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ファイナルファンタジー14のスゴさを改めて解説する

メインストーリー(パッチ5.5)に追い付き、あとは育ててないジョブを進めたり麻雀遊んだりするくらいしかなくなってきたので、現時点まででいかにFF14が神ゲーだったかを語っておきたい。(なお、放置も含めて大体1600時間くらい遊んでいる)

以前にも似たような記事を書いたが、あのときはまだ網羅的にコンテンツに触れていなかったし、今回はかなりの時間をエオルゼアで過ごした身として、またこういうタイプの14ヨイショ記事が書き切れていない隠れた長所を、大きく三つに分けてご紹介したい。


1.ほぼすべてのコンテンツに良質なストーリーがある

メインストーリーが激アツなのはもうすべてのユーザーが言っており、皆がうわ言のように「漆黒やれ」と繰り返しているので、まあきっとそうなんだろうなと思われているかもしれないが、実は14はメインストーリー以外も全く手を抜いていない。

たとえば「蛮族クエスト」というものがある。エオルゼアには蛮族と呼ばれるモンスターたちが住み着いており、その中には主人公たちの国や勢力に友好的な部族もいる。彼らの多くは敵対部族の侵略に悩まされており、主人公に助力を求める。それは時に武力行使であったり、物資の調達であったり、祭りの準備であったりと多岐に渡る。

そこで語られる物語もかなり濃厚である。人と蛮族との技術交流の歴史が語られたかと思えば、人との共存を巡っての世代間の対立に発展したりもする。基本的には蛮族たちの状況も人間社会に相似であることが面白い……という語り口でありつつも、ファンタジーの成分は決して忘れておらず、幻想的な儀式に居合わせることもある。

筆者が一番好きなのは「ナマズオ族」だ。頭の悪そうな魚人の見た目をしている。非常に愛くるしい。100センチくらいのぬいぐるみが欲しい。

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法被を着ているのでわかると思うが、彼らは祭りの準備をしている。予言により一族の滅亡が約束されたらしく、それを回避するためにお祭りをしなければならないそうなのだ。意味が分からない。だが、分からないなりに彼らは必至である。

とりあえず神輿を作ろうとか、周囲の人間の部族を招待しようとか、お供え物の魚を取ろうとか、とにかく行き当たりばったりなのである。とても蛮族らしい蛮族で、やることなすこと全部危ないし、加えて言動がめっちゃ失礼なのである。よく仕事中に干からびて死にかけているし、そもそもどいつもこいつもサボりまくる。手伝うと一応褒めてくれるが、信頼関係を結べている気が全くしない。

そんな彼らのお祭りに参加し、会場にどんどん設備が増えていく様を見るのはとても愉快だ。クエストは繰り返し作業なのでちょっと退屈な部分もあるが、そんな時はナマズオたちの顔面でも眺めてスクショを取ればいい。完璧なまでに可愛いアホ面を見ていると、疲れなんて忘れてしまう。

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もうひとつ紹介したいのは「ギャザラー/クラフタークエスト」だ。14には戦闘ジョブ以外にギャザラーとクラフターというものがある。前者は素材を集め、後者はそれを基に武具や道具を作るジョブだ。好きな人は無限にやってるタイプのコンテンツである。

筆者はどうぶつの森を借金返済すらする前に飽きてしまう程度にはクラフティングが苦手だが、14のクラフターにはとてもやる気が出た。モチベーションの源泉は、クエストで語られるストーリーだ。本編がドラゴンや騎士たちが戦うハイファンタジーなのに比べて、クラフタークエストは「お仕事小説」なのだ。

たとえば、名門鍛冶師である父を超えるためにギルドの門を叩いてきた子と鍛冶の腕を競い合ったり、若手育成のための工房を作ってもらった恩返しのために若者たちがプレゼントを作ったり、大舞台を初めて踏む芸子のために和洋折衷のドレスを考えてあげたりと、それぞれの要素をスライドすれば現実でも有り得なくはない話ばかりなのである。

