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セビーリャ大聖堂 諸行無常の世界観

セビーリャ大聖堂はスペイン最大の、
そして世界第3位の大きさを誇る
絢爛豪華なカテドラルです。

ちなみに第1位はローマのサン・ピエトロ大聖堂、
第2位はロンドンのセント•ポール大聖堂です。


レコンキスタ(イスラムから国土奪還する運動)以前は
ここには巨大なモスクが建っていたと言われていて、
今でもその面影が残る中庭があります。

スペインが繁栄を迎える時代、
「後世の人々が我々を正気の沙汰ではないと思うほどの
 巨大な聖堂を建てよう」という壮大なコンセプトのもと、
100年かけて完成しました。

アルカサル門を通って入場していきます。


  
  

大聖堂の中央には「黄金色の木製祭壇」があります。
高さ20m、幅13mの巨大な祭壇ー衝立です。
目がくらむほどのピカピカな祭壇で、
イエス・キリストと聖母マリアの
生涯が45場面にわたって彫刻されています。
祭壇の中央はマリア様です。
マリア信仰の根強いことがよくわかります。



“ひかりもの”大好きな方にはたまらない祭壇で、
大航海時代、なぜ、スペインが
「黄金の国 ジパング」に来たかったのか
わかる気がしました。
これだけ金を使うのだから、集めるのも大変ですものね。

・聖堂内部には
パイプオルガン、ステンドグラス、どてもが大きくて、
小さな私はますます小さくなっていく気がします。
こういう効果があるのですね。


   

・コロンブスの墓


大航海時代、1492年あたりで新大陸を発見したコロンブスの棺を
当時、スペインを構成していた4つの国の王たちがかついでいます。
コロンブスはジパングをめざし、アメリカ大陸を発見しました。
メキシコ・ペルーで銀鉱山を見つけ、
スペインに莫大な富をもたらしましたが、見つけらた側は
たまったものではなかったと、思いました。

・ヒルダの塔




もともとはモスクのミナレットだったものに
16世紀になって鐘楼をつけられ、
塔の上には風向計として女性象がつけられました。
女性像はヒラルディーヨと親しみを込めて呼ばれています。
高さは97mあり、階段ではなくらせん状のスロープになっています。
王は馬で乗りこむことができたそうです。
高さ70mのところにある展望台から
セビーリャの街が見渡すことができました。



スペインはもちろんジパングにもやってきて、石見銀山から
たくさんの銀を採掘してもって帰り、こちらの祭壇につかいました。



セビーリャのグアダルビール川は北から南へと縦断し、
大西洋へと流れ込んでいます。
新大陸から持ち帰ってきた膨大な品々は、
この川を上り、運び込まれてきました。
大きな貿易拠点だったのです。



栄華を極めたスペイン、没落の始まりは
エリザベス一世の時代、
無敵艦隊がイギリスに敗れたことから始まります。
武力を持って権力を得て、
莫大な富を得ようと、必ず限りがあります。
「諸行無常」という言葉をヒルダの塔に立ったとき、
ふと、思いました。


人生の最後に何を残すのでしょうか。
名誉も富も何も持っていくことはできません。

そのことを忘れて目先の利益に走らず、
慈しみ深く生きようと思いました。

私の見上げる先で、世界一、美人と讃えられたセビーリャの
マリアさまが静かにほほえんでいらっしゃいました。


#セビーリャ #セビーリャ大聖堂 #ヒルダの塔 #レコンキスタ


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