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猫背を矯正すると痩せやすくなるのか⁈

 おはようございます。

よく頂く質問の1つに、「猫背を治すと痩せますか?」があります。

この「痩せる」の意味が「見た目がキレイになりますか?」という抽象的な意味であれば、猫背の時よりも見た目はキレイになると考えられますが、「体重が落ちますか?」という意味でしたら答えはNOです。

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姿勢が良くなるとエネルギー消費量は増えるのか?

 体重が増加する、減少するは、基本的にはエネルギー収支による所がほとんどです。

 姿勢が良くなると痩せるのか?というのは、言い換えると、「姿勢が良くなるとエネルギー消費量は増加をするのか?」ということになるかと思いますが、結論としてはそこまでの変化は無いと考えられます。

座っている状態と立っている状態でのエネルギー代謝の違いなどの研究はありますが、猫背と解剖学的な理想の姿勢によってエネルギー代謝の違いはあるのか?といった研究を探しましたが、今の所、見付ける事が出来ませんでした。

しかし、立っている姿勢と座っている姿勢でのエネルギー代謝の違いを見ても、その違いは微々たるものですので、立っている姿勢の違いによって、大きくエネルギーの消費が増える事は無さそうです。

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立っている時と座っている時のエネルギー消費の違い

例えば、立っている時と座っている時のエネルギーの消費量の違いについての研究がコチラになります

Differences of energy expenditure while sitting versus standing: A systematic review and meta-analysis

要約を引用すると以下の様な形になります

我々は658の研究を特定し、最終分析のために1184人の参加者と46の研究を含めた。座っているエネルギー支出と立ち位置の平均エネルギー支出の差は0.15kcal/min(95%信頼区間(CI)0.12-0.17)であった。女性の差は0.1kcal/min(95%CI 0.0~0.21)で、男性は0.19kcal/min(95%CI 0.05~0.33)であった。観測研究は、無作為化試験(0.2 kcal/min、95%CI 0.12-0.28)と比較して、エネルギー支出(0.11kcal/min、95%CI 0.08-0.14)の差が低かった。6時間/日の間に座っている状態を立っている状態に置き換えることによって、65キロの人はさらに54キロカロリー/日を費やす。エネルギー摂取量の増加がないと仮定すると、このエネルギー支出の差は、1年間で体脂肪量の約2.5kgのエネルギー含有量に変換されます。

座っている時と立っている時の違いで、1分間に約0.15㎉の差になり、体重65Kgの人が、1日に座っている時間を6時間立っている状態に置き換える事によって、増加するエネルギー消費量が54㎉になります。

その為、同じ立っている状態での姿勢を比べた場合、これ以上の大きな差は見られないのではないかと考えられますね。

座っている時と寝ている時のエネルギー消費量は差が無い⁈

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そして、まだ今後の研究が必要ではありますが、こちらでは、寝ている時と座っている時のエネルギー消費量には、大きな差が無かったという報告があります。

Correction: Energy expenditure differences across lying, sitting, and standing positions in young healthy adults

1日中寝ていたら、「今日はさすがにマズいな~」と感じる方は多いかと思いますが、1日中座っていても、そこまでの問題意識は持たない場合が多いのではないでしょうか?。

エネルギー消費の観点から考えると、1日中座っているのと、寝ているのでは、そこまで大きな違いが無い可能性が考えられますので、少しでも立つ様にすることが大切ですね。

こちらも当たり前の事ではありますが、デスクワーカーの方は、健康のためにも、健康的なスタイルを保つ為にも、以下をおススメします。

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・通勤中の電車は立つ様にする

・エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う

・都内の方は一駅手前で降りて歩く

・職場が可能ならスタンディングデスクを使ってみる

・ランチは外に食べに行く などなど

まとめ

姿勢を改善してもエネルギーの消費量に大きな変化は見られないと考えられますが、見た目の変化や健康のためには大切です。

座っている時と立っている時では、エネルギー消費量は立っている時の方が高いので、塵も積もれば山となるの精神で、日頃からなるべく座る時間を減らし、立つ時間を増やす事をおススメします!



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