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2022年6月実施第1回東大本番レベル模試 スタッフによる所感【文系数学】

全体概観 : 標準


大問ごとの難易度に差がある問題セットでした。簡単な問題でしっかり得点を稼ぎ、難しい問題はある程度割り切るといった戦略をしっかりと遂行できたかが勝負の分かれ目となったでしょう。
とはいえまだ6月です。以下で簡単と断じた問題を落とすのも致し方ありません。これから問題と真っ向から向き合って解き切る力と戦略の両方をバランスよく鍛えて東大数学と戦えるだけの力をつけていきましょう。また4問とも近年頻出の分野からの出題となっているため、間違えたところを中心に怠ることなく復習して次回に備えましょう。

第一問:やや難


(1)まず折れ線の式をxの値で場合分けしなくては始まりません。0≦x<1における条件はすぐに導けると思われますが、1≦x≦2の範囲での条件は若干厄介です。yを消去して2次方程式の実数解の存在条件を求める問題として読み替えられるかがカギとなるでしょう。そこを突破できれば単純な問題に見えてきますが、それでも計算と場合分けが煩雑でなかなか難しい問題と言えます。
(2)まず(1)ができていないと厳しい問題ですが、(1)さえできていればこれを利用して条件を導くところまでは比較的すんなりといけるでしょう。ただ範囲に含まれる境界と含まれない境界があるため最後まで気が抜けません。(1)ができた方にはさらに差をつけていくためにぜひとってほしい問題です。

第二問:やや易~標準


(1)式変形をして3連続整数の積に3nを加えたものだと分かればすぐに答えは導けるでしょう。必ずとりましょう。
(2)約数の個数の求め方を覚えているのは前提で、anの素因数をどのように求めるか考えていけばいいでしょう。nに条件が付いていることが鬱陶しいので、まずは(1)を用いてan をすべての整数で表せる形に直しましょう。それから、anが12(=22・3)の倍数であることは間違いないので、anの約数が12個になるのは4パターンしかないと分かります。あとは上でanを変形してあげた式を利用しつつ実験していけば解答は導けるでしょう。この問題においてanを式変形する作業によって解答を導く糸口をつかめたように、数学では手間を厭わず手を動かすことで局面を打開できることがよくあります。諦めかけた時にこそ手を動かすことを意識してみるのもいいでしょう。

第三問:易~やや易


(1)放物線と直線の交点に関する基本的な問題です。以降の問題にも関係する数値なので必ず慎重にとりましょう。
(2)基本的な積分計算です。ただ計算が煩雑なので、図をしっかり描いてしょうもないミスのないよう丁寧に解きましょう。ここも必ずとって(3)につないでいきたいです。
(3)この問題も3次関数の極小を求めればよいため基本的な問題と言えるのではないでしょうか。(2)で3次式を正しく求めていればこの問題も容易にとれるでしょう。本番ではこの問題はなるべく短時間で完答することが求められるでしょう。

第四問:標準


(1)左から3番目までに2が一つでも入っていれば条件を満たすので、余事象を用いればすぐに解答が導けるでしょう。必ずとりましょう。
(2)2が4枚しかないことから、3枚ずつの各ブロックに2が1枚ずつ入っている場合のみ条件を満たすことが分かります。あとは2がブロックのどこに入るかの場合分けを数え上げれば解答は導けます。12枚のうちの2の位置が12C4通りであることを利用すればすぐに答えにたどり着けますが、そこに着目できなければ計算が厄介になりそうです。できれば取ってほしい問題です。
(3)Sが偶数になるのが3パターンしかないことはすぐに分かるでしょう。思考を整理して適宜手を動かしていきながら丁寧に数えていけば取れると思われます。やや難しい問題ですが、(2)が取れた方はぜひとってほしい問題です。
この問題が注目しているのは偶奇だけなので、(2)(3)はより単純に考えることもできます。ぜひ別解も参照してみてください。

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