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📙いとしい、こいしい、たべもの 読書の秋 📘


お友達から紹介された素敵な本を読みました。

森下典子さんの
いとしいたべもの
こいしいたべもの
です。

いとしいたべもの


文春文庫 2014年



表紙には懐かしのメロンパンが描かれて、背表紙には

できたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り・・・・ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が甦えるーだれもが覚えのある体験を、ユーモアに満ちた視点と、心あたたまる絵でお届けする、23品のおいしいエッセイ集。可笑しくて、ちょっと泣ける、味の記憶を召し上がれ。

はじめに(ラーメンのおもいで)
01 オムライス世代
02くさやとバンデランス
03わが人生のサッポロ一番みそラーメン
04カステラの溺れて
05ブルドッグソース、ちょうだい!
06端っこの恍惚
07水羊羹のエロス
08カレー進化論
09父と舟和の芋ようかん
10今年もやっぱり、秋がきた・・・
11それは日曜の朝、やってきた
12夜明けのどん兵衛
13漆黒の伝統
14黄色い初恋
15茄子の模倣
16七歳の得意料理
17鯛焼きのおこげ
18カレーぱんの余白
19かなしきおこわ
20幸せの配分
21おはぎのおもいで
22この世で一番うまいもの


森下典子さんは映画「日々是良日」で知りましたが、
作品を読んだことはありませんでした。

今回初めて手にして、「はじめに」読んでいたら、
あららら?
自分の記憶を読んでいるみたい・・
という錯覚に陥りました。

そこで森下さんのことを調べてみましたら、

1956年5月3日生まれ。
神奈川県横浜市出身。
精華小学校、横浜雙葉中学校・高等学校、
日本女子大学文学部国文学科卒業。

という経歴が書かれていました。

同じ時代、地元の共通地域で過ごした仲間のような
親しさを感じました。

読み出したら止まりません。
昭和30年代の横浜の風景の中で
過ごした日々が鮮やかに甦ってきました。

最近は落ちてきたものの、
私もかなり記憶力が良い方でしたが、
記憶の海に沈んでしまっていることが
多々あります。

文章を読んでいると、
そこに書かれていない風景や
匂いまで思い出してきました。
それがとても懐かしかったです。


こいしいたべもの


第二弾の表紙はホットケーキです。



文春文庫 2017年

母手作りの、バターがとろける甘いホットケーキ。父が大好きだった、少し焦げ目についたビーフン。遅い青春時代に食べた、夜明けのペヤング・・・・。味の記憶をたどると、眠っていた思い出の扉が開き、胸いっぱいになった事はありませんか?優しい視点でユーモアたっぷり、胸にほろりとくる22品の美味しいカラーイラストエッセイ。

「おわりに」より


はじめに(しあわせのちらし寿司)
01読書のおとも
02「かっくまら」の鳩サブれー
03一筋の梅の香り
04桃饅頭と中国の恋の物語
05日常の手触り
06潮干狩りでアースする
07四月、桜の木の下で
08九歳の夏、岩手へ行く
09小さなものにこそ、心を籠める
10父と焼きビーフン
11カレーライス、混ぜる派?混ぜない派?
12コロッケパンは自由の味
13停電の夜の缶詰
14身も心もほどけるクリーム白玉あんみつ
15夜明けのペアング
16駅弁の沢村貞子
17シュウちゃんの芋きん
18前世と熟柿とブランデー
19横川駅の峠の釜めし
20ワッフルとスカーレット
21中学受験、合格発表の日
22ちびくろサンボのホットケーキ

 

戦争が終わって、日本の平和が保たれたこの七十年・・・・。
私はその平和を享受してきた世代です。八歳で東京オリンピックを経験史、十四歳で家族と新幹線に乗って大阪万博に繰り出し、三十代のはじめにバブルに沸く東京を目撃しました。そんなお祭りのような時代に生まれ合わせたことを、奇跡のような幸運と感じています。
 その後、二十年低迷したとはいえ、日本は今もまだ豊かで平和な国に変わりなく、2020年には、再び東京オリンピックがやってきます。
(ずっとこのまま平和が続いて欲しい・・・・)
そう思うのは、穏やかな日々が、もしかすると終わりに近づいているのではないかという不安を感じるからです。【中略】
家族と食卓と囲んだ日の空に、ぼっかりと幸せが浮かんで見える。そんな日々こそが、これからもずっとずっと続くことを祈って・・・・ 平成29年 初夏

「おわりに」より


「おわりに」の文章を読み、「ほとんど同じ」感想を持ちました。

森下さんと我が家の決定的な違いは「家族の食卓」です。
お父さんとお母さんと姉弟という4人家族構成は同じなのに
私は父母と弟4人で食卓を囲んで記憶が一度もありません。

平成29年は2017年まだ未来に希望が持てた時です。
未知なる疫病が世界を恐怖に貶め、
世界の均衡が少しずつ壊れ始めたのは
この3年後2020年です。

家族と食卓を囲める家庭が
今の日本にどれだけあるでしょうか。

今の子供たちにこんなほっこりした
たべものの記憶を持たせることができるかしら。

「幸せだった記憶」=『希望』があれば
どんな過酷な環境でも生き抜くことができる!
アウシュビッツを生きぬいた
フランクルはキッパリと言っています。

森下典子さんに会いたいです。
ばったり横浜高島屋地下街で
会えそうな気もします。
記憶を確かめたいなあ。

こんな素敵な文章は書けなくても
私の「いとしい、こいしいこと」を
少しずつ書いていこうと思いました。

一緒に語ってみませんか?


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