関連付けて、Cという新しいアイディアや関連情報を引き出したりします。これがメタ情報です。
 電子書籍の場合、Wordで書いた原稿に見出しと本文などを指定し、 Romancer や でんでんコンバータ で本の形になるように書式を設定するのも「メタ編集」です。メタ編集してあると、EPUBなどに変換しやすくなりますが、それというのも、HTMLやEPUBのような書類は「構造化した書類」なので、すでにメタ編集が済んだ書類にほかならないのです。

「構造化した書類」は「わかりやすい文章」のため

 「構造化した書類」というと何やら難しそうな気もします。それだけでは、まだ専門家向けなような気もします。それでは「わかりやすい文章」というのはどうでしょうか。文章というのは、1つ1つの文がわかりやすいだけでなく、前後の文章の起承転結のような関係でわかりやすくなったり、わかりにくくなったりします。そこでわかりやすい文章というのは、前後の文章の関係やテーマの論理に破綻がなく、結果的にそれなりの「構造化した書類」になっています。パソコン版Wordにはアウトラインモードという文章の構造を視覚化した機能があるのも、作成中の文書をわかりやすく編集するための機能にほかなりません。
 さて、そうはいっても私たちはWord以外のワープロを使っていたりすることもあります。アウトラインモードがあるワープロはまだ限られているので、ワープロで作成した書類を「構造化した書類」の視点で見直すには、いろいろと工夫をしなければなりません。

 もっとも一般的なのが、書いた文章を読み返すということです。読み返す場合は、書いた文章を一度印刷して赤ペンを握って読み返す、という作業が伴うこともあります。一連の作業はメタ編集に近い作業だと思います。
 自分の書いた文章を読み直して修正する作業は、「推敲」と呼ばれます。ただし、編集する文章は、必ずしも自分が書いた文章だけとは限りません。他人の書いた文章を読んで直す作業は、「編集」と呼ばれたりします。

  #GoodNotes5 またはそれに似たアプリを利用すると、紙に印刷して読み直し、編集するといった一連のメタ編集が、iPad1台で可能になります。最近の GoodNotesをはじめとした PDFファイル編集アプリの人気を見ていると、ようやくメタ編集が一般の人も必要とするようになってきたのだと思います。

#GoodNotes5 から推敲アプリ #LiquidText へ。

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