ひとつひとつの物語にしっかりと無理のないオチが付いており、そこで語られているのはちゃんと説得力があって情感の込められたセリフばかりだ。戦ってばかりのお話がそこまで好きじゃないという人でも、充分に楽しめるだけのコンテンツが揃っているのである。


2.テキストチャットでの緩いけれど強いつながり

14では大概の場合テキストチャットで交流を図る。初期UIでは画面左下にある共通のチャットバーを四六時中見ることになるのだ。MMORPGに詳しい人ならわかるだろうが、そういうジャンルなのである。

筆者は一年ほど前にフリーカンパニー(※ゲーム内のコミュニティのことで、同じハウスを拠点として遊べるのが特徴)に入った。誘ってくれたリアルのフレンドが忙しくなってinしなくなったので、人恋しくなってコミュニティを探したのだ。最初はダンジョンやボス戦を野良マッチングで行くのはちょっと味気ないから利用させてもらおうかな……くらいの気分だったが、次第にのめり込んでいった。

考えてみれば、テキストチャットの付き合いなんて、中学生の頃に初めてネットの掲示板に書き込んだ時以来かもしれない。少なくとも最近はもっぱらボイスチャットかビデオ通話だ。便利だけど、忙しない感じはする。

フリーカンパニーではゴールデンタイムには20人くらいがinしている。全員がべらべら喋っているわけではないが、誰かが話すと誰かが反応してくれる。それは普通にゲーム内コンテンツのお誘いであったり、今日食べたものとかのどうでもいい話であったり、ちょっとシリアスでオープンな場には出しにくい愚痴や相談事だったりする。

今時アバターがテキストを介して喋っている感覚に愛おしさを覚えるなんて、なんか20年くらい遡った感じはするが、ちょっとZOOMやLINEに疲れた自分にはこれがとても心地よくなっていた。いちいちテキストを打ち込む手間や、相手の応答を待っている時間や、お互いの言葉が足りていないときに行間を読もうとする姿勢が、懐かしくそして美しいなと思う。

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3.RPGらしさ――誰もが主役である

オンラインゲーム(特に長寿コンテンツ)は時として初心者に残酷である。それはある程度は仕方がない。常識が醸成され、暗黙の了解が生まれ、鉄板の戦術が固定化してしまえば、初心者はとりあえずそれを覚えて指が慣れるまで繰り返す必要がある。下手したら練習と勉強だけで数百時間が溶けることもありうる。

基本的に14のコミュニティは初心者に寛容である。(また運営が用意しているチュートリアルも、足りているかどうかはさておき、一応進められる程度には丁寧ではある)

メンターやビギナーという上級者が初心者を救うための制度が設けられているようだが、それ以前に大抵のプレイヤーは初心者に親切なのだ。初心者が訳も分からず敵に突っ込んでパーティーを全滅させたら誰かがアドバイスをするし、そもそも街中でビギナー救済を謳うフリーカンパニーの勧誘が四六時中流れている。(99%詐欺ではないので安心して欲しい)

わざわざ月額課金まで払ってオンラインゲームを遊んでいるだけあって、数秒の面倒を惜しんで暴言を吐いたりするような輩はほとんど見ない。むしろ初心者が初めて遊ぶダンジョンで頑張っている姿を見て脳汁を垂れ流すタイプの人が多い印象がある。大事なのは「耳を傾ける姿勢」だけだ。あなたが心を開けばそれに答えてくれる程度には、イイ奴ばっかりである。


と、ここまで14にある三つの長所について解説した。筆者がメインストーリーや戦闘以外で特に気に入った点は解説できたんじゃないかと思う。

気たる12月3日には最新拡張『暁月のフィナーレ』が来る。現在更新され続けているメインストーリーにひとつの決着がつくらしいので、このタイミングで一気にFF14を駆け抜けてみてもいいのではないだろうか。

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