見出し画像

私が誇れること

今朝ムスメと話していて
あー、うちのムスメって最高だなぁ
とつくづく感じた

私には20代のムスメが2人いる
今朝話していたのは次女の方
目指した専門職は専門学校の途中で諦めて
最近は希望する仕事にはなかなか就けず
去年からは仕方なくフードデリバリーで稼いでいる
世間から見たら落ちこぼれかもしれないこの子は
ホントに懐が柔らかく、どこまでも情が深い

そのムスメが
「吉田さんさぁ、最近デリの連絡無いんだよね」
と、呟き話し出した

今朝の話はデリバリーバイトで気になっている
吉田さん(仮称)というおじいちゃんの話
吉田さんは市営住宅に独居している100歳の
(ムスメが言うには)おじいちゃんだ

以下ムスメの話~

吉田さんはほとんど毎日お寿司ランチを
電話注文してくれるの
だから着電番号を見るだけであ!吉田さんだ! 
って分かるから私が出るんだ
何でかと言うと、
吉田さんは入れ歯がガバガバみたいで
他の人だと何言ってるか分かんないから(笑)

デリバリーに行くのもなるべく私が行く
なんせ100歳だからピンポン押しても音沙汰なし
他のスタッフだとそれでイラついて態度が悪くなる
おじいちゃんだから聞こえないし
動くのも遅いんだよねー

だから、玄関をすこーし開けて
「お寿司お持ちしましたー!」って声かけるの
すると
ゆっくりゆっくり色んなところに掴まりながら
仙人みたいな吉田さんがお金を握りしめて
息も絶え絶えに玄関まで歩いてくるわけ

渡されるお金はいつも温かいから
ああ、きっと電話かけてからずっと待ってたんだな
って分かるとさ、怒れないよね

でもね、時々お金が足りないの(笑)
10円とか5円とか
一応私も仕事だからさ
「お金が足りません」って伝えるんだけど
また仙人がゆっくりゆっくり部屋まで戻って
お金を探すのかと思うと可哀想で
「数え直したらありました!」と言い直す
足りない分は自腹だけどさ
この恩は天国で返してもらうからいいの
会社的にはアウトなのは分かってる
私は人間としてやってるからセーフだよね

玄関でお寿司を手渡しないといけないけど
吉田さんはどこかに掴まらないと歩けないから
お寿司が片手持ちでぐちゃぐちゃになる
せっかくのお寿司だから
キレイな状態で食べてもらいたいじゃん

だから吉田さんに
「部屋の入り口に置かせてもらいますね」って
片足だけ上がらせてもらうの
すると、吉田さんは手を合わせて喜んでくれる
多分1日で人と話すのこれだけだよね
そう思うと、何かさ、ねー

今日注文来ないかな

ムスメよ
私はあなたのことが心から誇らしいです
誰かから何かを言われた訳でもなく
誰かにそれを強いることもなく
そんな行動ができるあなたが誇らしい

マニュアルを超えたところには何があるのか
届けるのはお寿司だけじゃないもんね
教えて分かるものじゃない細やかな部分を
染み出る自分の感覚で分かってる

マジで高層ビルの上から叫びたい!

あなたのようなムスメが
私のムスメで本当に嬉しい
あなたのお母さんになれてママはうれしい