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[海外転職]2016年3月フィンランドオウル出張

2018年3月から2023年5月までフィンランドで働いていました(現在はフランスで働いています)。日本法人を経由してフィンランド企業に就職した経緯については以下の記事にまとめました。

上記の記事では日本法人入社からフィンランド就職まではさらっと書きましたが実際にはいろいろ試行錯誤をして約5年かかってようやくという感じでした。

今回はその試行錯誤の一つとして2016年3月にフィンランド北部の町オウルに出張した時のことを書きます。出張ですが旅行好きとして現地観光もしてますので旅行記としても読んでいただけるのではないかと思います。


オウル出張の目的

当時私は携帯電話基地局装置ソフトウェアの日本の顧客の要求仕様を海外の開発チームのために明確化する仕事をしていました。明確化した仕様はオウルにいるフィンランド人の同僚であるAntti(アンッティと読みます)が文書にまとめていて彼と毎週オンライン会議をしていました。

そのAnttiのいたチーム全体が日本の顧客向けの開発担当を外れることになり、社内文書の作成を私が引き継ぐことになりました。

この時私はとても焦りました。社内文書の作成自体はこれまでも一緒にやって来たので仕事を引き継ぐことはとくに問題なかったのですが、フィンランドの開発チームが担当を外れて代わりに中国のチームが日本担当になると、フィンランド人とコネを作ってそれをベースに転職しようという計画が頓挫してしまいます。

それで調べたらオウルではテストチームだけが日本を担当し続ける計画だとわかりました。テストチームとはソフトウェアが仕様を満たすかどうか確認してもらったりなど当時けっこう密にやりとりしてたし、前職でもソフトウェア新規機能のテストのプロマネをやったりした経験があり転職するならテスト関連が可能性高いと考えてました。

なのでオウルのテストチームとのコネを強化したい、そのために一度オウルに行って現地の人たちと会いたいと考えました。

そこでAnttiからの引き継ぎを目的としてオウルに出張したいと上司に掛け合いました。経費削減のための出張制限もない時期で、さらに何か予算計上で間違いがあり年度の予算が余ってたとのことで、比較的あっさりと承認されました。ラッキーでした。

オウル出張準備

初めてのフィンランド旅行、いや出張だったのではりきって前のめりに準備しました。

まず日程調整。Anttiと相談したところオウルではWeek10(年度第10週)がスキーホリデーなので休むと。なのでその前の週に行くことに。後でわかったのですがフィンランドでは2-3月に1週間スキーホリデーがあり学校が休みになるので子供のいる社員はその時期に休む人がけっこういます。

次に航空券。オウルへは直行便はなくヘルシンキ経由。成田-ヘルシンキは9時間半から10時間。ヘルシンキ-オウルは1時間。乗り継ぎの時間を考えるとフィンエアーが一番効率が良いとわかりました。ヘルシンキでの乗り継ぎが40分しかなかったのでチケット取ってくれた日本旅行の人に大丈夫かきいたら「小さい空港だから安心してください」とのことでした。

ホテルは会社推奨のもののみ選択可能でScandicかRadisson Bluの二択。友人のおすすめはRadisson Blu。

空港からオウルの町への移動手段は電車はなくてバスのみ。町からN社オフィスまでもバス。町は小さいのでトラムとか地下鉄なし。

せっかく行くのだからとオウルの見所などを調べようとするも当時はTwitter活用しておらず、地球の歩き方にもオウルは乗ってなかったので(2019年頃から載るようになったらしいです)BSの「大人のヨーロッパ街歩き」を参考にしました。当時のメモを見るとオウルの見どころをほぼ網羅してました。

あとフィンランドの人たちとコネを作るために何かないかと考えてお土産を持って行くことに。六花亭のストロベリーチョコをネットで購入して持って行きました。

初めてのフィンエアー

2016年2月28日成田空港から初めてのフィンエアー。第二ターミナルの中でもフィンエアーはけっこう奥の方のゲートで近くまで行くとお茶できるところがなく少し戻ってFaSoLaというカフェで時間潰してから搭乗。エコノミーだったけどこの時はなぜかアメニティが入ったマリメッコのポーチがもらえました。さらに離陸後にドリンクのサービスがありました。

