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2022年6月実施第1回東大本番レベル模試 スタッフによる所感【理系数学】

全体概観:標準


短時間で完答が可能な問題ではないものの、手が動きやすい問題が多く、難易度としては標準的な問題構成であったと思われます。ただ、どの問題も計算が煩雑になったり、場合分けが必要な場面があったり、十分な計算力、慎重さも必要です。しかし、これほどの計算及び考察を必要とする問題を150分で、しかも普段勉強している場所と異なった雰囲気の中で十分に解ききるのは決して容易ではありません。数学が苦手な人も、取れる問題(今回の問題だと、第一問(1)、第二問(1)(2)、第三問(1)、第五問(1)等)を確実に落とさず得点していくことが大切です。

第一問:標準


(1)実際に図を描いてみるとおのずと必要な場合分けが見えてきます。それぞれの場合 で面積をaを用いて表しましょう。図を描くことで、状況の整理ができて、問題を解く方針が定まるほか、面積を求める場所が違ったなどのミスを減らすことにもなります。ぜひ取りたい問題です。
(2)(1)をもとに微分等を用いてS(a)の増減表を作り、最大値を求めます。東大によくあるタイプの問題で、重い計算を素早く正確に処理する力が求められます。計算をきちんと処理できたかどうかで差がつくと思われます。式だけ書いて計算は落ち着いてからあとでやるのも一つの手です。

第二問:標準


(1) (OH) ⃗=s(OA) ⃗ +t(OB) ⃗などとおいて連立方程式を解きます。よくある問題です。とはいえ、頂点を間違えるなどすると混乱するので落ちついて焦らず状況を把握しましょう。ぜひ取りたい問題です。
(2)(1)の結果を活用してBとHの中点が△OABの重心と一致する、ということを示す方針だとすんなりいけます。(1)をうまく利用できたかで差がつくと思われます。意味のない小問は基本的にはないので、途中で分からなくなったらそれ以前の小問の意味を考えてみると、解きやすくなることもあると思います。
(3)△OABと△LNMの相似と、CHが△OABを含む平面と△LNMを含む平面の両方に直行していることに注目し、△OABと△LMNの外接円の位置関係をうまくとらえることができるかどうかが分かれ目だと思います。

第三問:標準


(1)よくあるカードの並べ方の問題です。A_1がx_1,x_2,x_3の積であることに注目してあり得るカードの並べ方を数え上げます。ぜひ取りたい問題です
(2)2のカードの枚数からわかることを整理し、それに従って場合を正しく分けることができたかどうかが分かれ目だと思います。文中の条件等をよく読み、場合を過不足なくとらえる練習をするのが大切だと思います。

第四問:標準~やや難


(1)この手の問題を解いたことがある人はほぼ止まらずに解けたと思います。できなかった場合は、よく復習して理解しておくべき事柄です。
(2)mが正の整数であることから、帰納法の利用を考えます。その後は、帰納法による証明に慣れているかどうかで差がつくと思われます。この小問も、この手の問題を解いたことがある人はだいぶ解きやすかったと思います。
(3)実際に有理数を文字式にしてみて代入し、実験できたかどうかが分かれ目だと思います。実際に代入してみると、(1)(2)の使い道や、示し方がおのずと見えてきます。難しい問題ほど、実際にいろいろ試して実験してみることが重要になります。

第五問:標準


(1)典型的かつ基本的な微分法の問題です。落とせません。
(2)(1)を利用することを考えて、p,Sそれぞれを角度を用いて表し、(1)を使って評価します。a→+0の時に設定した角がどのように動くかを捉えられたかどうかがカギになると思います。そこまでたどり着ければ、あとは何とかして(1)の式を利用することを考えればよいです。

第六問:標準


(1)まずは与えられた方程式を、グラフと直線の交点の問題に帰着させます。いわゆる定数分離の問題です。定数分離はよく出る手法なので、できなかった人や思いつかなかった人は、必ずよく復習し、身に着けておきましょう。
(2)そもそもaが1より大でしかありえないことに気づけたか、出てくる文字が正であることに注目し、対数の利用を思いついて計算をしやすくできたか、およびそのあとの計算で差がつくと思われます。また、図示の際、境界がどうなっているかをよく確認するようにしましょう。

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