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高校生にしびれた話

今日、電車に乗ったら
休み明けのテストを終えたらしい高校生男子が3人
そのうちの2人は今日のテストが
いかに惨敗だったかを語り合っていた

俺さー
今の総理大臣の名前を答えなさいの答えが
分からんかったー
だから安倍って書いといた

お前、バカじゃね
ガースーだよ、ガースー

誰?

本名は知らないんだよな
ま、知らなくても大丈夫なんだから
答えられなくても問題ねーし 

太っ腹な高校生だ

現職総理大臣なんて関係無い
名前なんか知らなくても大丈夫らしい
自分に関係無いことは知らなくても問題なし
一見、頼もしい感じもする 

しかし、世の中のことで
知っていることと知らないこと
どっちが多いんだろうか
知らないことは知らないまま
そう生きていけば楽なんだろうか

私の尊敬する先生は
読んだ本を積み上げた高さが
物事を経験した回数が
あなたの視点の高さと幅だと教えてくれた
視点の高さや幅は教養となり
よりよい選択をするための指標となる
本を読まないことや数少ない経験値は
地べたで物事を見ているのと同じだと

この高校生達が
未来の日本の中心になるのかと
少し寂しい気持ちになりかけた時
3人目が静かに言った

ガースーじゃねーよ
スガさんだよ
電車の中で恥ずかしいな、おめーら
高校生がバカだと思われるからやめろ
しかもな
コロナなんだからペチャクチャ喋んな
少しは頭使って考えろ 

カッコいい
一言で終わり
おばさん、ノックダウン

知ってるようで知らないし
わかった風でわからないくせに
少ない情報で人をジャッジしたくて仕方がない
情けない中年に成り下がっている私には
ガツンと響いたよ

分からないから関係が無いのではなく
関係無いからと前置きして
分からないことを許可してはならない
学んでなくても、経験していなくても
頭を使って考えるべきなのだ


しびれた、高校生に
やるなぁ、キミ