エコノミーでも座席にモニタついてて映画「オデッセイ」「バードマン」「寄生獣完結編」「マイインターン」を観ました。食事は2回あり2回目にはブラックサンダーがついて来ました。あとアイススーパーカップがおやつとして出て来ました。

ヘルシンキに着く時間が少し遅れて元々の乗り継ぎ40分だったので慌てて走りました。オウル行きのゲートめちゃくちゃ遠い。パスポートコントロールけっこう並んでたしギリギリで汗びっしょりになりました。それ以来ヘルシンキでの乗り継ぎは1時間以上にするようになりました。

オウル空港で無事にスーツケース受け取りましたが、空港にはレンタカーオフィスと駐車場チケット販売機はあっても両替屋はなく、ATMも壊れてて現金全然ない状態で外へ。バスはクレカ使えないとのことだったので-13度で雪が降る中待ってタクシーに乗りました。

30分くらいでホテルRadisson Blu着。タクシーでクレカ使えるはずがなぜか機械がうまく読み込まず。運転手が誰かと電話してたけど結局解決せず、「直接N社に請求する」と。名刺を渡しました。ちなみにタクシー代は30ユーロくらい。後で会社経由で請求書を受け取りそこに書いてあった口座に振り込んでから出張経費として精算しました。日本の銀行から振り込んだので手数料がすごく高くなってしまいました。

夕方にホテルにチェックイン。ホテルでも両替はできず、ATMの場所を説明してもらう時に街の地図をもらいました。

オウルレストラン①Sokeri-Jussin Kievari

部屋に荷物置いて夕食の場所を探しました。地図で見たら「大人のヨーロッパ街歩き」で紹介してたSokeri-Jussin Kievariが近かったので行ってみることに。外に出たらめちゃくちゃ寒かったので戻ってタイツ、ニット帽、スキー手袋を装備。雪が降る中橋を渡ってピキサーリ島にあるレストランへ。赤い木造の建物の中は照明が少し暗めで落ち着いた雰囲気。

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番組で紹介してたトナカイの燻製の盛り合わせはなかったので、トナカイの煮込みと北極イワナのバターソテー。トナカイの煮込みは大量のマッシュポテトの上に載って出て来ました。リンゴンベリーソースとキュウリのピクルス付き。(ちなみにこの店マッシュポテト多めなので、マッシュポテトあまり得意でないという方はメニューによりますがフライドポテトに変更可能です)

Sokeri-Jussin Kievari情報はこちらこちら(日本語)

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初めてオウルのオフィスへ

翌朝N社オフィスへはオウルの町の中心からバスで行くのでまずATMで現金調達。2016年当時はストックマンというデパートがあり(後にオウルから撤退)そこにATMがあるとホテルで教えてもらいました。

無事現金調達後、Oulu 10というところでバスチケット購入した後、市役所前のバス停でバスに乗車(今考えるとOulu 10でバスチケット買うなら現金必要なかったけど当時は気づかず)。写真はオウル市役所の建物。

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バスの進行状況などはスマホアプリで確認できるのですが当時はアプリの存在知らず。フィンランド語もそんなにわからないし今どこを走ってるかわからず不安になり運転手に何回も確認しました。運転手に次だと教えてもらってN社の前のバス停で降りました。ちなみにN社のオフィスは道路から見えました。

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受付でテンポラリカードをもらいAnttiを呼んでもらう。Anttiとはこの時初対面。オンライン会議はずっとやってたけどカメラ使わず音声だけだったので顔も見たことなかった。日本と違ってフィンランドではオンライン会議ではカメラを使わないのが普通です。さっそく持って来た六花亭のストロベリーチョコを渡す。

テストチームの人に紹介してもらい席を確保。オフィスは四階建てで広い建物の中に小さな部屋がたくさんあり通路が迷路のようでトイレに行ったら帰りに迷いました。

11時半頃Anttiとランチ。こちらの人たちはランチの時間も人それぞれ。カフェテリアはほぼ満席。ビュッフェ形式で野菜を多めに取った後メインの料理を皿に取ります。Anttiは来週のスキーホリデーは家族でYlläsのスキー場に行くらしい。

帰りの時間も人それぞれで16時頃にはオフィスの中はほぼ空っぽに。バスでホテルに帰る。ちなみに日本から出張で来てるからと言って一緒に夕食に行こうとならないのもフィンランドらしいところ。仕事とプライベートは完全に別です。

