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理系二年生の春学期事情

 こんにちは、理科一類二年生スタッフの金城です。10月も下旬になり、ようやく秋が顔を覗かせる時期になりました。えげつない猛暑の夏を乗り切り、日本にまだ四季があることに感慨深さを覚える今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。前回は「理系一年生の秋事情」と題して1Aセメスターの授業を振り返っていきました。ということで今回は二年生の春学期(2Sセメスター)バージョンでお送りします。

 8~9月に発表される運命の進学選択(進振り)を前に、東大の二年生の春学期の過ごし方は十人十色です。必修の波に揉まれていた一年次とは違い、理科一類は2S前半期間の5コマの必修さえこなせば後は自由に過ごせます。総合科目(自由選択の科目)を何も取らずに早めの夏休みを謳歌する人、バイトで稼ぎまくる人、来たる進学選択に向けて穴場授業で点数稼ぎに勤しむ人、趣味に没頭する人etc。。かく言う私は、部活で毎日大学に行くついでに総合科目9コマ(+主題科目2単位)を取っていました。成績の平均点だけでなく総取得単位数が進学選択に響く、工学部の一部の学科や農学部を志望していない割には多めのケースだと思います。ですが、1Aまでは必修祭りで好きな授業をあまり取れていなかった上に、進学選択の第一志望の学科が2Aからそれなりに忙しく、専門外の授業はしばらく取れなくなると知ったため、興味の湧いたものを色々受けてみようというモットーで選びました。今回はその中から特に印象深かった授業を紹介します。

惑星地球科学Ⅰ(理科生)・惑星地球科学Ⅱ(理科生)

 この二つの授業は別の教授の講義ですが、どちらも「地球環境」を知ることが大きなテーマになっていたため、両方受講したら理解が深まりそうだと思い、合わせて取ることにしました。Ⅰは惑星や恒星の進化、地球の内部や大気の構造などをおおまかに学ぶ授業だったのに対し、Ⅱは地球の大気と海洋を一つの系とした時の相互作用を学んだうえで、気候変動について理学的なデータ分析を通して現状を知るという授業でした。身近な地球環境のことを知るために、様々な側面からアプローチする面白さに、一瞬理学部に心が傾きました。
なお、私が受けた授業は物理・化学・地学を詳しく扱うため理系学生限定開講でしたが、より内容を親しみやすくした「惑星地球科学(文科生)」も開講されています。

東洋古典学

 「東洋古典学」は、毎回漢籍の民話を読み、古典文学を通して社会通念や暮らしの変化を考察するという授業でした。元々古文漢文の読解や文学が好きだったこともあり、大学入学後に古典関連の授業は必ず取ろうと思っていたのがこの授業で叶いました。講義後半は、中国を中心に様々な地域の「変身譚」を読んで比較分析することに焦点を当てており、ただ民話を自分で読むだけでは得られない洞察に触れ、新鮮な気持ちでした。期末レポートも同様のテーマで、正直大学に入ってから一、二を争う重さの課題でしたが、文化人類学を扱うコースのある後期教養学部に進学するのもありだなと思ってしまうほど面白い授業でした。民話研究に興味のある方は、ぜひ「昔話のコスモロジー:ひとと動物との婚姻譚」(小澤俊夫,1994)を読んでみてください。


歴史と文化

 この授業は、近代天皇制のあり方と東京の都市空間の形成の相互作用について、建築史・都市史の観点から考察するというユニークなテーマのものでした。漠然とインフラや都市計画にも興味があったことに加えて、東京の都市史を学べたら街歩きが楽しくなりそうだと思い、履修しました。期末レポートの題材収集のために実際に炎天下で東京散歩をしたのは大変でしたが、実際に歩いてみて初めてつながりが見える場所もあり、フィールドワークの重要性と面白さに触れた授業でした。内容が気になる方は「近代天皇制と東京:儀礼空間から見た都市・建築史」(長谷川香,2020)を読んでみてください。


おわりに

 以上、「理系二年生の秋事情」と題して、2Sセメスターの過ごし方の一例を紹介させていただきました。
 少しでもご参考になれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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