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熊本地震からまる5年を迎えました。

※冒頭の写真は、熊本県庁前のルフィー像

〈麦わらの一味「ヒノ国」復興編〉として熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏の熊本地震の復興企画。麦わらの一味の仲間の像8体が、県内8市町村に設置されています。熊本地震の翌年(2017年)、ファクトリエとワンピースはチャリティ企画でコラボしました。

はじめに

最近、嬉しかったことが2つあります。

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ひとつ目は、熊本城の天守閣が復旧完了したこと。

二つ目は、崩落していた阿蘇大橋が新しくできたことです。

どちらも、私が幼き頃から見続けてきた熊本の代名詞です。

所々に崩壊の跡が残る熊本城の姿は、今もなお震災の痛々しさを感じさせますが、耐震補強などの安全対策を施し、常設展示や内装も全面リニューアルしたそうです。今月末から一般公開とのこと、本当に楽しみです。

さて、5年前の当時を少し振り返りたいと思います。

生活が、180度変わってしまった日

2016年、4月14日と16日の二度にわたり、震度7、マグニチュード7.3(地震の観測上初)、深夜に何メートルも飛ばされるほど、大きな地震が起きました。避難者数は11万人、私の両親、兄家族も小学校の体育館に避難しました。

家業の洋品店は天井が倒壊し、天井から排水が漏れて流れ出し、水浸しになった洋服、棚、床をせっせと拭いていた矢先、2回目の地震で脆くもすべてが崩れました。

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たった数日で、日常生活が180度変わってしまったことに心がついていけず、呆然とした日々を過ごしました。地震直後のご報告はこちらです。

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(地震直後の震源地・益城町の様子)

当たり前ですが、水道、電気、ガスが止まり、避難所へ。

-あたたかい食べ物が食べたい

-体育館のフロアが毛布をひいても痛い

-プライベート空間がなく、張りつめる緊張

-お風呂に入れないことの衛生面のストレス

-深夜に響く、飼い猫や犬の鳴き声・・・

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とにかく気が滅入りそうでしたので、外に出て汗をかこうと、街中に溢れたゴミを片付けていました。あの日から、目まぐるしく過ぎて行ったこの5年を、私なりの視点で書き出してみます。

ファクトリエのチャリティ活動


【2016年】チャリティTシャツの販売、少しでも地元に寄付を

何か熊本のためにできないか?!とチャリティーTシャツを発売。結果、2106枚も買ってくださり、284万円を「日本赤十字社/くまモン募金箱」に寄付させていただきました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujisiro/20160425-00056998/

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【2017年】ファッションは楽しい!ファッションチャリティ企画

人気スタイリストの大草直子さん、三尋木奈保さん、望月律子さんにご協力いただき、震災で被災された工場さんと素敵なレディース商品を企画。こちらは434万円の寄付につながり、ファッションのエネルギーを体感しました。ありがとうございました。
https://factelier.com/charity/2017/fashion_professional/

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【2018年】日本一長い?!ポスター「くまモンのぬり絵Tシャツ」

ぺんてるさんに”布描きくれよん”をご協力いただき、益城町で被災した子ども100人と塗り絵をし、改装中の熊本駅に掲示しました。百人百色の笑顔の子どもたちが、駅で出迎えてくれました。
https://higojournal.com/archives/japan-long-poster-kumamoto2018.html

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【2019年】チャリティー上映会(行定勲監督講演会)
熊本復興映画祭のディレクターを務める熊本市出身の映画監督・行定勲さんの作品「うつくしい人(熊本が舞台)」を銀座と名古屋の店舗で上映。行定さんにも講演いただき、参加費はチャリティとして全額寄付させていただきました。


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【2020年】令和2年熊本豪雨被害のチャリティ活動

新型コロナの感染拡大中に、人吉球磨地方をおそった豪雨被害。国宝の青井阿蘇神社も浸水し、地震に続いての災害に心が痛かったです。人吉球磨地方には、提携する2つの工場さんがあり、すぐに支援に駆けつけました。https://factelier.com/contents/detail.php?product_id=14449

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2021年のチャリティ企画について

熊本地震から 5 年。全国各地から本当に多くのあたたかな支援をいただき、熊本は一歩一歩、着実に復旧・復興の道のりを歩んできました。ファクトリエでも毎年テーマを儲けたチャリティープロジェクトを実施し、毎年、皆様に支援のご協力をお願いしてきました。

そこで今年は、一歩進んだ「未来に繋ぐ架け橋ー想いを未来へ繋ぐー」をテーマに設定しました。熊本に本社を置く企業として、関わる人全ての心の温度を一度でも高めてくれる力があると信じ、事業を通じ未来に夢や希望を繋げられる架け橋となるようなプロジェクトを実施することにしました。

熊本県内にあるシャツ工場の「HIITOYOSHI」さんとスカート工場の「デ・アイ」さんの2工場が作る全商品を対象に、対象期間にご購入いただいた商品1点につき500円を寄付いたします。(※対象商品には予約商品も含まれます。)

HITOYOSHIのシャツ一覧

(ドレス)

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(カジュアル )

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DEAIのスカート一覧

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これからも、心の温度を高めるきっかけ作りを

上述しましたが、熊本地震も、人吉球磨地方の豪雨被害も、まだ完全に復興したわけではありません。コロナの脅威におびえながら、避難所で暮らす方々が今もいらっしゃいます。また、地震をきかっけに※PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された方ともお会いしました。

※死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックのように思い出されたり、悪夢に見たりすることが続き、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態

そんな中、先日、一般社団法人BRIDGE KUMAMOTOさんにお声がけいただき、石井食品さんの企画に参加し、豪雨で被災された保護者と先生向けに保育園の卒業式で着用するスーツを仕立てる機会をいただきました。

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(BRIDGE KUMAMOTOさんのnoteより写真をお借りしました)

まだまだ微力ではありますが、これからも事業を通し、できる限り、被災された方々に、心のサポートをしていきたいと思っています。

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(被災した小中学校でのボランティア講演会はこれからも続けます)

もし辛かったり、孤独を感じていても、ファッションは心の温度を一度でも高めてくれる力があると信じてます。一緒に頑張りましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

山田敏夫


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