オウルレストラン②Uleåborg 1881

出社初日の夜はネットで検索して見つけたホテルの近くのレストランUleåborg 1881へ。Uleåborgは「オウル」のスウェーデン語名。

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ここは少し高級感がありレーニンみたいなヘアスタイルとヒゲの店員が席に案内してくれたりして1人で食べるのはちょっと緊張しましたが、店員の女性が時々話しかけてくれました。

アミューズは一見コーヒーみたいな小さなカップに入ったスープ。前菜はビリニスという蕎麦粉パンケーキ。メインはSiikaという白身の淡水魚のソテー。デザートはメレンゲとバニラアイスのマンゴー添え。どれもおいしかったです。レストランUleåborg 1881の情報はこちら

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食後にホテルで飲むお酒を買おうとストックマンの近くのR-kioskiという店に行ったらお酒は置いてないと。後でわかったのですがフィンランドではビールなどのアルコール度数の低い飲み物をのぞいてお酒はAlkoという店でしか買えません。そしてAlkoは平日夜9時まで、土曜6時まで、日曜休みです。仕方ないのでこの日はホテルのバーで少し飲んでから寝ました。

オーロラを観に行く

翌日仕事が終わった後、「大人のヨーロッパ街歩き」の中で大学近くの湖でオーロラが観られると言っていたのを頼りにGoogle Mapで場所を特定して行ってみました。

こちらが現地の写真です。町の中心から離れていて暗いのでオーロラ鑑賞には良さそうでした。あと冬は湖が凍っているので湖の上に立ってオーロラを見ることもできるそうです。

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この時は残念ながらオーロラは観られませんでした。

その他のレストラン情報とちょっとだけ観光

オーロラを観に行って遅くなったので夕食はオウルのシンボルである警官の像の近くのToripoliisiというお店へ。まあ、普通のフィンランドのレストランです。当たり外れの少ないサーモンスープを食べました。

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翌日はネットで見つけたバイキング風スタイルを前面に出した店Viikinkiravintola Haraldでトナカイ料理やガチョウのハツ、馬肉などを食べたけどまずかった。雰囲気も悪いしここは完全にハズレです。二度と行かなかった。

口直しにピザが食べられるというPannuという店に行こうとしたけど見つけられなかった。(転職してから何度か行きましたがPannuは良い店です)

せっかく来たので仕事の後にオウルの町の中を少し観光しました。オウル大聖堂は黄色い建物が印象的でした。オールドマーケットには魚や肉などが売っていてサーモンスープを食べられるカフェもありました。毎年8月にエアギター選手権が行われるステージに乗ってみました。その近くにあった雰囲気の良いカフェビスケッティは2019年に閉店しました。デパートストックマンの中にあるAlkoでお酒を購入。

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出張終了と帰国 - 会議用サウナ!?

出張の終わりにテンポラリカードを受付に返したのですが、その時何となく思いついて受付の女性に「このオフィスにサウナはあるんですか?」ときいたら、何個かあると。会議用のサウナもあると。会議用のサウナ!?ときくと、海外からお客が来た時などに使うという。その時はよくわからないままでしたが後で実際に使いましたよ、会議用サウナ。これについてはまた別途書きます。

帰りの空港へのタクシーでは普通にカード使えました。オウル空港に着いたのが少し早かったのですが、フィンエアーカウンターは無人で誰もいませんでした。近くにいた人に聞いたら飛行機の時間が近くならないと人が来ないとのこと。幸い自動チェックインカウンターを見つけたのでチェックインしてタグを印刷して自動荷物預けでスーツケースを預けました。

帰りの飛行機では映画「007スペクター」「UNKNOWN」「BIG SHORT」観る。

おわりに

出張の話のはずがやっぱり旅行記になってしまいました。秘密保持契約もありあまり仕事の内容は書けないというのもあります。ただ、フィンランド人とのコネ作りには一定の成果があったと思います。実際オウルのポジションに転職した際にはAnttiの名前をリファレンスの一人として出すことができました。

Anttiに渡した六花亭のストロベリーチョコは奥さんが気に入ったらしくすぐになくなったそうです。

あと、この時実際にオウルの町やお店に行ってみてこの町だったら住むのは問題なさそうだという実感を持てたので、その後の転職活動のモチベーション維持に役立ったとも考えています。

長い記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。





















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