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第2回東大本番レベル模試 化学所感

総評:やや易~標準

今回は理論分野を中⼼に取りやすい問題が多いように感じられました。時間が⾜りなくて焦ってしまい、分からなかった問題、ミスしてしまった問題があった⼈も多いと思いますが、復習の際に落ち着いて考えれば⾃⼒で答えを求められる問題もあるのではないでしょうか。もちろん焦る気持ちもとてもよく分かりますが、そんな時は深呼吸をして頭をスッキリさせて考えるようにしましょう。⻑い問題⽂がなかなか理解できない時には、図や絵にしてみることもオススメです。

第1問:標準

Ⅰ:標準

典型的な構造決定の問題でした。ア、イはそこまで時間をかけずに取りたいです。ウの計算はやや煩雑ですが、ここを間違えるとその先も解けなくなってしまうので、計算ミスしないようにして確実に取りましょう。実験 2の分⼦量が14減少したというところに注目して置換基を考えられれば、エとオもそこまで難しくはなかったかもしれませんが、時間がかかるとは思います。有機の構造決定は⾃分で条件を整理していくことが⼤切です。この時期は有機の演習量が⾜りない⼈もたくさんいると思いますが、慣れると速く解けるようになります。秋以降たくさん演習をしていきましょう。構造決定はもう少しで解けそう…と時間を使ってしまいがちですが、他の問題との兼ね合いで諦める勇気も必要です。

Ⅱ:やや難

カの計算は取りましょう。キでは処理しなければならない情報が多く、出来なかった⼈も多かったのではと思います。キが出来れば Uが分かり、クは縮合反応の反応式だ!となりますが、これで終わりではありません。操作の⼿順をよく読んで、ケで答える中和反応もしっかり含めた反応式にすることに注意です。コは、それぞれの物質の物質量を求めて、何が過剰にあるのかを考えて理論収量を計算しましょう。ポリマーの計算は苦⼿な⼈が多いと思うので、これを機に復習することをお勧めします。全体的に今回の場合はⅡはキ以降に時間をかけるのではなく、第2問や第3問に時間を配分した⽅が⾼得点を狙えると思います。簡単な問題から確実に点を稼ぐため、⾒極める⼒もつけていきましょう。

第2問:標準

Ⅰ:やや易

ア、イは絶対に落としてはいけません。ウは反応による質量変化が⽔と希硫酸の質量の差であることがポイントです。ただ単に希硫酸が増加することだけでなく、減少した分も考えることに気をつけましょう。エも反応式の係数に注⽬したモル計算ですぐに分かると思います。この第 2 問Ⅰを今回間違ってしまった⼈でも、⼊試ではこのレベルの問題を短時間で完答できるようにして欲しいです。

Ⅱ:標準

オ、カは単なる知識問題です。⼀般的には⽔層は下層ですが、クロロホルムや四塩化炭素などの例外をしっかり覚えておきましょう。キも簡単な中和反応なので落とせません。クは銅(Ⅱ)イオンとアンモニアそれぞれの総物質量は変化しないことと、錯イオンになっているアンモニアは全て⽔層に存在していることが分かってしまえば難しくはありませんが、焦っていると整理して考えるのが⼤変かもしれません。⽔層とクロロホルム層に何が含まれているのか図に書いてみると分かりやすくなりますし、コを解く際にも役⽴つと思います。ケはこれまでの問題ができていれば計算するだけです。コは錯イオンに含まれるアンモニアがなくなっただけです。10.0mlはかり取っていることを⾒落とさずに計算しましょう。

第3問:標準

Ⅰ:やや易

ア、イは教科書に載っているレベルの記述です。ルシャトリエの原理に関係する記述は出やすいのでしっかり理解しておきましょう。ウは求めたいアンモニアのモル分率を⽂字でおくとすぐに式は⽴つと思います。式がやや煩雑になりますが、エでこの答えを使うので頑張りましょう。ウが求まれば、エは反応式を⾒てすぐに求められると思います。この問題も短時間で完答したいです。

Ⅱ:やや易~標準

オ、キは絶対に落とせません。ケまでは解きたいところです。カは知っている⼈は多いと思いますが、知らなくても塩酸や硝酸の性質を考えて答えて欲しい問題です。クは、ケの計算に使う数字は正確でなければならないことに注意して、ケの計算をやってから考えるのが解きやすいかと思います。ケは実験 1 の状況がつかめて反応式が書ければ、ただのモル計算です。コも決して難しくはありませんが、多少状況を掴むのに時間がかかるかもしれません。実験のこの時点では何と何が反応しているのか、ということをしっかり意識するようにしましょう。

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