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内閉鎖筋と会陰切開

会陰切開とは産道に切開を加える、分娩介助方法の一つです。
産道にナイフを入れるイメージです。

つまりは骨盤底筋群にナイフを入れます。


内閉鎖筋の隠れ起始

内閉鎖筋は肛門挙筋腱弓に隠れ起始が存在すると言われています。
肛門挙筋は骨盤底筋群の一つです。

筋膜上で骨盤底筋群との繋がりを意味し、コアスタビリティに内閉鎖筋が関わると考えられます。

骨盤底筋群は多裂筋や横隔膜、腹横筋と共にインナーユニットとして数えられます。腹圧コントロールなどに寄与します。

内閉鎖筋の機能不全によりインナーユニット機能低下や、逆説的にインナーユニット機能低下に伴い内閉鎖筋の機能不全が考えられます。

内閉鎖筋は腸腰筋と共に大腿骨頭求心化に働く、非常に重要な筋の一つです。


会陰切開後

骨盤底筋群にナイフを入れますから、内閉鎖筋の起始は撓み機能低下を招きます。

出産後、尿や織物漏れが考えられます。

内閉鎖筋が機能低下する事で

①股関節の過度な内旋や
②腸腰筋のみの求心化により腰椎過前弯、いわゆる反り腰

等が考えられます。


ただ①はあまり見かけませんね。
むしろ骨盤後傾に伴い股関節は外転・外旋しているケースが多いです。

コア不全により胸椎過後弯+腰椎部分は過伸展(ストレート気味)であるケースが多いように感じます。

骨頭求心化へ大腰筋が優先的に機能し、大腰筋短縮位に伴い腰椎過伸展、ひいては反り腰の様な姿勢が多く見られます。


梨状筋症候群テストに関して追記

梨状筋のみ股関節屈曲60°-90°以降で内旋作用に切り替わると言われています。

が実際のところ

筋そのものが単独している訳ではなく、例えば梨状筋と上双子筋は癒着していたりします。

6つの筋肉がはっきりしている訳ではなく、ぐちゃっとしているイメージです。

ですので梨状筋のみ独立した働きを起こすのは考えづらいです。

あまり難しい事を考えず、まとめて伸ばせばいいと思います。


支配神経

梨状筋:L5-S2の脊髄神経の支配を受けます。
上双子筋・下双子筋・大腿方形筋:L5-S1の脊髄神経の支配を受けます。


ここで重要なのは内閉鎖筋と外閉鎖筋になります。

外閉鎖筋:閉鎖神経の支配を受けます。L2-L4辺りに位置する内転筋群と同じ支配神経です。

コアな文献などには、外閉鎖神経は内転作用を持つと書いてあるものも少なからず存在します。


内閉鎖筋:S1-S3すなわち骨盤底筋群の支配神経とほぼ同じです。
支配神経の観点から見ても繋がりはありそうですね。

内転筋を筋発揮する際は力んでいなくとも、腹横筋や骨盤底筋群とコアに関わる2筋の筋腹が暑くなることが分かっています。


外閉鎖筋が内転筋との繋がりを持ち

内閉鎖筋が骨盤底筋群との繋がりを持ち

外閉鎖筋と・内閉鎖筋は密接しています。


話反れました。


おわり。


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